脳梗塞・脳出血や整形外科疾患の後遺症に対する新しいリハビリ方法である認知運動療法(認知神経リハビリテーション)の紹介。 麻痺や痛み・しびれの回復へ向けた日々の取り組みや基本的な考え方の紹介、相談コーナーもあります。

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この度、掲示板にセラピストの方から、

臨床における質問をいただきました

何回かに分けて、記事にさせていただきます

今回は、「認知運動療法の訓練によって

         表象と作るとはどのようなことか

というご質問

認知運動療法によって起こる

脳の変化にもつながります


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この度、掲示板にセラピストの方から、

臨床における質問をいただきました

詳しくはコチラです




いつも楽しく拝見させていただきています。

今回は治療道具に関して、分からないので質問してみました。
スポンジで接触課題を行い、目的として、
圧を識別させその部分の表象を作っていくと書かれたり、
ベーシックの際に説明があったのですが、
表象を作るとはどのようなことなのでしょうか?

またなぜ接触課題を行うことで、筋緊張が整うのでしょうか?
低下している筋肉は、収縮が得られたり、亢進している筋肉は軽減したり。
機能環の図から考えると、情報が得られることにより、
筋収縮や緊張が変わるとされているのですが、
どのようなメカニズムなのかよくわかりません。
目に見えるのは情報が構築されて現れるとされていますが、
この「表象」や「圧課題」など識別させることで
身体にどのようなことが起こっているのか十分な理解が得られていません。
もしよければ、教えていただきたいと思います。






ご質問をいただきまして、ありがとうございます





今回は、前半の

「認知運動療法の訓練によって

       表象と作るとはどのようなことか

というご質問に対して、

私見をふまえて答えさせていただきます





『表象』とは、難しい言葉です





表象については、

フランシスコ・ヴァレラが『知恵の樹』という著書において、

「なにか(に代わって)他のことを指す」

ことだと述べています

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英語ではrepresentation となり、

すでにあるもの presentation 」を

再び re 」表すことが

「表象」と言えると思います 





目の前にある花(すでにあるもの)を見て、

言葉で「花」と言う(再び表す)時、

その「花」という言葉は

目の前に咲いている花を「表象」していると言えます

また、私たちが自分の手足の状態を思い浮かべる時に想起される

イメージ」は表象の一部のようです





ご質問にあった

「スポンジによる接触課題」

を例に考えてみます

ここでは、踵部で接触課題を行うとします

踵部で硬さの異なるスポンジを識別する訓練です

WS000000_20100503222138.jpg





私たちが

「今、踵はどこにあるのかな

「自分の踵はしっかりしているかな

と頭の中で思い浮かべる時には、

自分の踵の状態(すでにあるもの)から考えて、

空間に関する「表象」や

接触に関する「表象」を

していると言えると思います





障害を持たれた片麻痺や整形外科の患者さまは、

目を閉じると自分の手足がどこにあるかわからない事や

地面に着いていることがわからない

があります





上記の例から考えますと、

このような片麻痺や整形外科のの患者さまは、

空間や接触に関する「表象」が変容している

(表象することができない状態)

と考えられます

「イメージ」が変容しているとも言えるかもしれません





認知運動療法では、訓練を通じて

運動に必要な体性感覚情報を感じる

ことができるようになることで、

「表象」を改善すること

が一つの目的になります





どのようなメカニズムで、

   「表象」の改善が起こるのか


については、

脳科学の知見

から説明するとわかりやすいかもしれません

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脳科学の知見では、

目を閉じてご自身の手足の位置関係を

思い浮かべている視覚的なイメージは、

身体イメージ」と言われています

また、

「踵が地面に着いた感じ」や「足首が動いている感じ」

といった感覚的なイメージは

筋感覚的運動イメージ」と言われています





「身体イメージ」は、

目で見た身体の状態(視覚情報)と

   目を閉じた身体感覚(体性感覚情報)が

     脳の中の頭頂連合野で照合されることで作られる


と言われています





また、「筋感覚的イメージ」は、

身体イメージ(身体図式)から作られる

と言われています





これらの知見から考えますと、

例に挙げた片麻痺や整形外科の患者さまにおける、

「目を閉じると自分の手足がどこにあるかわからない」

「踵が地面についている感覚がわからない」


という現象は、

「体性感覚が適切に脳に送られない結果として、

    作られる身体イメージや筋感覚的運動イメージが

                   変容している状態」


であると考えられます





そのため、

身体イメージやを筋感覚的運動イメージ正しくするためには、

体性感覚情報を正しく感じること

が必要になります





訓練を通じて、

体性感覚情報を正しく感じる

ことができるようになることで、

身体イメージが正しくなり、

さらに

身体イメージから作られる

筋感覚的運動イメージが正しくなる

というメカニズムです





これを「イメージ」という言葉を「表象」という言葉に置き換えると

訓練を通じて、

   体性感覚情報を正しく感じる

       ことができるようになることで、

          「表象」が改善することに繋がる


ということになります





以上になりますが、

誤っている点や不足している点

がありましたら、

コメントやメールをいただければ嬉しく思います





いただいたご質問の後半にある

「なぜ接触課題を行うことで、筋緊張が整うのでしょうか

については、後日、記事にしたいと思います





認知運動療法では、

直接目に見える運動

を回復するために

直接目に見ることのできない

脳の中を治療する


ことを目的としています





そのためにも、

運動や身体に関わる脳の働き

を理解することが必要になるのです





科学が進歩している現代においては、

リハビリテーションも進歩しなければなりません





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脳のリハビリである認知運動療法について知りたい方コチラ






脳のリハビリである認知運動療法の具体的な訓練場面コチラ






脳のリハビリである認知運動療法を

     臨床展開するための考え方についてはコチラ

    (最初の記事から順に読んでいただくとよいと思います





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コメント
この記事へのコメント
表象
表象って難しいですよね。
僕の解釈になってしまいますが表象とは概念として想起する事が可能なものと考えています。
スポンジの圧課題についても硬い、柔らかいといったもの、心地好い、抵抗感がある、あるいは埋もれて行く、入っていけない等の色々な感じがあります。これら全てが表象であると言えます。
僕が診ていた右片麻痺の患者さんは表面素材識別に問題があり、患側でいきなり行うと強く感じる方とあまり感じない方と識別していました。そして何度か行うとエラーを生じ識別出来なくなってしまいました。そして健側で行うと強く感じる方はザラザラしていて、弱く感じる方は滑らかに感じる。そこで“どちらの方が見つけやすそうですか?右でも同じ感じを思い起こせますか?”と問いました。そして思い起こせた後に右で…識別が少しずつ可能になって来ました…が3度目以降はエラーを生じ始める。
少し説明を加えて行きます。初めの強い弱いも一つの表象に基づいた知覚内容ではありますが2種の表面素材を識別するには適切なものではありませんでした。そこで健側で行ったここでは別の表象に基づいて識別するように情報構築の過程(この場合は選択)に介入しています。そしてそれが患側で想起出来るかを質問しています。そしてこの表象に基づいて知覚できるかを試みている。…3度目以降のエラーはもう一度健側で見つけなければならない表象(健側でもう一度、識別を行いどのような感じ)に注意を向けるかで再度、識別できるようになってきました。
もうひとつ重要なことはその識別の際にどのようにセラピストが行動するかです。
ですから識別課題の際に
1.準備出来ましたか?
2.これからあなたの指を動かしていきます。(上に持ち上げて触らせようとしていく)
3.今、触れました。これから感じさせて行きます。(この時点ではまだ動かさない)
4.それでは表面上を動かします。(数回なぞらせる)
5.今、止めました。
6.どんな感じでしたか?
表象が構築されても指に表面素材が触れる前に感じ取ろうとしていては感じることは無理でしょう。ですから患者さんの注意の状況を絶えず見ていく必要があります。勿論、この前に健側で触らせるか否かも重要でこれを0とすると7個のセラピストがコントロールできる言語があります。(まだまだ可能な手続きはいくらでもありますがそれはセラピストの仮説によって変化します)
また患者さんの表象化能力を評価、訓練するには一つの対象物を感じさせ、後に複数の対象物の中からそれがどれであったかを感じてもらう手続きが有効かと考えます。
・知覚した内容をどのように表現するか?
・それを想起出来るか?
・その知覚内容に対しどのように知覚仮説を立てるか(セラピストが指を持って動かして触れて、そこから先ほど想起した知覚内容:ラベルづけされた表象を感じる。という手続き的なものや身体部位のどの部分で等…)
・知覚仮説と知覚した内容に脈絡を見つけられるか?
この様な過程の中でどの過程に問題があるかをセラピストの介助をコントロールすることにより評価、訓練して行くことが可能です。
ですからスポンジであっても接触の瞬間は“今当たりました”とセラピストが言う、あるいは患者さんに行ってもらうということで難易度とセラピストが評価している内容は非常に異なります。(初めのうちは必ず接触はセラピストが言いましょう!)そしてその後の変化を見つけてもらう。表象化に働き掛けたいのであれば知覚内容の記銘を含む課題を行う必要があると思います。
 今回の質問が理論的なものなので答えになっていないかも知れませんが物凄くシンプルな例でいくと踵の知覚に非常に大きな問題を有している患者さんで硬いスポンジと柔らかいスポンジの識別を軸付き不安定板で行った場合、患者さんは足関節の動き(足の甲が詰まる…適切な表現ではないかも知れませんが)により踵が下がらなければなりません。そしてスポンジが踵に接触したことを感じてからその抵抗感なり、心地よさ、支えられる感じ等を感じてゆくでしょう。でも踵が下がることは頭にあっても足関節の動きによってそれが達成されることを全く予測していない患者さんは踵を下げようとするときに下肢全体を下方に押し付けることで感じようとするかも知れません。ですから身体は感じて行こうとする知覚内容に基づいて組織化されていくということです。それが身体の変化となってあらわれてくると解釈しています。日本の講義では必要以上に複雑な説明がなされることが多いので混乱されるかも知れません。理論も重要ですがそれがどのように臨床に反映されるかをよく考えてみることも重要ではないかと思います
2010/05/04(火) 14:44 | URL | koso #-[ 編集]
ありがとうございます
大変分かりやすく説明していただき、少し私の頭の中もつながりが出てきましたv-158v-158
表象ってやはりなかなか難しい表現なのですねv-356

森岡先生の本にも「運動学習においては、筋感覚イメージが重要である」と書かれていたのですが、なぜ筋感覚イメージが重要なのか見い出せてい中で、日々患者さんに一人称表現を求めていました。
しかし、今回のブログの中で、「筋感覚的イメージ:一人称」は、身体イメージ(身体図式)から作られると説明があり、そこで、身体図式を形成するには正しい筋感覚イメージを持てていなければいけいなし、イメージができなければ身体図式も変質してしまうということが分かりました。
そのために、ETCでは体性感覚情報を正しく感じ、一人称イメージ改変し身体図式の形成を行っていく必要があるし、その結果表象も改善してくるという解釈でよろしいでしょか?
よく身体イメージと身体図式という言葉の違いも議論されており、なかなか臨床と照らし合わせにくいのも困っていたのですが、若干光が差してきたような気がします。
2010/05/06(木) 13:08 | URL | 初心者 #-[ 編集]
同じ課題を続けてエラーがでるのであれば、
差異を作り、差異が感じられるか問いかけるということもできそうです。
ここでは記憶も関係するようです。
塚本先生他の「臨床思考の手続きと治療」の第三章p135あたりの文章はそのように読めました。

2010/05/08(土) 01:31 | URL | みちのく #-[ 編集]
書籍と臨床を繋げる
>kosoさんv-22

認知運動療法の書籍や講義には難しい単語や表現が多いですねv-393

そうした単語や表現の意味を正確に理解すると共に、
臨床を結び付けることが大切になりますねv-353

認知運動療法の臨床がさらに広まるためには、
そういったことが必要かもしれませんねv-354
2010/05/09(日) 17:51 | URL | 生野達也 #-[ 編集]
>初心者さんv-22

お役に立てたようでしたら、嬉しく思いますv-48

>ETCでは体性感覚情報を正しく感じ、一人称イメージ改変し身体図式の形成を行っていく必要があるし、その結果表象も改善してくるという解釈でよろしいでしょうか?

そのような解釈で大きな問題はないかと思いますv-353

光の向こうに患者さまの機能回復があることを願っておりますv-354
2010/05/09(日) 17:57 | URL | 生野達也 #-[ 編集]
差異によって生まれる情報
>みちのくさんv-22

>同じ課題を続けてエラーがでるのであれば、
差異を作り、差異が感じられるか問いかけるということもできそうです。

そうですねv-353

臨床場面においては、差異を作ったとしても
「感じることができない」
患者さまが多くいらっしゃいますv-393

そのような患者さまに対して、
認知問題の問題設定や援助の内容を変更し、
「感じる」ように導くことが
セラピストの役割になりますv-354
2010/05/09(日) 18:03 | URL | 生野達也 #-[ 編集]
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