脳梗塞・脳出血や整形外科疾患の後遺症に対する新しいリハビリ方法である認知運動療法(認知神経リハビリテーション)の紹介。 麻痺や痛み・しびれの回復へ向けた日々の取り組みや基本的な考え方の紹介、相談コーナーもあります。

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先日、セラピストの方から質問をいただきました

「整形外科疾患における抹消性の問題は

      認知運動療法によって解決するのか


ということです

末梢性の問題とは、

手術による痛みや皮膚の癒着や軟部組織の繊維化などです

脳と抹消の問題は、繋がっていないようで、

実は繋がっているのです


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先日、セラピストの方から質問をいただきました

いただいた質問の概略は以下のとおりです





侵襲や不動,痛みなどからくる防御性収縮,

もしくはHarris AJ, Lancet1999の仮説にあるようなdiscrepancyの問題

あるいはMoseley GL, PNAS2008にあるような自己身体の帰属感の破綻と

CRPS様の問題等は認知運動療法で著効を示すと思います
(間違っていたらご指摘願います).

上記のような状態・症状を仮に“中枢性”と定義したときに,

侵襲そのものによる痛みや皮膚の癒着瘢痕,軟部組織の線維化などは

“末梢性”の問題になると思います.

認知運動療法により(認知過程の問題が解決することにより)

末梢の状態・症状が解決するか

について疑問に感じています

以上の点を,特にご教授お願いします






ご質問をいただきまして、

ありがとうございます





整形外科疾患における

侵襲そのものによる痛み

皮膚の癒着瘢痕

軟部組織の線維化

などの問題と

認知運動療法で学習する「感じ方」

一見、繋がっていないようで、

繋がっていると考えています





以下に私見をふまえて説明させていただきます





認知運動療法では、

中枢(脳)と身体(末梢)を一つ

だと捉えています





いただいた質問にあるような

“中枢性”または“末梢性”の問題とする場合、

中枢と末梢を別々のものとして捉えている

と考えられます





結論から申しますと、

認知運動療法では、

“中枢性”、“抹消性”とわけてアプローチをするのではなく、

目にみえる皮膚の状態や関節可動域制限の原因は、

           一人一人の脳の状態によって変化する


と捉え、

“中枢と抹消を一つのもの”としてアプローチを行うものと考えています





つまり





認知問題を通じて「感じ方」を学習していただくことによって、

皮膚や筋の状態も少なからず変化する

と考えています





皮膚の癒着瘢痕や軟部組織の繊維化が完成してしまったならば、

認知運動療法で回復させることは難しいかもしれませんが、

完成する前であれば回復の可能性はあると考えます

臨床場面では、

侵襲部位やその周辺に対する接触課題などを行うことによって、

皮膚の状態が目に見えて改善することがあります





侵襲そのものによる痛みは、

身体の生物学的な変化によるものなので、

認知運動療法の対象にはならないかもしれません





しかし





痛みによって認知過程が変化することもあるので、

その点は対象となると考えます





たとえば、

炎症反応がなくなり、

侵襲による痛みが減ってきたにもかかわらず、

異常な筋緊張が続くことがあります





原因としては、

侵襲による痛みがあった時に、

痛みにばかり注意が向いてしまい、

     侵襲部位やその周辺の触圧覚に

         注意が向けようとしなくなってしまう


ことが考えられます





侵襲による痛みがなくなってからも、

侵襲部位やその周辺の触圧覚に注意が向かないために、

              異常な筋緊張が続いてしまう


と考えられます





皮膚の癒着瘢痕,軟部組織の線維化などが

生じる期間やその原因については、

ラットなどを用いた過去の基礎研究

によって明らかにされていると思います





しかし





骨折された方々の目にみえる

皮膚の状態や関節可動域制限の原因が、

皮膚の癒着瘢痕や軟部組織の線維化なのかは

         確認が取れない(検証できない)


ことでもあると思います





また、

すべての骨折された方々における

皮膚の癒着瘢痕,軟部組織の線維化などが生じている原因が、

過去の研究通りなのかということも確認が取れない

ことでもあると思います





一つの例として





過去に長年、手足が曲がっており、

周囲からは拘縮だと思われていた

脳性麻痺を持たれた方がいらっしゃいました





その方が亡くなられた時、

ご遺体を観察したところ、

手足がとても軟らかく伸びていた

そうです





長年、

拘縮と思われていた現象が

     実はそうではなかった


可能性があったのです





このように、

人においては目にみえる現象の原因を

直接的に確認することが難しく、

過去の研究通りにならないこともあるようです





そのため、

骨折された方々における

皮膚の癒着瘢痕,軟部組織の線維化と思われる現象が

皮膚や軟部組織によるものではない可能性

もあるのだと思います





少し話がそれましたが、

もし、

骨折された方々の目にみえる

皮膚の状態や関節可動域制限の原因が、

ラットなどを用いた過去の基礎研究通りなのであれば、

全ての方における、

足の曲がり具合や良くなり具合は同じ

のずです





臨床場面では、どうでしょうか





同じ様な骨折の状態で、

同じ期間ギプス固定をしていた複数の方々において、

ギプスを外した直後の

皮膚の状態や関節可動域は同じでしょうか





そうです





一人一人違うはずです





同じような骨折をされた方の中には、

皮膚も軟らかく、関節が良く曲がる方もいれば、

逆に皮膚がとても突っ張っており、関節も硬くなっている方もいます





また、過去の基礎研究で言われている

筋の繊維化が起り得る期間

よりも長くギプス固定をしていても、

皮膚も軟らかく、関節が良く曲がる方もいます





この違いはなぜ起こるのでしょうか





この違いは、ラットとは違い、

人間には高次な脳の働きがあるから

だと考えます





同じ期間ギプス固定をしていても、

その時の足に対する考え方や

       注意の仕方には個人差がある


と思います





仮に膝関節のギプス固定をしている場合、

ギプス固定をしている間、動かないけれども

膝関節のことを注意している

方もいれば、

膝関節の存在を全く考えずに

「ギプス固定によって動かない足を自分の足」

と捉えてしまう方もいると思います

(後者の方の方がギプスを外した後の膝関節は硬くなっている可能性があります





また、

ギプスの中で足の表面の感覚に注意を向けて、

ギプスの内側面に足をもたれることで力を抜ける

方も入れば、

足の表面の感覚に注意を向かず、ギプスの中で

常に力が入ってしまう方もいると思います

(後者の方の方がギプスを外した後の膝関節は硬くなっている可能性があります





上記の例における後者の方々では、

脳の中にある「膝関節のイメージ」が

    正常ではなくなってしまう可能性


があると考えます





このように、

同じ様な骨折の状態で、

同じ期間ギプス固定をしていた複数の方々においては、

一人一人の考え方や注意の仕方といった

    脳の状態によって、ギプスを外した直後の

           皮膚の状態や関節可動域は変化する


と考えます





したがって





認知運動療法では、

「中枢から」「抹消から」とアプローチを変えるのではなく、

目にみえる皮膚の状態や関節可動域制限の原因は、

         一人一人の脳の状態によって変化する


と捉え、

「中枢と抹消を一つのもの」としてアプローチを行います





つまり





認知問題を通じて、

「感じ方」を学習していただくことによって、

        皮膚や筋の状態も少なからず変化する


と考えています





皮膚の癒着瘢痕や軟部組織の繊維化が

完成してしまったならば、

認知運動療法で回復させることは難しいかもしれませんが、

完成する前であれば回復の可能性はあると考えます





臨床場面では、

侵襲部位やその周辺に対する接触課題などを行うことによって、

皮膚の状態が目に見えて改善することがあります





以上になりますが、

誤っている点やご意見がありましたら、

ご指摘いただければ嬉しく思います







中枢(脳)と身体(末梢)を一つだと捉える







簡単なようで難しいことです





私たち日本人は、

アメリカの文化が強いために

中枢(脳)と身体(末梢)を別物だと捉える

心身二元論

にとらわれています





中枢(脳)と身体(末梢)を一つだと捉える

ということは、

これまでの価値観が変わることにも繋がります





認知運動療法の治療を通じて

障害をもたれた方々の

これまで培った価値観を変えることが

      麻痺や痛みの回復といった

             機能回復に繋がる








大変な道のりですが、

機能回復を望まれる方々に寄り添って、

進んでいきたいと思います



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



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コメント
この記事へのコメント
心身二元論
生野先生へ

ご無沙汰しています。みちのくです。

今、治療見学で同じことを感じてます。

始めにマッサージ、関節モビライゼーション、関節可動域運動などが実施されます。

先生から身体への影響を説明されたり、質問されたりして答えてますが

本当のところはわかりません。体の中を見ていませんから。

どんな手技であろうと
患者さんが気持ち良く感じること
これが一番大事で、その意味で手技に優劣があるとは思えません。患者さんの感じ次第。

>痛みにばかり注意が向いてしまい、侵襲部位やその周辺の触圧覚に注意が向けようとしなくなってしまう
その部位への注意を促してから次のADL練習につなげているのだと見ています。

>アメリカの文化が強いために中枢(脳)と身体(末梢)を別物だと捉える心身二元論

感じられないと無視して飛ばしちゃう。

中枢(脳)の問題への介入が難しいために
軽んじてしまう傾向があるように感じます。

心身二元論の落とし穴ですね。
2010/07/10(土) 12:30 | URL | みちのく #-[ 編集]
心身一元論へ
>みちのくさんv-22

実習中のお忙しい中、コメントを頂きまして、
ありがとうございますv-353

実習で多くの貴重な体験をされているようですねv-354

どのような手技であっても、
障害をもたれた方々の良い経験に
繋がることが大切ですねv-21

心身二元論から心身一元論への道は、
大変ですが、逃げずに立ち向かって行きたいものですv-355
2010/07/10(土) 17:38 | URL | 生野達也 #-[ 編集]
アイデンティティ
生野先生へ

ご返事ありがとうございます。

>心身二元論から心身一元論への道は、 大変ですが、逃げずに立ち向かって行きたいものです

そうありたいと私も思います。
2010/07/11(日) 07:40 | URL | みちのく #-[ 編集]
中枢と末梢
生野先生、こんにちは。
学会お疲れさまでしたv-410
今回の記事、私も疑問に思っていた事が
ズバリ書いてあったので、とても参考になりました。

私は左足首靭帯部分断裂後3カ月、
(CRPS発症後約1カ月半)で認知運動療法を開始しました。
それ以来「関節可動域訓練」等は全くしなかったのに
いつの間にか、ほとんど動かなかった足首の可動域制限が無くなりました。

‥めでたいけど、なんで?(笑)という疑問があったのだけれど
記事を読んですごく納得できました。

脳へのアプローチは、末梢(足首)へのアプローチでもあったわけですね‥

現在、別の病気で、足のリハは少し後戻りしていますが
V字回復の自信がありますv-221

今回の記事を読んで、
今は術後であまり動かせない首についても
実際に動かせなくても、
動かしているイメージを作ったりする事が大事なのかなあと思いました。

ありがとうございましたv-411
2010/07/12(月) 13:26 | URL | ちひろ #USanPCEI[ 編集]
その先へ
>みちのくさんv-22

障害を持たれた多くの方々の笑顔につながってほしいものですv-353

実習は、大変だと思いますが、
その先に得られることがたくさん思いますので、
ぜひとも、頑張ってくださいv-354
2010/07/12(月) 18:47 | URL | 生野達也 #-[ 編集]
脳と体
>ちひろさんv-22

一般的に脳と体は別物と考えられやすいようですねv-21
ついつい目に見える「運動」だけにとらわれてしまいますが、
脳と体は繋がっているようですv-48

>現在、別の病気で、足のリハは少し後戻りしていますが
 V字回復の自信があります

新たな病と闘われているのですねv-390
一日も早い回復を願っておりますv-280

>今は術後であまり動かせない首についても
実際に動かせなくても、
動かしているイメージを作ったりする事が大事なのかなあと思いました。

まさにその通りだと思いますv-354
「動かせない時期のイメージ訓練」
は認知運動療法の勉強会などでも重要だと言われていることなのですv-21
そのためにも、手術をされる前に、
「首の動く感じ」を良く覚えておくことが大切だと思いますv-278

何かの参考になれば嬉しく思いますv-353
2010/07/12(月) 19:03 | URL | 生野達也 #-[ 編集]
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