脳梗塞・脳出血や整形外科疾患の後遺症に対する新しいリハビリ方法である認知運動療法(認知神経リハビリテーション)の紹介。 麻痺や痛み・しびれの回復へ向けた日々の取り組みや基本的な考え方の紹介、相談コーナーもあります。

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「認知運動療法の用語は難しい…

認知運動療法を勉強されている皆さんは、一度は感じたことがあるのではないでしょうか

認知運動療法では哲学や脳科学の知見を多く取り入れているとことから、

さまざまな用語が出てきます

用語が難しいと勉強する意欲が下がってしまうこともあるのではないでしょうか

そこで少しスッキリするために…


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認知運動療法ではさまざまな分野からの知見を取り入れています

哲学脳科学など

認知運動療法に関する書籍を読んでいると、さまざまな用語が出てきます


心身二元論、志向性、相互作用などなど…


言葉だけ聴くと難しいですね



私自身、

「なんとなくわかるけれども、詳しくはわからない

「それぞれの用語のつながりがわからない

「哲学の話と脳科学の話がどのように関係しているのか


と感じていました



今回、認知運動療法の用語を整理するための良い書籍があったので紹介したいと思います

その書籍とは…

暴走する脳科学 (光文社新書)暴走する脳科学 (光文社新書)
(2008/11/14)
河野哲也

商品詳細を見る


です




冒頭でこの書籍の目的として、

「現代の脳科学が提起する諸問題を、

哲学的・倫理的観点から考察すること」


とありました

全体としては6章で構成されています

第1章 脳の時代と哲学

第2章 脳と拡張した心

第3章 マインド・リーディングは可能か

第4章 社会的存在としての心

第5章 脳研究は自由意志を否定するか

第6章 脳神経倫理



中でもおすすめは第2章と第5章です



第2章では、認知運動療法の書籍に出てくる用語や哲学者・脳科学者の名前が多く出てきます

用語の具体例が記載されており、

「こういうことだったのか

「これとこれはこのようかつながりがあったのか


と感じることが多くありました



内容は、「心はどこにあるのか?」という問いからはじまり、

哲学的・脳科学的観点から「心のありか」について述べられています


デカルトの心身二元論からはじまり、

それを克服するために現象学者のメルロ=ポンティは行動という概念に着目します

メルロ=ポンティは、

「意識」と呼んでいるものが

環境へと向かう「志向性(intentionnality)」という働きであり、

その働きは根源的に身体に依存している

と述べており、

心を環境へと向かう身体の組織的な振る舞いとして理解すべきと述べています



「水槽の中の脳」という段落の中で、

脳科学者のダマシオは、

環境と相互作用する身体を持たなければ、

脳は正常に作動しないはずだ


と述べています

また、現象学者のメルロ=ポンティは、

人間の心の本質的な特徴は外界へと向かう志向性にあることを指摘しています


これらの様々な知見から身体の役割を重視しています

「心」と呼ばれる働きの多くは、

環境との相互作用によって成立するが、

環境とのやり取りを担っているのが身体である


と述べられています



どこか認知運動療法の書籍にもありそうな内容ではないでしょうか

認知運動療法で心と身体は一体と考えている意味が少しわかるような気がします



第2章の最後では、「脳の位置づけ」としてグレゴリーベイトソンが出てきます

ベイトソンによれば、

あらゆる心的活動を脳状態に還元することは誤りである

と強調し、

脳も身体と環境を含めた全体的なシステムの一部をなしている

と述べています


まとめとして、

「心」と呼ばれる身体-環境システムにおいて、

脳活動がどのような位置づけを持ち、

脳内の変化がどのようにシステム全体に影響を及ぼすのか


また、その逆に、

システムにおけるほかの構成要素や全体的特性(機能と構造)の変化が、

脳にどのような変化をもたらすのか


脳研究とは、これらのことについて研究する分野として理解されるべきである

と述べています





第5章は、

意思の自由は存在するのか

という問いから始まります


脳科学者のベンジャミン・リベットの自由意志に関する実験が議論の中心になります

リベットは実験を通じて、

私たちが意識的に何かをしようとする際には、

常にその550ミリ秒前に脳の運動領域が活動を開始している


と述べました


この実験から、

自分で自由に意志して行為しているというのは

主観的な思い込みや幻想のたぐいにすぎないのではないか


という疑問が生まれたようです



この疑問に関して、脳科学的・哲学的に批判的な議論がなされます



「よし、やろう」といった決意がなくとも意図的な行為が行われる

という話から、

人間はいつ決意するのか

という話しに進みます


その中で、

意図的な行為が決意とともに始まるということが誤りである

とありました


そして、

行為の動機となるような文脈や背景が徐々に形成され、

その文脈の中における自分の内外の様々な事柄がきっかけとなって、

ある行為が生じる


とありました



行為の選択には、「知る」ということが重要なようです

知るということは、探索的な行為であり、

環境中に存在する情報を取得すようとする試みである


とありました


認知運動療法における、認知過程(認知過程についての詳細はコチラ)の働きと同じように感じました


第5章の最後は、

脳の可塑性は、私たちが自由な存在であることの神経生理学的表現なのである

という言葉で締めくくられていました



読んだ後には、

今までぼんやりしていたところが少しスッキリするように感じた一冊でした
暴走する脳科学 (光文社新書)暴走する脳科学 (光文社新書)
(2008/11/14)
河野哲也

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認知運動療法は様々な分野の知見を取り入れて作られた理論であることを改めて感じました

用語やそれぞれのつながりを理解することは難解ですが、

それほど、人間は複雑な存在であることを感じました

患者さんを治療させていただく私たちは、

それだけ多くのことを学ぶことが必要なのだと思います



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コメント
この記事へのコメント
よみましたよ
おはようございます。

わたしも、この本なにげに購入して読みました。

その本も2.3度読み直しますが、亡くしてしまいました。
また探して復習しようとおもいます。

今読んでるのは、右脳と左脳の本です。

これは昨日やはり、ぶらりと本屋により、購入しました。
むかしはビジネス系や自己啓発の本ばかりでしたが、

今はリハビリ、脳の本ばかりです。

私の空き時間がすべてリハビリの時間なんです。

白いさん、春の便りも聞こえる今日このごろ。

わたしも、少し余裕をもって、もう少し、脳の発芽作用をまってもいいのでしょうかね。

でも、発芽をうながすのは、努力が必要ですね。
2009/03/07(土) 10:15 | URL | まるさん #XD/8Df/M[ 編集]
初コメントです
オートポイエーシスについてネットサーフィン中に、白いなまけものさんのブログに当たりました。こんばんは、Reginaです。

マスターコース参加中に、高橋先生から「用語を整理する癖をつけたほうが良いよ」と教授して頂きましたが、用語を整理するための本が探せ出せなかったので、本の紹介がありがたかったです。

私自身、コース中に「統合」と「統一」という言葉の使い方の違いが分からず、理事の先生に質問したら、変わりに、パンテ先生に質問してくださいました。でも、質問の返答が私には難しくて整理が付いていません。

後は、「情報を収集する」と「情報を再構築する」と一見似ているようで違うような言葉のニュアンスも整理できていません。

でも、分からないから、分かることに楽しみを覚える毎日なのかなとポジティブに考えて過ごしてます。
2009/03/08(日) 00:35 | URL | Regina #-[ 編集]
読書
>まるさんさんv-22

たくさんのリハビリや脳の本を読まれているのですねv-87
おすすめの本などございましたら、
ぜひとも教えていただければ幸いですv-353

私の好きな言葉ですv-353
-リハビリテーションに奇跡はない、しかし進歩はある-

脳の可塑性を考えると日々学習しようとすることは大切なことだと思いますv-280
時には息抜きもしながら…v-278
2009/03/08(日) 01:28 | URL | 白いなまけもの #-[ 編集]
用語の理解
>Reginaさんv-22

ブログへの訪問、初コメントありがとうございますv-353

「統合」と「統一」の違いとは興味深いですねv-21
私も理解できていないので、ぜひとも教えていただきたいですv-48

「情報」についても難しいですねv-393
私も理解が不十分だと思いますv-356

私は、「収集する」というのは、ある環境世界との相互作用するときに、
様々な情報の中から、必要な情報を選択することと考えておりますv-355

「構築する」というのは、ある情報を細分化したり、
複数の情報を関係付けたりすることなどと考えておりますv-355

用語については、私も理解が不十分なこともありますし、
皆さんで情報を共有できれば素晴らしいですねv-22
2009/03/08(日) 01:40 | URL | 白いなまけもの #-[ 編集]
No title
はじめまして。いつも拝見させて頂いています。

かなり興味深い内容の本ですね!

読んで勉強してみようかと思います☆

2009/03/08(日) 11:15 | URL | 510 #l2UxfK5Y[ 編集]
コメントありがとうございます
>510さんv-22

いつもブログを読んでいただきまして、ありがとうございますv-353

この本は、同僚から薦められてたのですが、
知識の整理につながり、楽しんで読むことができましたv-280

認知運動療法に興味がない方には、少し重たい内容かと思いますが、
認知運動療法に興味をもたれている方であれば、
比較的すんなりと内容が入ってくるように思いますv-278

読まれた後に、よろしければ、ご意見をお聞かせいただければ幸いですv-22
2009/03/08(日) 15:40 | URL | 白いなまけもの #-[ 編集]
No title
いつもコメントをありがとうございます。
興味深く読ませていただきました。

脳と身体の関係、身体の重要性については共感します。
身体が緊張している状態で、活動をしていると、環境への働きかけ・環境からの刺激による感覚・認知がうまく機能しなくて、ますます緊張してしまう。ということもあります

認知運動療法では、身体と外部環境の関係はどのようにとらえることが良く理想的というものはあるのでしょうか。

単純な質問なのですが、
作業療法士の方で認知運動療法を活用している方は、結構いるのでしょうか。
また、実際に作業療法士が
臨床で認知運動療法を活用する場面は、ありますか?
質問ばかりになっていまいました。
2009/03/09(月) 19:41 | URL | あさ #-[ 編集]
心と身体
>あささんv-22

質問ありがとうございますv-353
私見を含めて答えさせていただきますv-280

>身体が緊張している状態で、活動をしていると、環境への働きかけ・環境からの刺激による感覚・認知がうまく機能しなくい

緊張していると感覚・認知ができなくなるというのは、
私も臨床をしていて日々感じますv-21

>認知運動療法では、身体と外部環境の関係はどのようにとらえることが良く理想的というものはあるのでしょうか

外部環境のの変化に伴って、身体が得られる情報も変化する
ということが重要であると考えますv-22

認知運動療法では、運動を
環境世界を知るため、
世界から情報と得るための手段と捉えていますv-87

そして、情報は身体と対象物との相互作用によって得られると言われていますv-87

相互作用とは、身体と環境世界との関係であり、
身体を通じて環境世界を認知する時には、
内部状態と外部状態の特殊な組み合わせが存在するといわれていますv-87

相互作用を行う際に、
環境世界(外部環境)の変化に伴って、身体が得られる情報も変化する
ということを中枢神経系が処理することによって、
環境世界の変化を知る(認知する)ことが可能になると考えますv-48

詳しくはコチラ(http://neurocognitive.blog105.fc2.com/blog-entry-21.html#more


>作業療法士の方で認知運動療法を活用している方は、結構いる のでしょうか。 また、実際に作業療法士が 臨床で認知運動療法 を活用する場面は、ありますか?

作業療法士の方も認知運動療法を実践されている方が多くいらっしゃいますv-22

当院でも理学療法士・作業療法士ともに認知運動療法士を実践しておりますv-100

当院では、理学療法士は主に下肢と体幹へのアプローチを行っておりますv-29

作業療法士は、日常生活などの評価も行いながら、
主に上肢と体幹へのアプローチを行っておりますv-91

上肢でも下肢でも、
「感じることができれば運動は改善する」という視点に立って、
アプローチを行っておりますv-21


v-190私のコメントの中に誤った表現などがございましたらご指摘いただければ幸いですv-190
よろしくお願いいたしますv-22
2009/03/09(月) 22:56 | URL | 白いなまけもの #-[ 編集]
わかりにくいですね
認知運動療法は一言で言うとわかりにくいです。

わかろうとしてもわかりにくいものは、職場のPT、OT、Nrs、Dr、そして患者さんの理解を得られません。

複雑な言葉が多くあり、それがさらにわかりにくくしています。

すると、これは広まらないってことになってしまいます。

もっと分かりやすいフレームワーク(概念)に言葉をまとめて、
簡潔に伝わりやすいようにした方が良いと思います。

「感じることが出来れば運動は改善する」

患者さんに簡潔に説明するとどのようになるのでしょうか?
2009/03/10(火) 19:50 | URL | ぷー #/.OuxNPQ[ 編集]
ご質問ありがとうございます☆
>ぷ-さんv-22

コメントしていただきまして、ありがとうございますv-353

>患者さんに簡潔に説明するとどのようになるのでしょうか?

どのようにすすめるかは難しいところですねv-280

皆さんも同じような点で困ってらっしゃる方が多いのではないかと思いますv-22

私がどのようにすすめているのかについて、

記事にさせていただきたいと思いますv-21

また、ご意見をいただければ幸いですv-353
2009/03/10(火) 22:33 | URL | 白いなまけもの #-[ 編集]
フレームワーク
>ぷーさんv-22

おしゃるように認知運動療法では、複雑な言葉が多く、
わかりにくさゆえに、広まりにくいかもしれませんv-393

私も同じことを考えており、ブログを通じて自分なりに用語やそれぞれの関連性を整理しましたv-353

詳細は、ブログ左上段の「カテゴリ」内にある、
「認知運動療法の基本概念から訓練のためのプロフィール作成へ」の①から⑨でまとめておりますv-21

参考にしていただければ幸いですv-22
2009/03/10(火) 22:50 | URL | 白いなまけもの #-[ 編集]
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