脳梗塞・脳出血や整形外科疾患の後遺症に対する新しいリハビリ方法である認知運動療法(認知神経リハビリテーション)の紹介。 麻痺や痛み・しびれの回復へ向けた日々の取り組みや基本的な考え方の紹介、相談コーナーもあります。

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認知運動療法は、

「感じる訓練」を行うことで「運動機能の回復」を図る


ことを目的とした新しいリハビリテーションです

そこで

なぜ「感じる」ことが「動く」ことに繋がるのか

について、脳科学の知見を基に説明したいと思います

同時に、認知運動療法が

オーダーメイドでオンリーワンのリハビリテーション

である理由が明らかになります


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認知運動療法は、

「感じる訓練」を行うことで「運動機能の回復」を図る

ことを目的とした新しいリハビリテーションです





今回は、

なぜ「感じる」ことが「動く」ことに繋がるのか

について、私見をふまえて説明したいと思います





認知運動療法の考え方

を理解する上で、

機能環

という概念があります(詳しくはコチラ





従来のリハビリテーションの考え方には

ない点かもしれません





機能環について簡単に申しますと、

人間の運動を「何かを感じるため手段」と捉える

という考え方です





私達は、ペンを持っている時に、

「ペンの太さ」を知ろうとする時と

「ペンの材質」を知ろうとする時では、

微妙に運動は変化します





つまり、

「何を感じようとするかによって、運動は変化する」

ということです





そのように考えると

障害によって感じることができなくなる

とどうなるのでしょうか





それは





「感じることができないと、運動の異常が生じる」

ということになります





片麻痺や整形外科の患者さまにおける

筋緊張の異常とった「動けない」現象は、

機能環の考え方から解釈すると

「感じることができないから動けない」状態

であると言えます





健常者における例としては

足がしびれた時

が挙げられます





長い時間、正座をした後に

足がしびれてしまったときには、

足がどちらを向いているのか

足が地面にどれだけ着いているのか


わかりにくいと思います





これが

「感じることができない」状態

と言えます





しびれた足で歩く

ととどうなるでしょうか





足の筋力は正常なのにも関わらず、

足にうまく力が入らず、

全身の動きがぎこちなくなってしまいます

当然ですが、

上手く歩くことができません





これが、

「感じることができないから動けない」状態

であると言えます





片麻痺や整形外科の患者さまの中で、

しびれや感覚障害がないと思われている場合は

「感じることができている」

と思われる方も多いのですが…





実は





ご自身の

手足の動きの感覚

手足が地面に接する感覚

「適切に感じることができていない」

ことがほとんどだと思います





しびれや感覚障害がない

と思われている患者さまでも、

麻痺された手足と良い方の手足の感覚を

良く比べていただくと

麻痺された手足の感覚の方が鈍い

という事があるかと思います





つまり





しびれや感覚障害がないと思われている

片麻痺や整形外科の患者さまにおいても

適切に感じることができない結果

   筋緊張の異常といった運動の異常が生じている


ことがほとんどなのです





認知運動療法の訓練では、

「感じる」訓練を行うことで、

「動ける」ようになる

ことを目指します





「感じる」ことが「動く」ことに繋がる





はじめて聞くと

不思議に思われる方も多いのではないでしょうか





一般的なリハビリの考え方では、

「動く練習」を行うことによって、

「動ける」ようになる

ことを目指していますので、

わかりやすいかもしれません





「動く」ことと「感じる」ことは、

別のことのように

思われるかもしれません





しかし





「動く」ためには、

「感じる」ことが必要なのです





「動く」ことと「感じる」ことは、

切り離せない関係なのです





そこで





認知運動療法の訓練を通じて、

「感じる」

ようになると、なぜ

筋緊張が整うことや筋収縮が得られるといった

「運動の改善」

が得られるのか

について、

脳科学の知見

から説明したいと思います

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脳の中では、

運動を発現する中枢である運動野と言われる部位が働くと

筋肉の収縮といった運動の発現

が起こります

WS000001_20100514195224.jpg






しかし





運動が発現するには、

運動野以外の多くの部位の働き

が必要になります





中でも、

運動イメージ

がキーワードになります





運動の発現は、

最後の目に見える形

でしかなく、

運動野以外の多く部位の働きが重要

になるのです





そこで





空きカンに手を伸ばす(リーチング)動作

を例にして

運動が発現するまでの脳の働き

を簡単に説明したいと思います





目で空きカンを見ると脳の後方(後頭葉)にある

視覚野が働いて

目で見たものの分析

が始まります

WS000002_20100514195224.jpg





後頭葉から

物体認知の中枢 でもある側頭葉

へ目で見たものの情報が伝達され、

見たのもが何なのか

という分析が行われます

今回の例では、脳の蓄えられた過去の経験から、

「これは空きカンだ」ということがわかります

WS000004_20100514195223.jpg





思考の中枢である前頭葉で

 「空きカンに手を伸ばそう」という

  意志決定

 がなされます

WS000005_20100514195223.jpg





後頭葉の目で見たものの情報は

 側頭葉に伝わると同時に、

 空間認知の中枢である頭頂葉に伝えられます

 ここでは、

自分の身体の大きさや長さに関する情報

(身体図式、身体イメージ)

を基に

空き缶がどこにあるのか

自分の身体からどれだけ離れているのか


 といった距離感の分析が行われます

WS000006_20100514195223.jpg





距離感の分析を基に

 運動のプログラム中枢である

 運動前野や補足運動野において、

 空き缶に手を伸ばすための運動プログラム

 が作られます

 運動プログラム運動イメージとも言われています

WS000007_20100514195223.jpg

 運動の発現の前には、必ず

 この運動プログラム(以下:運動イメージ)が

 作られているのです




運動イメージの情報は、

 運動の調節を行う中枢である小脳

 に送られ、

 運動が発現してからの微妙な調節

 に備えます

WS000008_20100514195257.jpg





これらの様々な準備が整ったうえで、
 
 運動イメージを基に

 運動発現の中枢である運動野の活動が起り、

 「空き缶に手を伸ばす」という

 目にみえる筋肉の収縮

 が生じます

WS000009_20100514195256.jpg





以上のように、

目にみえる運動が発現するまでには、

様々な脳の働きが必要

なことがわかると思います





そして、ポイントは

運動イメージにあります





運動イメージとは、

運動のプログラムでした





運動の発現は、

運動イメージを基に作られるので、

運動イメージが正しく作られないと

       運動は適切に発現しない


のです





運動イメージは、

視覚的運動イメージ筋感覚的運動イメージ

に分けられ、

私たちでも運動を発現させずに

目を閉じてイメージを作ることができます





視覚的運動イメージ

空き缶へと伸びる手の位置関係を

思い浮かべている映像のようなイメージ

になります

つまり

身体を動かさずに、

運動の映像を思い浮かべる

ということです





一方、

筋感覚的運動イメージ

空き缶へと手を伸ばす時の

「肩や肘が動いている感じ」や

空き缶を触った時の

「手のひらに空き缶を触れた感じ」といった、

感覚的なイメージ

になります

つまり

動かさずに、

動きや触った感覚だけを思い浮かべる

ということです

※前回の記事の「表象」の話と繋がります(詳しくはコチラ





そこで





運動の発現に必要な

運動イメージがどのように作られるか

と言いますと…





手足の動いた感覚や接触した感覚といった

体性感覚から作られる

と言われています





運動イメージは、先に挙げた

空間認知の中枢である頭頂葉にある

自分の身体の大きさや長さに関する情報(身体図式、身体イメージ)

から作られると言われています





そして





自分の身体の大きさや長さに関する情報

である

身体図式身体イメージは、前回の記事(詳しくはコチラ

で書いたように

目で見た身体の状態(視覚情報)と

  手足の動いた感覚や接触した感覚(体性感覚)が

    脳の中の頭頂連合野で照合されることで作られる


と言われています





少し整理しますと

手足の動いた感覚や接触した感覚(体性感覚)と

  目で見た身体の状態(視覚情報)が

    統合されて身体図式や身体イメージが作られ、

      それを基に運動イメージが作られる


そして、

運動イメージを基に運動が発現される

ということになります





ここでお気づきの方も

いらっしゃるかと思いますが、

最初と最後を抜き取ると…





手足の動いた感覚や接触した感覚(体性感覚)

を「感じる」ことが

運動の発現という「動く」ことに繋がる


ということになります





つまり





「体性感覚を正しく感じることによって、 

  正しい運動のプログラムを作ることにつながり、

      結果として正しい運動が起こる」


ということが

認知運動療法によって生じる脳の変化

であると考えます





認知運動療法の「感じる訓練」には、

このような目に見えない脳の変化があったのです


認知キット①

認知キット③

認知キット②






「体性感覚を正しく感じる」ことは、

患者さまお一人では、

なかなか難しいことのようです





患者さまの多くが

「感じる方法がわからない状態」

であると考えます





また、筋緊張の異常といった

運動の異常の種類

患者さま一人一人によって異なります





そのため、

患者さまの運動の異常

どのような体性感覚を

   感じることができないことが原因か


また

どのようにすれば体性感覚を

   適切に感じることができるのか


といったことは

患者さま一人一人によって異なる

ことになります





患者さま一人一人の運動機能の状態から、

どのような体性感覚を

   感じることができないことが原因か


を判断し、

それらの体性感覚を

   どのようにすれば感じることができるのか


を見つけることが

私たちセラピストの役割になります





だからこそ

認知運動療法は

患者さま一人一人の脳の状態に応じた

オーダーメイドでオンリーワンのリハビリテーション

になるのです




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脳のリハビリである認知運動療法を

     臨床展開するための考え方についてはコチラ

    (最初の記事から順に読んでいただくとよいと思います





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コメント
この記事へのコメント
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2010/05/18(火) 00:38 | | #[ 編集]
とても詳しく説明していただきありがとうごさいます。
職場の仲間とも先生のblogを参考に意見交換してみました。
機能環の図や脳科学の必要性も改めて再確認できました。
普段何げなく行っている行為であっても、それぞれに意図?志向性?があり、それらには今までの経験などで知らない間に比較照合作業をしており、またそれがプログラミングしているから筋収縮が行え運動がスムーズにできたりするんですね。
また解釈が間違っていたら、スイマセン。
よく患者さんには、「そんなこと普段意識しないよ」って困った表情をされるのですが、分かるためには必要なんですね。
2010/05/19(水) 17:33 | URL | 初心者 #-[ 編集]
学習
>初心者さんv-22

記事がお役に立てたようでしたらうれしく思いますv-48

>普段何げなく行っている行為であっても、それぞれに意図?志向性?があり、それらには今までの経験などで知らない間に比較照合作業をしており、またそれがプログラミングしているから筋収縮が行え運動がスムーズにできたりするんですね。

そうですねv-353

日頃の何気ない行為も「情報を得ている」と言えると思いますv-21

平地歩行のような、すでに知っている情報である場合は、
無意識に処理されることも多いようですが、
不正地での歩行のような、あまり経験のない情報の場合は、
意識化されることも多いようですv-353

>よく患者さんには、「そんなこと普段意識しないよ」って困った表情をされるのですが、分かるためには必要なんですね。

そうですねv-352

認知運動療法では、
「情報の取り方・感じ方」を
学習していただくことを目的としていますv-21

学習初期では意識化する必要があり、
学習後期になると無意識かされると言われていますv-87

そのため、
患者さまにおける訓練初期には、
日頃注意していない感覚を注意していただく必要がありますv-354

そして、学習が進むと共に
無意識に処理できることを目的としていますv-353

認知運動療法を実践する上では、
こうしたことを患者様に説明することも大切なことかもしれませんねv-48
2010/05/20(木) 00:42 | URL | 生野達也 #-[ 編集]
患者さんに説明をするためにも、やはりセラピストが理解して、簡潔に説明できることができればと思いました。

一つひとつ、理解して意味にある訓練をできたらと思います!!
ありがとうございました!
2010/05/20(木) 08:04 | URL | 初心者 #-[ 編集]
結果
>初心者さんv-22

患者さまに説明できることは大切なことですねv-21

同時に、患者さまにとっては慣れない
認知運動療法を受けていただく時には、
訓練前後の変化という「結果」を出すことが、
患者さまとの信頼関係を作ることにつながると考えますv-354

説明を理解しても、結果がついてこない場合は、
なかなか信頼していただけないものですv-393

臨床では、なかなか結果が出ずに、
焦ることも多々ありますが、
冷静に評価を進め、一つひとつ意味のある訓練を行うことが
結果につながると思いますv-353
2010/05/21(金) 07:27 | URL | 生野達也 #-[ 編集]
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