脳梗塞・脳出血や整形外科疾患の後遺症に対する新しいリハビリ方法である認知運動療法(認知神経リハビリテーション)の紹介。 麻痺や痛み・しびれの回復へ向けた日々の取り組みや基本的な考え方の紹介、相談コーナーもあります。

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何度か記事にさせていただいている、

外来で来られている右片麻痺の患者様

1か月の間、訓練が上手くいかず施行錯誤

それが今回

機能回復へ向けた壁を1枚超えました

壁を越えた方法とは…


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何度か記事にさせていただいている、

外来で来られている右片麻痺の患者様

(詳しくはコチラ①コチラ②コチラ③コチラ④コチラ⑤コチラ⑥






麻痺側上下肢を動かすことはできますが、

痺れなどの異常感覚が強く、

筋緊張が高くなってしまいます





患者様「動こうとしたら、手足がキーンとなってしまうんよ

    どうやって力を抜いたらよいのかわからない





先週のリハビリ(詳しくはコチラ)では、改めて

注意して動くことの重要性

に気づいていただきました





前回は、仰臥位(仰向けで寝る)の際に、

肩甲骨が地面に接触する感じ

に注意を向けると、

麻痺側上下肢のキーンとした異常感覚が軽減

しました






1週間が経ち、

前回の訓練効果が残っているか

が気になるところ








不安と期待が入り混じる中









さっそく聞いてみます





セラピスト「先週からキーンとする感じはどうですか










患者様「やっぱり変わらないね

    「一度、キーンとしたら治らないわ









残念ながら先週の訓練は、

日常生活には活かされなかったようです





一日の訓練では変化はありましたが、

大きな問題点は他にあるのかもしれません








諦めずに、評価を進めます









仰臥位(仰向けで寝る姿勢)を観察 




動かないでいるとキーンなる感じは少ないようです





寝返り動作などを考えて、

他動的に骨盤を回旋させます








すると








患者様「右の手足がキーンとするね

同時に筋緊張が高くなります








脳のリハビリである認知運動療法では、

異常な筋緊張や異常な感覚が起こる原因

は脳の損傷に伴う認知過程の異常によって、

運動に必要な感覚を適切に感じることができない

と考えます(詳しくはコチラ)





そのため、評価としては、

どのような感覚を感じることができないのか

を明らかにすることが必要になります









骨盤を回旋させる時に

どのような感じがするか

聞いてみると

背中や臀部で重心移動が起こっている

ことは、まずまず感じることができているようです





重心移動を感じることができているのに

なぜキーンとなってしまうでしょうか










ここでハッと閃きます









骨盤と同時に

足も動いている

のです





足の動く感じ(運動覚)を感じることができない

かもしれません









早速、評価に移ります









比較的、

キーンという異常な感覚が少ない

股関節を評価します





股関節がどれだけ外に動いているのか

(股関節内外転の空間課題)

という認知問題を提示します





ここでは、

股関節の動き

を感じることが必要になります





麻痺側の足を動かそうと下腿の後面を触ると






患者様「持たれたところがピリピリします





触っただけでも異常な感覚が出現します





患者様「でも、しばらく持たれているとピリピリが少なくなってきます





なんとか認知問題を続けます









麻痺側の下肢を

少し外に開いた場合



大きく外に開いた場合

の区別がつくかという問題を出します









すると








バッチリ正解することができます





どの感覚に注意を向けているか

といった知覚仮説の立て方を知るために

なぜわかったのか

と聞いてみます





知覚仮説の立て方について記載してある書籍はコチラ

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すると






患者様「付け根が開いているのがわかります





股関節の動きに注意が向いているようです











一見、問題なく感じているように思えます









しかし









股関節の筋緊張が高いままです





足がキーンとする感じも変わりません






適切に感じることができれば、

筋緊張や異常な感覚は良くなる
はずなのに








原因はどこにあるのか

しばらく頭を抱えます









下腿の後面を触ることで

ピリピリ感が出ていることが問題

かもしれません






しかし




 

患者様「触られることに注意していれば、ピリピリ感は軽減する

とのこと

下腿の後面を触っていることが

原因ではないかもしれません










頭を抱えます












少しの間、訓練が止まります















時間が流れます




















そこでハッと閃きます










前回の訓練にヒントがありました(詳しくはコチラ










そうです









この患者様は、

発症前から体の感覚(体性感覚)に注意を向けることが難しい

方でした





今回の認知問題において、

患者様「付け根が開いています

とおっしゃっていたので、

股関節に注意が向いている

と考えていました









しかし








ここでの「動いている」ということが、

健側のような「動いている感じ」ではない

かもしれません





適切な股関節の動いている感じ

を感じることができていないかもしれません






患者さまは、ご自分ではなかなか気がつかないのです





それを気づかせて、

適切に感じることができるように導く

ことがセラピストの役割になります








早速、確認してみます









再度、麻痺側の下肢を

少し外に開いた場合



大きく外に開いた場合

の区別がつくかという問題を出します





患者様「やっぱり、付け根が開いていますね





ここで、

具体的にどのような感じなのか

を知るために深く質問していきます





セラピスト「開いているというのは、どのように開いているのですか





患者様「ん~どのようにって言われても困るね





セラピストの「どのように開いているか」という言葉だけでは、

どのようなことに注意を向ければよいのか

わからないようです







わからない

感じることができない


患者様に対して、

どのように教えればわかっていただけるのか

どのように教えれば感じていただけるのか


を見つけることがセラピストの役割になります







患者様が理解しやすいように、

聞き方を変えてみます








セラピスト「開くといっても、いろいろな開き方がありますよね

        スムースに開くドアもあれば、

             錆びていてギーッと開くドアもあります

     どのような開き方か具体的に教えていただいても良いですか








すると








患者様「そう言われれば、ギューっと開かれますね





具体的にわかってきました





さらに質問を深めます





セラピスト「小さく開くときと大きく開くときで、

         ギューっと開く感じは変わりますか





患者様「大きく開かれると、もっとギューっとされますね





どうやら、

患側での開く感じは、

ギューっと開かれる感じ

のようです





患測では、

足が開かれるほどギューっとする感じが強くなる

という関係があるようです









次に、健側で認知問題を行い、

同じことを聞いてみます









すると









患者様「あれ、こっちはスーッと開かれますね




セラピスト「大きく開かれた時はどうですか





患者様「大きく開かれても変わらずスーッと開きますね









ここで発見がありました





健側では、

足が開かれてもスーッとする感じは変わらない

のです





患側では足が開かれる時に

ギューっとする感じが強くなっていく

のに対し、健側では

スーッとする程度は変わらずに開かれていく

のです








患側と健側で感じ方が違います








おそらく患側では、

緊張が異常に高い筋肉が引き伸ばされる感じ

に注意が向いているのだと思います





患側でも健側のような

スーッと開く感じ

に注意を向けて感じることができれば、

異常な筋緊張が制御され、

キーンとする感じが軽減するかもしれません









焦る気持ちを抑えながら進めます










セラピスト「それでは、悪い足でも良い足のような

        スーッと開く感じに注意してください

     付け根がスーッとする感じがあるか教えてください





セラピスト「開いてみますよ…












すると













患者様「足先がピリピリしますね




























股関節のことを聞いているのに、

足先のことをおっしゃっています





付け根(股関節)のことを言わないということは、

付け根(股関節)に注意向いていない

かもしれません








セラピスト「付け根(股関節)はどうなっていましたか








患者様「足先に気を取られていて忘れていました





やはり、

付け根(股関節)に注意が向いていなかった

ようです








仕切り直しです








セラピスト「今は足先のことを無視してもよいので、

        付け根のスーっとする感じに気を付けてください





患者様「はい







異常な筋緊張が出現しない範囲から進めます






セラピスト「それでは、小さく開きますね





















患者様「あぁさっきよりもスーッと開いています





スーッと開く感じに注意が向いたようです

同時にセラピストの手で、

高かった股関節の筋緊張が低下していることを確認しました





セラピスト「それでは、大きく開きますので、

        同じようにスーッと開くかどうか注意してください


           






ドキドキしながら、

大きく開きます









すると








患者様「大きく開いても今は、

      スーッと開いていますね





同じく高かった股関節の緊張も低下しています





スーッと開く感じという

適切な感覚に注意が向いた

ことで、

異常な筋緊張が制御されたようです








そして









私の仮説が正しければ、

キーンとするという異常な経験

改善しているはずです









ドキドキしながら聞いてみます












セラピスト「今は、キーンとする感じはどうですか

























患者様「











患者様「今は、だいぶなくなっていますね

       すっきりしています





嬉しい瞬間です









今回は、

患者様には動いてもらわず、

セラピストが動かす設定(第1段階)で

スーッと開く感じに注意を向けた認知問題

を繰り返した後に、

動作につなげるためにも

患者様とセラピストが協力して動かす設定(第2段階)

でも行いました








訓練後…








スーッと動く感じに注意を向けながら

立ちあがってもらいます











すると












患者様「キーンとなりにくいですっ





感激です





適切な感覚を感じることができるようになる

ことによって

立ち上がりという動作能力が向上した瞬間です





1か月の間、

超えることができなかった壁

を1枚超えることができたようです





今回は、

スーッと動く感じに注意しながら付け根を動かすこと



スーッと足を動かしながら立ち上がること

を帰宅後も注意していただくように

指導させていただきました







来週が楽しみです













今回は、

機能回復へ向けた1枚の壁

をなんとか乗り越えることができました





これから先にも

何枚もの壁が立ちはだかるかもしれません





時には立ち止まってしまうこともあると思います





そのようなことがあっても、

機能回復を諦めず、

患者様とともに壁に立ち向かっていきたい

と思います






1枚、1枚…確実に






「リハビリテーションに奇跡はない 

                 されど進歩はある」
            
                    
                                …パオラ・プッチーニ


この言葉を胸に





(今回、紹介した書籍はコチラ

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    (最初の記事から順に読んでいただくとよいと思います





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