脳梗塞・脳出血や整形外科疾患の後遺症に対する新しいリハビリ方法である認知運動療法(認知神経リハビリテーション)の紹介。 麻痺や痛み・しびれの回復へ向けた日々の取り組みや基本的な考え方の紹介、相談コーナーもあります。

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先日、掲示板にセラピストの方から質問をいただきました

内容は、「細分化」「自己組織化」といった、

認知運動療法で使われる用語の意味

についてです

認知運動療法の訓練の目的である

「感じる」ための方法

に繋がります


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先日、掲示板にセラピストの方から質問をいただきました

詳しくは以下の通りです





はじめまして。

すごく基本的な事を聞きたいのですがよろしいでしょうか。

認知運動療法で良く使われる、

「組織化(自己組織化、再組織化)」や「細分化」という

言葉の意味について教えて下さい。






ご質問をいただきまして、ありがとうございます

いただいたご質問に対しまして、

私見をふまえて答えさせていただきます





今回は、「細分化」

という言葉を中心に説明させていただきます





「細分化」という言葉は、

認知運動療法の訓練を考える上で、

重要なキーワードとなるものです





認知運動療法では、運動は

「外部世界との接触をもち、相互関係を築き、

世界に意味を与えるための手段である」


と捉えています(詳しくはコチラ





つまり、

「環境世界を知る(認知する)ために運動がある」

ということです




そして、

知る(認知する)ことによって得られた

情報の種類に応じて、(目に見える)運動は変化する


と捉えられています





ここで、大切になるのが「相互作用」です





一見、

「情報」はフワフワと浮いているように

環境世界に存在しており、

その情報を運動することによって

「取りに行く」と捉えられがちですが、

そうではないようです





情報は、

身体と環境世界が相互に関わり合う(相互作用)

ことで生まれるようです





例えば、歩く際に、

踵で床から圧力の情報を知りたいとします

WS000001_20100905203518.jpg

WS000002_20100905203518.jpg





この時、

体重をかけるに従って、

床から踵にかかる圧力が次第に増えていく

のですが、

それを知るためには、

踵へかかる圧力に応じて、

踵の肉が押しつぶされていく


ということがわからなければいけません

WS000003_20100905203518.jpg

WS000004_20100905203517.jpg





つまり





外部の世界の変化がわかるためには、

  内部の世界(身体)が変化していることが

     わかる必要がある


ということです





この時の「身体が変化する」ことを

身体を細分化する

と言っているようです





書籍では以下のように記載されています





「外部世界、あるいは物体に意味を与えるために、

人間は身体をいろいろな形に変えていきます。

身体を細分化する必要があるわけです。

つまり、身体を遣って世界に意味を与えるために、

人間は身体を多様な形に分類する、複雑化する、

細分化する認知的操作を行っているわけです。」


(認知運動療法講義より引用





脳梗塞や脳内出血によって脳に障害を持たれた方々は、

身体を細分化できないために、

環境世界を知ることがでず、

麻痺や痙縮などの運動の問題が生じている状態


であると言えます





つまり





外部の世界の変化がわかるためには、

内部の世界(身体)が変化しているという関係が

わからなくなっている
ために、

足が地面についた感覚や足が動いている感覚が

感じることができず

麻痺や痙縮などの運動の問題が生じている状態

ということです





上述した踵の圧力の例で考えると、

踵へかかる圧力がかかっているけれども

踵が硬くてつぶれることを感じることができない
状態では、

「踵が地面についている感じ」

感じることができず

その結果として、

足の筋肉の緊張が高くなってしまう

ということです





感じることができない状態で、

運動を繰り返してしまうと、

さらに筋肉の緊張が高くなってしまう危険性

もあります





認知運動療法は、

一見、「感覚訓練」と捉えられがちですが、

そうではありません





実は、

「感じる」ためには、

外部の世界の変化に応じて、

内部の世界(身体)が変化する(細分化する)


といった「感じる」ための方法を身につけていただく

ことを目的としているのです





脳梗塞や脳内出血によって脳に障害を持たれた方々は、

お一人では「感じる」ための方法がわからない

ことが多いことを経験します





「外部の世界の変化に応じて、

内部の世界(身体)が変化する」

と言っても、

お一人お一人の状態によって、

どこが、どのように変化するのか

どのように気を付ければ良いのか


といったことが異なるのです





そのような時は、

私たちセラピストが認知運動療法のリハビリという形で、

一人一人の状態に応じた「感じる」ための方法を見つけ、

それを身につけていただくことで、

歩き方などの運動機能の改善に繋げるようにしています





(「細分化」について記載している書籍はコチラ

認知運動療法講義認知運動療法講義
(2004/04)
フランカ・アントニエッタ パンテ

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(「細分化」については、P23~24、P47~48を参照)







「自己組織化」という言葉は、

Perfetti先生が認知運動療法を考えるうえで参考にした

オートポイエーシス

ということと関連があるようです





オートポイエーシスとは、

MaturanaとVarelaが提唱したものであり、

「脳のシステムは自らの作動によって行動を創発する」

という意味の生命体における理論であり、

「自ら」「創発する」という意味で、

自己組織化の理論と言われています





この考え方における、

「神経システム自体が情報の意味を

組み換えることによって行動を改変する」


という点が、認知運動療法における

「認知過程の働かせ方によって、

   得られる情報の種類が変化し、

        発現する運動も変化する」


という点と一致しているようです





(オートポイエーシスに記載している書籍はコチラ

認知運動療法入門―臨床実践のためのガイドブック認知運動療法入門―臨床実践のためのガイドブック
(2002/05)
宮本 省三沖田 一彦

商品詳細を見る


(「オートポイエーシス」については、P142参照)







最後に、

「再組織化」という言葉ですが、

多く場面で用いられているようです





書籍や資料を見ていると、

訓練を通じて、

脳の働きを改善する

運動を改善する


という時に

「再組織化する」

という表現が用いられているようでした





以上、簡単ではありますが、

「細分化」、「自己組織化」、「再組織化」という

用語についての説明をさせていただきました





今回の内容に関して、

不十分な点がございましたら、

ご指摘いただければ幸いです



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



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脳のリハビリである認知運動療法の具体的な訓練場面コチラ






脳のリハビリである認知運動療法を

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コメント
この記事へのコメント
細分化
細分化(Frammentazione)は複数の身体部位が異なる方向に運動することです。
例えば、踵接地直前では前足部が同じ高さに留まったままで踵が下方へ移動していきます。手の前方へのリーチングでは肩の内転と肘の伸展によって手が前方へ移動します。このような場合、複数の部分が別々の方向に移動しなければ、踵の下降や手の前方移動は生じません。このことを細分化と言います。自分の知る限りこれ以外のことについて細分化と言わないという風に理解しています。
2010/09/07(火) 23:38 | URL | Koso #-[ 編集]
発展する理論
>Kosoさんv-22

アドバイスをいただきまして、ありがとうございます。

「細分化」について、説明が不十分な点をご指摘いただきまして、
ありがとうございました。

私の理解としましては、アドバイスいただいた内容と
今回、記事にさせていただいた内容の
両方の意味があるのではないかと考えております。

記事の中で紹介させていただいた「認知運動療法講義」の内容は、
1999年のアドバンスコースにおいてFranca Pante先生が講義された内容を
文字お越ししたものであることから、少なくとも当時における
イタリアの考えであったのではないかと考えております。

一方、2004年のマスターコースにおいては、
「細分化というのは、あるひとつの目的を達成するために
身体の部分を使う場合、それぞれの部分が
それぞれの方向に向かって運動できるということ」
といった説明がありました。

したがって、両方の意味があるのではないかと
考えております。

認知運動療法は、年々進化している理論ですので、
同じ用語においても新たな解釈が
されているのかもしれませんね。

今回の件に関しまして、
イタリアの先生方とお話しする機会がありましたら、
伺っていただければ嬉しく思います。

今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。
2010/09/08(水) 00:31 | URL | 生野達也 #-[ 編集]
細分化
ここに書いた内容は2009年度のBorsistiがまだ基本概念などを勉強するために回診の後で議論した時の話を基に書きました。僕も身体部位を分割して(別々に)感じられるような意味が含まれることは無いのですか?と質問したところ、細分化は運動についての用語でそのような解釈は細分化という言葉のみでは存在しないとのことでした。ちなみにこの時はRizzello先生とZernitz先生だけでしたのでPante先生やPerfetti先生に質問すると違った答えが返ってくるかもしれません。ただしイタリアのセラピストと話をしようと思うとこのような日本独自の解釈は混乱を招く可能性があるように思います。カルテ記載の際にもどのように感じるかで細分化という言葉が使用される可能性はまず無いと言って良いと思います。動作を記述する際に用いられる用語です。
 僕も何度か質問した覚えはあるのですが…この解釈だったと思います。ともかくアドバンスコースでPante先生に尋ねてみると良いですね。
2010/09/08(水) 20:53 | URL | Koso #-[ 編集]
紹介させていただきました
生野先生、こんにちは!

この記事と、前記事
患者の私が読んでも、とても分かりやすかったので
私のブログで紹介させていただきました。
事後報告になりまして、すみません‥。

生野先生ならきっとご了承いただけると‥(^^)

それと、記事の内容とは直接関係ないのですが、
認知運動療法を紹介する時に、いつも迷う事があります。

「認知運動療法」と「認知神経リハビリテーション」の関係です。

「=」ではなく「<」の関係かな、と思いつつ、自信が無く、いつも並列するような感じになってしまうのですが‥何か明確な違いがあったら教えていただけますか。
よろしくお願いしますv-411
2010/09/10(金) 17:24 | URL | ちひろ #USanPCEI[ 編集]
イタリアからの言葉
>Kosoさん

確かに、私達は「日本独自の解釈」にならないように、
注意しなければなりませんね。

私たち日本人には、
アドバンスコースやマスターコースを通じた、
「イタリアのセラピストからの言葉」
からしかイタリアの臨床を
直接知る機会がありません。

正しい認知運動療法の臨床を展開するためにも
「イタリアのセラピストからの言葉」
を頼りに学んでいかなければなりませんね。

Pante先生に一度、
伺いたいものですね。

2010/09/11(土) 03:30 | URL | 生野達也 #-[ 編集]
ありがとうございます。
>ちひろさんv-22

お久しぶりです。
ブログを記事を紹介していただきまして、
誠にありがとうございます。

少しでも皆様のお役に立てるようでしたら、
嬉しく思います。

>「認知運動療法」と「認知神経リハビリテーション」の関係です。
「=」ではなく「<」の関係かな、と思いつつ…

私自身も、
「=」ではなく「<」の関係
と考えております。

不確かな記憶ですが、
「認知神経リハビリテーション」
に学会の名称が変更になったときに、
「機能回復には、患者さまとの訓練だけではなく、
セラピストが行うご家族への指導や、
ご家族と患者さまとの関係も重要
である」
との説明がありました。

「認知運動療法」では、
「患者さまとの訓練」だけにとらわれがちなので、
より広義な意味として、
「認知神経リハビリテーション」
の方が適切ではないかという話になった
と伺った記憶があります。

また、確認しまして、
新たな解釈がありましたら、
ご報告させていただきます。
2010/09/11(土) 03:48 | URL | 生野達也 #-[ 編集]
内部組織の変化にも目を向けて
生野先生へ
こんにちは。

すごいわかり易い説明ですね。
感激しました。


只今お陰さまで、最後の実習に入ってます。

頑張ってます。


2010/09/11(土) 08:45 | URL | みちのく #-[ 編集]
臨床へ
>みちのくさんv-22

ありがとうございます。

最後の実習頑張ってください!

いつかコースなどでお会いできることを
楽しみにしております☆
2010/09/11(土) 11:28 | URL | 生野達也 #-[ 編集]
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