脳梗塞・脳出血や整形外科疾患の後遺症に対する新しいリハビリ方法である認知運動療法(認知神経リハビリテーション)の紹介。 麻痺や痛み・しびれの回復へ向けた日々の取り組みや基本的な考え方の紹介、相談コーナーもあります。

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先日、コメントをいただいた中に、

認知運動療法について、
患者さんに簡潔に説明するとどのようになるのでしょうか


というご質問をいただきました

皆さんの中にも同じことを感じてらっしゃる方もいらっしゃるのではないでしょうか

私なりの評価から訓練の進め方について、例を挙げて紹介させていただきます


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先日の日記にあるコメントをいただきました(詳しくはコチラ

「感じることが出来れば運動は改善する」

患者さんに簡潔に説明するとどのようになるのでしょうか


皆さんも同じことを感じてらっしゃる方もいらっしゃるのではないでしょうか



認知運動療法を患者さんに導入するときに、

どのように説明するのか

どのように進めれば良いか


難しいところです



説明してもわかってくれなかったらどうしよう

理解してくれなかったらどうしよう


セラピストも不安になります



今回は、私が臨床で行っている、

評価から訓練に至る一連の流れについて記事にしたいと思います





私は、はじめに患者さんとお会いしたときに、

今までリハビリを受けた経験があるのか

どのようなリハビリか

リハビリを受けて、どのように感じたか


を聴取します



リハビリを受けた経験のある方の多くが、筋力増強訓練を経験されています

そのため、

リハビリ=動くこと・筋力増強訓練をすること

という考えになっていることが多くあります

この考えをいかに、

感じることが出来れば運動は改善する

という考えに変化させることができるかがセラピストの腕の見せ所になります



これらを聴取した後に、

リハビリには色々な考え方や方法があること

自分がしていることが、これまでのリハビリとは異なる特殊な方法であること

試しに行ってみるので、不明な点があればいつでも質問していただくようにお願いすること


を患者さんに伝えています



私は、このときに認知運動療法の理論について、患者さんに詳しく説明していません

細かく理論を説明するよりも、

実際に体験していただくことが良いのではないかと考えます

体験していただいた後の方が、より理解が進むと思います



患者さんが、

訓練を通じて「感じるように」なった結果として、

自らの運動の異常や意識経験の異常が改善する


ということを体験していただくのが一番早いと考えます



そのためには、評価から訓練にいたる流れを工夫して、

患者さんに気づいていただけるようにしています



これから以下の図を用いて説明していこうと思います

訓練の一連の流れ番号修正


今回は歩行の問題を例として進めたいと思います


① 歩行の中で特異的病理が出現していて、
  セラピストが改善させたい機能
  (支持や振り出しなど)はなにかを明確にする(三人称の観察)
訓練流れ①


特異的病理のあるところには、意識経験の異常が生じていることが多いため(詳細はコチラ)、

どのような特異的病理が出現しているのか(三人称の観察)に加え、

どのような感じがするのか

健側と比較してどのように違うのか


などについて聴取する(一人称の観察)

例)右立脚中期の足部内反
  三人称の観察(特異的病理):下腿三頭筋、前傾骨筋の過剰な運動単位の動員
  一人称の観察(意識経験):「右へ倒れそう」「頼りない」


「感じる」訓練を行うことで、特異的病理が制御されるとともに、

「右へ倒れそう」「頼りない」といった意識経験が変化すれば、

患者さんは理解していただけると思います




② 改善させたい動作を分解して観察する

訓練流れ②

歩行というダイナミックな動作の中では、

特異的病理や意識経験の観察が行いにくいので、

動作を分解して、観察します

運動学的に類似した運動であれば、

そのときに収集しなければいけない情報は同じになる
と考えられますので、

評価や訓練効果を検証するときに有用であると考えます


例)右半歩前立位から立脚中期を再現
  三人称の観察(特異的病理):下腿三頭筋、前傾骨筋の過剰な運動単位の動員
  一人称の観察(意識経験):「右へ倒れそう」「頼りない」


③ 病態解釈を行う(仮説を立てる)

訓練流れ③


改善させたい動作が、

どのような情報を収集できないことが原因か

仮説(詳細はコチラ)を立てます

その機能はどのような体性感覚情報の組み合わせから
 成り立っているのか?

それらの体性感覚情報の中で、セグメンタル(個別)に認識できない
 問題があるのか?

セグメンタルには認識できるが複数の体性感覚情報を
 関係付けようとすると認識できない問題があるのか?

  

  例)足底の圧覚や足関節内外反の運動覚によって、
         床の水平の認知が困難となっているか




④ ③で仮説を立てた情報を収集しないと解けないような認知課題を設定して検証する

訓練流れ④

認知運動療法では、運動は世界に意味を与える手段と捉えています(詳細はコチラ

つまり、運動は情報を収集する手段と考えられており、

収集される情報によって運動が変化するということだと思います


適切に情報を収集できていれば、適切な運動が出現し、

適切に情報を収集できない場合は、

結果として運動の異常(特異的病理)が出現する
のだと考えます
  

そのため、

③で仮説を立てた情報を収集しないと解けないような認知問題を設定することで、

  適切に情報が収集できない場合は、

①・②と同様の特異的病理が出現する可能性があると考えます

どのような情報を収集しているのかについては、

知覚仮説を確認します(詳細はコチラ

例)縦軸プラットホームを用いて内外反の水平性を認識する課題  
  軽度内反位を水平と認知する
  内外反の差異を足底の圧変化を知覚仮説としている
  同時に下腿三頭筋と前傾骨筋の伸張反射の亢進を認める



⑤ 訓練(仮説に基づく認知過程の活性化)

訓練流れ⑤


健側を利用しながらセラピストの援助によって、

認知過程を活性化(詳細はコチラ)し、

適切な情報を認知できるように導きます

それと同時に特異的病理の変化を観察します

仮説が正しければ、適切な情報が認知できると特異的病理が制御されるはずです

さらに、適切な情報に注意を向けながら課題を行うことで、

適切な情報の収集方法を学習してもらい、その後の運動につなげます

例)健側で同じ課題を行うと、足底の圧変化に加え、
      足関節の運動覚を知覚仮設をしている
      健側では、下腿三頭筋と前傾骨筋の伸張反射の亢進は認めない
                     
       セラピストの言語的な援助によって、
       患側でも足関節の運動覚に注意を向けるように指示する
                     
       足底の圧変化に加え、足関節の運動覚も認識することができると同時に、
       下腿三頭筋と前傾骨筋の伸張反射が制御された
       また、水平の認知が可能となった
                     
       水平を基準に足底の圧覚と足関節運動覚を知覚仮説として、
       内外反の水平性を認識する課題を行う



⑥ 訓練効果の検証を目的に②で行った分解した動作を観察する

訓練流れ⑥


  このときに、患者さんには⑤で学習した情報に注意を向けるように指示します

  その結果、②で観察された特異的病理や意識経験が改善していれば、

  「感じることがでれば運動は改善する」という体験につながると考えます

  例)右半歩前立位から立脚中期を再現
    このとき、足底の圧覚と足関節運動覚に注意を向けるように指示して行う
                         
    三人称の観察(特異的病理):下腿三頭筋、前傾骨筋の運動単位の動員が制御
    一人称の観察(意識経験):「今は、倒れそうにない」「安定している」



⑦ 訓練効果の検証を目的に①で行った歩行の観察を行う

訓練流れ⑦

 
  ⑥と同じように、⑤で学習した情報に注意を向けるように指示します

  その結果、②で観察された特異的病理や意識経験が改善していれば、

  ダイナミックな動作にもつながり、

  セラピストも歩行時の注意点を指導することにもつながります

  そうすれば、患者さんは徐々に、

「歩きやすくするためには、このようなことを注意すればよいのか」

という考えに変化していくと考えます

例)右立脚中期の足部内反の軽減
  このとき、足底の圧覚と足関節運動覚に注意を向けるように指示して行う
                         
  三人称の観察(特異的病理):下腿三頭筋、前傾骨筋の運動単位の動員が制御
  一人称の観察(意識経験):「今は、倒れそうにない」「安定している」
                         
  動作場面でも「感じることがでれば運動は改善する」という体験につながった

訓練後、セラピストは患者さんに、

「右足を支えるときには、足底の圧覚と足関節運動覚に注意を向けてください」

と指導することで、

患者さんは、 「歩きやすくするためのコツ」を学習することにつながると考えます




リハビリ=動くこと・筋力増強訓練をすること

という考えになっている患者さんを

「感じることが出来れば運動は改善する」

という考えに変化させるということは簡単なことではありません



しかし、今回のようなやり取りを繰り返していくことによって、

徐々に患者さんの考えが変化していくことを臨床では観察されます



訓練を通じて、

「感じることが出来れば運動は改善する」

ことを体験
していただくことが重要になると考えます


訓練を通じて認知過程を活性化した結果として、

患者さんの考えが変化する


のだと思います



今回の内容は、カテゴリ内の

「観察から訓練にいたる病態観察のプロフィール」(詳細はコチラ

に類似した内容がありますのでご参照ください



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コメント
この記事へのコメント
私の説明方法など
こんばんは。
私はありがたいことに対象者の方は説明すると理解され協力してくださることが多いです。説明があっているか不安ですが…。
「病気について検査したことと、例えばここが動きにくいとか、と、患者さんとお話をたくさんして、患者さん自身が思っていることとか感じていることとあわせてリハビリをしていく方法をとります。だから、たくさん、感じたことを教えて下さい。」
と、言う内容の説明をする事が多いです。また、研修会に行く前に、例えば「次の研修会の内容が○○だから、何か、聞きたいこととか他の病院の先生に尋ねて欲しいことがあったら教えて下さい」など伝えて、私が今実際勉強中の身であること、具体的に勉強をしている内容を伝えて患者さん本人もこの世界に入っていけるような関係を作っています。

このような感じで取り組んでいると、患者さん自身が他の患者さんと話して、「○○さんは、膝がビリビリって言ってたよ。紙を破くみたいにビリビリだって」(今週入院患者さんから、外来の他の患者さんが言っていた記述を言われました(^_^;) )など患者さん達の中でやりとりして、その結果を私に伝えてくるなど面白い現象があります。
2009/03/13(金) 00:19 | URL | Regina #-[ 編集]
広がり
>Reginaさんv-22

実践されている説明方法を教えていただきまして、ありがとうございますv-353

「患者さん本人もこの世界に入っていけるような関係」とは、
セラピストと患者さんの視点が近くて素晴らしい関係ですねv-354

患者さんが自ら経験したことについて、ほかの患者さんに伝えることが繰り返されることによって、
病院内外の患者さん達に認知運動療法について広がっていくのですねv-280

認知運動療法が広がるためには、患者さん同士の口コミが大きな力を発揮しそうですねv-21
2009/03/13(金) 02:16 | URL | 白いなまけもの #-[ 編集]
No title
私の質問の回答を具体的に記事にしていただき、ありがとうございます
2009/03/16(月) 19:32 | URL | ぷー #-[ 編集]
情報交換
>ぷーさんさんv-22

きっと同じことで困っている方もいらっしゃると思いますv-21

私のブログが、そのような方々の情報交換の場になれば嬉しく思いますv-48

今後も私にできることがなにかありましたら、いつでも連絡いただければ幸いですv-354
2009/03/16(月) 22:55 | URL | 白いなまけもの #-[ 編集]
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