脳梗塞・脳出血や整形外科疾患の後遺症に対する新しいリハビリ方法である認知運動療法(認知神経リハビリテーション)の紹介。 麻痺や痛み・しびれの回復へ向けた日々の取り組みや基本的な考え方の紹介、相談コーナーもあります。

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認知運動療法では、どのような訓練を行うかを決定するために

病態観察のプロフィールを取ることが必要であると言われています

これまでの基本概念からの流れをふまえて、

観察からセラピストがどのように考えて訓練の決定に至るのか

という過程を整理したいと思います

そこには基本概念の理解を基盤にした問題-仮説-検証作業の繰り返しがありました


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病態観察のプロフィールの目的としては、大きく三つに分けられると考えます

患者さんの運動の異常や意識経験の異常とそれらを生み出す認知過程の変質との関係を明らかにするといった病態解釈を行うこと

認知過程の変質に対して、どのような訓練を構築すればよいか決定すること

今後の回復の予測を立てること


が挙げられます


認知運動療法では、評価と訓練は一体であると言われています

患者さんは、「わからない(感じることができない)から動けない」状態であり、

目に見える運動の異常の理解には、

目に見えない認知過程の変質を知る必要があります

プロフィール2


認知過程の各項目はシステムとして関係し合っていることから、

認知過程がどのように問題があるから「わからない(認知できない)」のか

また、

訓練としてセラピストがどのように援助すれば「わかる(認知できる)」ようになるのか

といった認知過程の特徴を把握することが求められます

そのため、認知問題においては、関係性に注意しながら認知過程の各項目の問題を評価すると共に、

訓練としてどのように認知過程を適切に活性化するかという視点を持つことが求められます


プロフィールを通じた認知過程の評価は、認知問題を通じた問題-仮説-検証作業によって、

訓練を構築するための回復阻害因子の予測(ネガティブ因子、ポジティブ因子)を導き出すために行われます(アドバンスコース配布資料、リハビリテーションにおける認知理論をより深めるために)

この時、仮説を検証するために知覚仮説の確認特異的病理の観察も同時に行うことが重要と考えます

図11を用いて、観察から始まる問題-仮説-検証作業について以下に解説します

観察から訓練


観察を行うことは、仮説を形成するとともに、仮説が検証されたか確認するために重要となります

観察とは、三人称の観察一人称の観察に分けられると言われています(第1回マスターコース文字起こし資料)

これは、「認知神経的な仮説」で述べたような、認知過程が変質した結果として生じている、

運動の異常(特異的病理)経験(意識経験)の異常について評価していることとなります

観察を通して、問題-仮説-検証作業における「問題」を明らかにします

三人称の観察とは、外部観察になります

まず、セラピストが治療することを目的とした、

問題が生じている行為を決定し、どのような問題が生じているのかについて客観的な観察を行います

この時、「運動を観察するための視点」に挙げた機能系の概念をもとに、

どのような機能が障害されているかを特定するが重要になります

この時、視診や触診によって、その行為において

どのような特異的病理が認められるのか

を評価することが求められます


一人称の観察とは、内部観察になります

患者さんが治療を目的としたある動作や自分の身体について

どのように感じているのか

を聴取します


病態解釈を行い、治療仮説を立てるうえでは、「認知神経的な仮説」で述べた、

認知過程と生物学的構造(特異的病理)と意識経験の3つの項目における相互関係

を考慮することが重要になります
三項関係


「観察によって得られた運動の異常(特異的病理)と経験(意識経験)の異常が、

どのような認知過程の変質によって生じているか」


について仮説を立てることになります

機能系の概念に基づいて行為を観察したことによって、

障害されている行為に応じて、認知できていない情報を特定することが可能になります

ここでセラピストは、

「特異的病理の出現や意識経験の異常が、認知過程のどの部分に問題があるために、どのような情報を認知することができないことが原因か」

という病態解釈を行うとともに、

「認知過程の問題に対してどのように克服すれば認知過程が活性化し、適切な知覚仮説を立てることが可能になり、特異的病理の制御や意識経験の改善につながるのか」

といった治療仮説を立てることが求められます

そして、病態解釈・治療仮説に基づいて、

どのような認知問題を設定するかが決定されます


認知問題を通じて、セラピストが立てた仮説が正しいか検証されます

認知問題において、

正答することができず特異的病理が出現する場合や、

正答できるが不適切な知覚仮説を立てており特異的病理が出現する場合は、

システムとしての認知過程のどこかに問題が生じていることを意味すると考えます

治療におけるセラピストと患者さんの関係は、教育者と学習者の関係として捉えられています(認知運動療法入門―臨床実践のためのガイドブック

セラピストは仮説に基づいて、認知過程に生じている問題に対して、

患者さんの認知過程における良い部分を用いた援助(設定の変更、言語による援助、視覚による援助、健側の利用など)を行うことで、

患者さんが適切な知覚仮説を立てることができるように導くこと(認知過程の活性化)が求められます

その結果、認知問題に対して、適切な知覚仮説を立てて正答することが可能になり、

特異的病理の制御と意識経験の改変が認められたならば、

「認知過程の問題となる部分を解決するような援助を行った結果、情報を認知することが可能になり、特異的病理が制御された」

ということになり、セラピストが立てた仮説が検証されたということになります


認知過程の各項目における問題点についてはネガティブ因子として挙げられます

ネガティブ因子に対して、先に述べたようなセラピストの援助によって

認知過程における良い部分を用いることで克服していく

という視点で挙げられるのがポジティブ因子となります

認知問題を通じたセラピストの援助によって、ポジティブ因子を用いてネガティブ因子を克服することで、

適切な知覚仮説を立てることができれば、「わかる(感じる)」ことが可能となり、

結果として、特異的病理といった運動の異常や意識経験の異常が改善されます

このように、運動の観察から認知問題といった一連の過程の中で最終的に導き出されるのが訓練となります


一方、認知問題に対して、

セラピストの援助がなくとも正しい知覚仮説を立てて正答することが可能で特異的病理が認められない場合や、

正答・誤答に関わらず訓練によっても特異的病理の制御が認められない場合は、

セラピストが立てた仮説が反証されたことになり、

新たな病態解釈・治療仮説を形成し直すことが求められます

この作業は、仮説が検証されるまで続けられます


病態観察のプロフィールを作成することを通して、

運動の異常を生み出す認知過程の変質を明らかにするとともに、

運動を改善するための訓練として、

認知過程を活性化する具体的な方法が導き出されます


つまり、認知問題に「わからない」という患者さんに対して、

「どのようにすればわかるようになるのか」

ということを明らかにするために作成されるのが病態観察のプロフィールと考えます

プロフィールは、一日で作られるものではなく、

日々の問題-仮説-検証作業の積み重ねによって作られるものと考えます

知覚の状態は部位によって違いがあるものの、

注意、記憶、判断、言語といった項目やイメージする能力などについては

共通した傾向を有していると考えます

したがって、プロフィールを作成するにつれて、

セラピストは「わかるようになる」ための共通した特徴(ポジティブ因子)

を把握することが可能になります

認知過程の問題は訓練によって認知過程が活性化していくなかで変化していくことから、

その時の認知過程の状態に応じてポジティブ因子とネガティブ因子は変化し、

セラピストの援助方法は変更されることになります

治療におけるセラピストと患者さんの関係は、教育者と学習者の関係として捉えられていることから、

学習者(患者さん)の学習状況に応じて、

教育者(セラピスト)は難易度を含めた学習方法を変更する
ことになります

プロフィールはどのような訓練を構築すればよいか決定するために作成され、

患者さんの認知過程の状態で変化していくものと考えます



プロフィールを作成することを通じて今後の回復の予測を立てることが可能になります

認知過程におけるネガティブ因子に対するポジティブ因子を挙げていくことによって、

患者さんの認知過程の問題と、それを解決する方法が導き出されます

ネガティブ因子が少なく、それを解決するポジティブ因子がある場合は、

今後の回復が見込めると考えます

一方、ネガティブ因子が多く、それを解決するポジティブ因子が見当たらない場合などは、

今後の回復には時間がかかる可能性があると考えます

ネガティブ因子が多い場合も、「回復が困難」と諦めるのではなく、

「セラピストがどのように援助すれば良いのか」

といったポジティブ因子を問題-仮説-検証作業を通じて明らかにする姿勢が重要になると考えます


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