脳梗塞・脳出血や整形外科疾患の後遺症に対する新しいリハビリ方法である認知運動療法(認知神経リハビリテーション)の紹介。 麻痺や痛み・しびれの回復へ向けた日々の取り組みや基本的な考え方の紹介、相談コーナーもあります。

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去る12月9日付けの記事より、

「認知運動療法によって感覚障害は回復・改善可能なのか

をテーマとした記事を4回に分けて

お伝えしています

今回は、Part4

「異常感覚(痺れや痛み)のメカニズム」

について説明していきたいと思います


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去る12月9日付けの記事より、

「認知運動療法によって感覚障害は回復・改善可能なのか

をテーマとした記事を4回に分けて

お伝えしています





Part1:「認知療法によって感覚障害は回復・改善可能なのか 」(詳しくはコチラ

Part2:「感覚障害は回復・改善するのか 」(詳しくはコチラ

Part3:「感じるための二つのポイント」(詳しくはコチラ

Part4:「異常感覚(痺れや痛み)の原因とは 」





前々回の「感覚障害は回復・改善するのかの記事では、

「運動の変化に応じて数多くの感覚入力から

  適切な感覚に注意を向けて感じる練習をすることで、

      脳の中の感覚に関する部位が作り直され、

            感覚障害が改善する可能性がある」


ということが言えるとありました(詳しくはコチラ




そして、前回の記事では「感じるための二つのポイントとして、

「一人一人の状態に応じて、

    簡単な感覚から段階的に進めていく」


ということと

「誰かに動かしてもらいながら感じる練習を行う」

ということが挙げられました(詳しくはコチラ





最後は、

「異常感覚(痺れや痛み)の原因とは

について





痺れや痛みといった異常感覚の原因については、

「脳に集められる種々の感覚の間に不整合が生じる」

という説に加えて、

「過度な不安や恐怖によって痛みが強化される」

といった精神面の問題が挙げられています





まずは、

「脳に集められる種々の感覚の間に不整合が生じる」

という説について





脳梗塞や脳内出血といった脳卒中後、

痛み刺激がないにもかかわらず

痛みが生じるといった異常感覚
については、

中枢性疼痛

とも呼ばれています





痛みや痺れといった中枢性疼痛の原因について、

最近の脳科学の知見によりますと

脳に集められる種々の感覚の間に不整合が生じるため

ということが言われています(詳しくはコチラ①コチラ②

WS000000_20101223004842.jpg





脳梗塞や脳内出血によって

感覚障害や異常感覚をお持ちの方は、

目で見た情報(視覚)

体で感じる情報(体性感覚)

言葉の情報(言語)

など、

それぞれの感覚間の整合性がとれなくなっている状態

と考えられます





脳梗塞や脳内出血が起る前は、

目で見た動き(視覚)と

体で感じる動き(体性感覚)が一致
しており、

「どれだけ動いたのか」といった言葉(言語)とも一致

しています

当然、痛みはありません

WS000001_20101223004842.jpg





しかし





脳梗塞や脳内出血によって

感覚障害や異常感覚をお持ちの方は、

体で感じる動き(体性感覚)が鈍くなっているため、

   視覚や言語との整合性が取れていない状態


といえるのです





つまり





言葉の理解もできて、

目で見ていれば動いているのがわかる

けれども、

目を閉じていると

  体がどれだけ動いているのか

    手足がどの程度、ついているのか

            がわからない


という状態です

WS000002_20101223004842.jpg





脳梗塞や脳内出血によって

感覚障害や異常感覚をお持ちの方の中には、

目を閉じて手足を動かした後に目を開けた際に、

「思ったよりも動いていなかった

「思ったよりも大きく動いていた


といった経験をされたことがある方が

いらっしゃるのではないでしょうか





そのような状態で、

無理な運動を繰り返してしまうことは、

それぞれの感覚間の整合性が取れていない状態での

   運動を繰り返すことになり、

      中枢性疼痛が繰り返されてしまう危険性


もあるかもしれません





このように考えると、

痛みや痺れといった中枢性疼痛の改善のためには、

目で見た情報(視覚)

体で感じる情報(体性感覚)

言葉の情報(言語)

など、それぞれの感覚間の整合性をつける

ことが必要になります





したがって、

感じる練習を通じて、

「体で感じる情報(体性感覚)」が

少しずつ感じることができるようになると共に、

体で感じる情報(体性感覚)と

   目で見た情報(視覚)が

      一致するように関係付ける


ことによって

痛みや痺れといった

  中枢性疼痛が軽減する

     可能性がある


ということになります







次に、

「過度な不安や恐怖によって痛みが強化される」

といった精神面の問題について





生まれながら脳性まひを持ちながら

医師になられた熊谷晋一郎さんの論文によると





脳性まひ後、突然生じた痛みの原因について

自らの体験を通じて、上記のような

「脳に集められる種々の感覚の間に不整合が生じる」

ということに加えて、

「過度な不安や恐怖によって痛みが強化される」

と述べています





ある日、突然、生じた痛みについての検査をしたところ、

整形外科の医師から

脊髄が痛んでいるかもしれない

と言われたそうです





首にカラーを巻いて保護していたそうですが、

痛みは変化せずに、

むしろ悪化する一方





「医師としての仕事は不可能かもしれない」

「寝たきりになってしまうかもしれない」

という多くの不安を感じていたそうです





試行錯誤をしたそうですが改善は見られません





これほど困らせていた痛みは、

ある日を境に急激に改善したそうです





ある日、他の病院で診察を受けたところ

医師から「脊髄は痛んでいないよ

と言われたそうです





それ以降





嘘のように痛みは取れていき、

一週間後には仕事に復帰したそうです





今回の痛みの原因ははっきりとはわかりませんが、

「次に何を感じるか?」「どう動くのか?」

といったことがわからない
ことに加えて、

「脊髄が痛んでいるかもしれない」という

不安や恐怖を抱いたことによって、

さらに「次に何を感じるか?」「どう動くのか?」

といったことがわからなく
なり、

脳に集められる感覚の間の不整合が

  さらに進んでしまったことによって、
    
           痛みが慢性化した状態


だったのではないかと考察していました





参考文献
  ○題名:「痛みの当事者研究
       ―動きと時間をとめる、覚めない悪夢について―」
  ○著者:熊谷晋一郎
  ○雑誌名:現代思想、青土社、2010.9





痛みや痺れといった中枢性疼痛の改善のためには、

それぞれの感覚間の整合性をつける

ことに加えて、

精神面への配慮を行うことが

大切になるようです





今回、紹介した熊谷晋一郎さんの書籍はコチラ
リハビリの夜 (シリーズケアをひらく)リハビリの夜 (シリーズケアをひらく)
(2009/12)
熊谷 晋一郎

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以上より、

感覚障害や異常感覚(痺れや痛み)の問題は、

お互いに関係し合っていることがわかります





そのため、

感覚障害や異常感覚(痺れや痛み)の改善には、

精神面を配慮しながら、

  一人一人の状態に応じて、

    簡単な感覚から段階的に進めていく


と共に

誰かに動かしてもらいながら感じる練習を行うことで、

  体で感じる情報(体性感覚)を

    感じることができるようになり、

    目で見た情報(視覚)と一致するように関係付ける


ことが重要になると考えられます








認知運動療法の実際の場面では、

はじめは単純な感覚に注意を向けることからはじまり、

徐々に複数の感覚に対して同時に注意を向けるような内容へと進みます

WS000003_20101223005956.jpg
(訓練場面の一例:認知運動療法と道具、協同医書出版社より引用)





そして、はじめはセラピストが、

ゆっくりと弱い刺激を用いて

麻痺側の手足を動かさせていただきながらの

感じる練習を行います

WS000005_20101223005955.jpg
(訓練場面の一例:認知運動療法と道具、協同医書出版社より引用)





そして、段階的に麻痺側の動きを取り入れていくことで、

感じながら動く練習へと進んでいくことになります

WS000004_20101223005955.jpg
(訓練場面の一例:認知運動療法と道具、協同医書出版社より引用)





その際に、

脳梗塞や脳内出血によって、

障害を負われた脳の状態に応じて、

感じるためのコツやポイントを見つける

ことが認知運動療法の一つの目的となっています





とても鈍い感覚の中から、

「どのような感覚に気をつければよいのか

「どのような姿勢で感じる練習をすればよいのか

「まずは、どのような動きの中で感じればよいのか


といったことを少しずつ見つけていくことになります





「認知運動療法によって、感覚障害がなくなる」

とお約束することは難しいかもしれませんが、

少しずつかもしれませんが回復していく可能性はある

と考えております





私が担当させていただいた方は、

少しずつ感じることができるようになると共に、

痺れも減ってこられました





その変化に応じて、

歩きやすくなってきています(詳しくはコチラ





以上、認知運動療法の視点から、

感覚障害や異常感覚(痺れや痛み)について、

述べさせていただきました





今後、

脳梗塞や脳内出血によって

感覚障害や異常感覚をお持ちの方々の

症状が少しでも回復へ向かわれることを

心から願っております





感覚障害痺れ・痛み以外にも

お悩みご質問がありましたら、

お気軽にご相談いただければ嬉しく思います





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脳のリハビリである認知運動療法について知りたい方コチラ






脳のリハビリである認知運動療法の具体的な訓練場面コチラ






脳のリハビリである認知運動療法を

     臨床展開するための考え方についてはコチラ

    (最初の記事から順に読んでいただくとよいと思います





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2010/12/24(金) 02:02 | | #[ 編集]
身体を表象する脳
ご無沙汰しています。

今回の四部作は大変読み応えがありました。
集大成ともいえるのではないでしょうか。
ますます興味が惹かれました。

痛みは整合性の不一致であるという解釈は
にわかに受け入れ難いのですよね。
脳の働きを情報処理に例えることができることを理解しないと。

普段、脳のことをあまり考えずに
身体やその治療のことを勉強しています。

しかし、身体がなぜこのようなしくみや働きになっているのか。
人間はイルカや猿、トカゲといった動物とどう違うのか。
を考えると、脳との繋がりを忘れるわけにはまいりません。

脳の損傷により身体に影響を与えると同時に
身体の影響により脳が改変されるのですから。

物理、化学的な身体や脳は医療技術の進歩で、
手術、薬などで治療ができるようになりました。

僕らに残された道は「脳の中の身体」なのではないかと考えています。
2010/12/25(土) 12:05 | URL | みちのく #-[ 編集]
痛みは外からやってくる?
>みちのくさんv-22

ご無沙汰しております。
コメントをいただきまして、
ありがとうございます。

私たちは、西洋医学などの
心身二元論に基づいた身体観が
根づいているために、
どうしても脳と体、そして痛みを
別々に考えてしまうようですね。

認知運動療法の目的の一つとして、
脳と体、そして痛みも一体として
捉えるような身体観に変化させることがあるようです。

これまでの長い人生経験によって、
培われた身体観を変えることは、
簡単なことではありませんが、
痛みや麻痺の回復へ向けて、
諦めずに進んでいきたいと考えております。
2010/12/28(火) 12:51 | URL | 生野達也 #-[ 編集]
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