脳梗塞・脳出血や整形外科疾患の後遺症に対する新しいリハビリ方法である認知運動療法(認知神経リハビリテーション)の紹介。 麻痺や痛み・しびれの回復へ向けた日々の取り組みや基本的な考え方の紹介、相談コーナーもあります。

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12月19日にイタリアの風を感じるために京都へ行ってきました

今回、今年の9月から認知運動療法の総本山であるイタリアのヴィラ・ミアリで研修をされている松田先生が一時帰国されているとのことで懇談会がありました

イタリアの臨床をリアルに感じる共に、自分たちの臨床との突合せを行いました

長時間の話の中で、多くのことを確認することができました

自分たちの臨床における考え方がイタリアの臨床と共通していることが確認でき、

正直、ホッとしました

最後には未来の臨床に繋がるひとつのプランが出てきました


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去る12月19日に京都へ行ってきました

9月から認知運動療法の総本山であるイタリアのヴィラ・ミアリで研修をされている松田先生が一時帰国されているとのことで懇談会がありました

松田先生は以前より認知運動療法に対して情熱的な方でした

認知運動療法の臨床で実践すると共に、イタリア語も積極的に学ばれていました

数年前よりイタリアに行かれる計画を立てられており、今年の9月からイタリアで研修されていました

その先生が一時帰国しているとのことです

当院からは5名が参加させていただきました

行きの電車の中では「どのようなことを質問するのか」をみんなで話し合いました

今回、挙がった項目として、

認知過程をシステムと捉えて「認知過程のどこに問題があるのか」と仮説を立ててセラピストが援助するという考え方でよいのか

言語などで知覚仮説を細かく検証しているのか

ということが主に挙げられました

これらの項目は私たちが日々の臨床で重視していることでもあるために、

実際にイタリアで行われているのかが気になるところです



いつものように電車を乗り継ぎ6時40分に会場へ到着です

開始前にはいつものように、おにぎりやパンをみんなで頬張ります

7時頃に松田先生の到着です


久しぶりにお会いしましたが、少し痩せられていました

この3ヶ月は環境に慣れることで精一杯だったそうです

住んでいる所がヴィラ・ミアリより少し遠いことや食生活に困られたようです

中でも言葉が一番困ったそうです

日本にいるときからイタリア語を勉強されていましたが、

臨床場面でイタリア語でのディスカッションとなると難しかったそうです

「自分の言いたいことが伝えられないのがもどかしかった」とおっしゃっていました


いよいよ臨床の話です


まず、松田先生が強調されていたのは「外部観察の重要性」です

外部観察によって特異的病理などの運動の異常を観察し、

それに対する仮説を立てることが求められます

そのときに重要になるのが機能の視点だとおっしゃっていました

機能」の視点で運動を観察し、セラピストは認知問題を通じて

「どのような情報が運動を改善させることができるのか」

を知ることが必要になるそうです

機能」については認知運動療法に関する最近の学会や研修会で強調されていることでもあります

そして、セラピストが立てた

「この情報が認識できれば運動は改善させることができるのではないか」
という仮説を検証するために認知問題を設定します

イタリアのセラピストは、認知問題の展開がスムースに行われるそうです

ある認知問題で正答できなかった場合、

「なぜ間違えたのか」という原因を検証する新たな認知問題をすぐに設定するそうです

臨床では、その繰り返しがスムースにかつ、的確に行われているそうです

私たちは患者さんが正答できないとしばらく頭を抱えて悩んでしまうものです

しかし、イタリアのセラピストは止まることなく展開されているようで、

セラピストの思考が止まることなく目まぐるしく展開されていることに驚きました



次におっしゃっていたことは「座位姿勢の重要性」です

中枢神経疾患の患者さんにおいては、座位が崩れてしまうことが良くあると思います

認知運動療法の臨床を行っていると、

下肢の課題を行っているときに体幹が崩れてしまう患者さんを良く経験します


しかし


驚くことにヴィラ・ミアリの患者さんのほとんどが

訓練中に座位が崩れない

そうです

それだけ体幹の課題を十分に行っていることに加え

座位の課題でも常に体幹にも注意を払っているのだと思いました


イタリアでは、大きな訓練の流れがあるそうです

まずは、臥位で体幹(両肩、両腰)に対する硬度の異なるスポンジを認識する課題を行います

そのときに圧の変化を聞くと共に、肩と腰の位置関係を聞くことが重要になるそうです

「腰より肩が前…」といった位置関係の認識が座位においても重要になります

臥位での課題を十分に行った後に座位の課題に移ります

先ほどの体幹(両肩、両腰)の位置関係や体幹の変化に伴う臀部の圧情報の変化を関係付けるそうです

そして、座位保持が可能となれば、座位保持をしながらの上肢や下肢の課題へと進むそうです


リーチングや起立動作においては、体幹を制御しながら上肢や下肢の運動を行うことから、

訓練においても体幹を制御しながら上肢や下肢を制御することが求められます

座位保持しながら上肢や下肢の課題を行うということは、

体幹と上肢(下肢)の両方に注意を向けることが必要になります

体幹や上肢(下肢)がそれぞれ単独であれば注意を向けて適切に認識することができたとしても、

注意の問題により両方に注意を向けることが困難な場合は、

座位が崩れてしまうことや認知問題に誤答してしまいます


ヴィラ・ミアリの患者さんのほとんどが、

訓練中に座位が崩れない

ということは、それだけ体幹の制御を十分に行っていることに加え、

座位における上肢や下肢の課題においても常に体幹に注意するように、

セラピストが適切に援助を行っているのだと感じました

イタリアの厳密な臨床とセラピストの能力の高さに驚きました

自分たちの臨床においては、座位が崩れたまま下肢の課題を行う場面もあり反省です

体幹について記載されている書籍はコチラ
脳のリハビリテーション認知運動療法の提言 第2巻 整形外科的疾患脳のリハビリテーション認知運動療法の提言 第2巻 整形外科的疾患
(2007/05/28)
Carlo Perfetti、

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今回の松田先生のお話の中で何度か強調されていたのが、

「臨床は検証可能な方法で行う必要がある」

ということでした

評価から訓練を構築するためにリハビリテーションカルテを作成します

患者さんの目に見える問題に対してセラピストが仮設を立て、

それを検証できる認知問題を設定する

その繰り返しが非常に重要であるとおっしゃっていました

仮説を検証するための指標としてセラピストは特異的病理や意識経験の変化を観察しなければならないそうです

セラピストは「この情報が認識できれば運動は改善させることができるのでは」という仮説を立てます

そして、認知問題を通じて「感じることができるようになった」結果、

特異的病理の制御意識経験の変化が得られたならば、

セラピストの立てた仮説は検証されたということになります

認知問題を通じた「問題―仮説―検証」作業が認知運動療法の根幹であることを再認識しました



このような話の中でも多くのディスカッションがありました

話の流れから私たちの質問もさせていただきました

質問内容は、

認知過程をシステムと捉えて「認知過程のどこに問題があるのか」と仮説を立ててセラピストが援助するという考え方でよいのか

言語などで知覚仮説を細かく検証しているのか


ということです

以前のマスターコースやアドバンスコースでは、認知運動療法のこれまでの歴史を整理する講義がありました

その中で、「認知過程」「知覚仮説」「プロフィール」という言葉は良く出てきていました

しかし、最近のマスターコースやアドバンスコースでは、最新のトピックスに多くの時間を費やし、

これまでの歴史を整理する講義はなく、

これらの言葉が出てくる頻度が減ったように感じていました

「認知過程」「知覚仮説」「プロフィール」といったことが、

周知の事実としてあえて講義では述べていないのか

あまり重要視しなくなったのか


どちらなのか

私たちの臨床では重要視していることなので、イタリアでの解釈が気になるところでした

ドキドキでした




結果はというと…




両方ともイタリアの臨床で行われているとのことでした


どうやら「認知過程」「知覚仮説」「プロフィール」ということは、

イタリアでは周知の事実として捉えられているようです


認知過程については、イタリアでもセラピストが「認知過程のどこに問題があるのか」仮設を立て、

それを検証するための課題設定やセラピストの援助を行っているそうです

認知過程を認知過程の各項目が関係しあったひとつのシステムとして捉えており、

仮説が正しい場合は援助した結果、「感じる」ことが可能なり、

特異的病理の制御意識経験の変化が生じます

書籍において具体的に示されたものはありませんが、

イタリアでも同じ解釈で臨床が行われていることに安心しました



知覚仮説を確認する方法として、

課題の設定を変更することと患者の言語記述が挙げられます

中枢神経系が得られる情報の種類によって、運動シークエンスが変化することから、

知覚仮説が重要になります

私たちの臨床においては、「どのような知覚仮説を立てているのか」ということを重要視しています

健側と患側で患者さんの言語記述から身体内部身体外部といった、

「知覚仮説の立て方」を厳密に評価します

そして、患側で健側と同じ知覚仮説を立てることで、適切な情報が認識できるように援助を行います

イタリアでも課題の設定を変更することに加え、言語記述を活用しているそうです

セラピストが身体内部や身体外部に注意を向けるように援助を行う場面があったそうです

最近のコースにおいて述べられることが少なかったもので、少し心配になっていましたが、

正直、ホッとしました

知覚仮説の確認方法について記載されている書籍はコチラ
「認知を生きる」ことの意味―カランブローネからリハビリテーションの地平へ「認知を生きる」ことの意味―カランブローネからリハビリテーションの地平へ
(2003/08)
アルド・ピエローニソニア・フォルナーリ

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今回の懇談会は9時まででしたが、その後にファミレスへ場所を変えてディスカッションを続けました

とても充実した一日でした

松田先生は1月初旬には再度イタリアに行かれるそうで、今回は9月までは研修されるそうです

松田先生からイタリアと日本を繋げるためのひとつのプランを言われていました



それは



日本の臨床における疑問や仮説などを松田先生が直接イタリアのセラピストに質問してくださる

ということです

疑問や確認したいことはたくさんありますが、

なかなかイタリアのセラピストに質問する機会がありません

メールで質問すればイタリアで研修中に、直接聞いたいただけるそうです

素晴らしいことだと思いました

イタリアと日本の情報交換をさらに密にすることによって未来の臨床へ繋がることを願います


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