脳梗塞・脳出血や整形外科疾患の後遺症に対する新しいリハビリ方法である認知運動療法(認知神経リハビリテーション)の紹介。 麻痺や痛み・しびれの回復へ向けた日々の取り組みや基本的な考え方の紹介、相談コーナーもあります。

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11月25日に兵庫県認知運動療法勉強会に参加してきました

内容は右片麻痺で失語と失行を呈した患者さんに関する症例発表でした

身体部位の言語化が出来ない

一つの情報の認識は可能であるが複数の情報になると困難


ということに注目されました

そこには「言語」や「注意」の問題が大きいのではないかという話が出ました

良くなった患者さんからの

「言葉がしゃべれるようになったら動きやすくなった」

という言葉にもなるほどと思いました


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11月25日に兵庫県認知運動療法勉強会に参加してきました

遅ればせながら報告です

毎回、兵庫県立総合リハビリテーションセンターで開催されます

日勤を終え、すぐに電車に飛び乗ります

今回は、後輩と2人で参加です

一緒に行った後輩は、よく院外の勉強会にも参加しています

最近の後輩達は自主的に院外の勉強会に参加しており関心です

電車を乗り継ぎ片道1時間20分

やっと西明石に到着

タクシーで会場へ


毎回思いますが・・・



遠い



これも勉強のためです

遠くても参加した後には「来てよかった」と毎回思います



参加者は約20名

内容は、兵庫県立リハビリテーションセンターの先生から症例発表とディスカッションでした


患者さんはというと・・・

脳内出血による右片麻痺と軽度の失語症と失行症を呈した症例です


失行症の原因を「異種感覚情報変換の障害」と捉える仮説について、

脳科学の知見を用いて解説していただきました

自発的な運動と模倣時の脳活動の違いを例に挙げて、

視覚から体性感覚への情報変換過程について

写真を用いてわかりやすく解説していただきました


いよいよ症例です


外部観察では、

下肢の随意性は比較的良く、股関節や膝関節、足関節の個別の運動は代償を伴いながら可能です

歩行はT-cane使用し分回し歩行、立脚中期には膝関節伸展が得られず軽度屈曲位となっています


このような外部観察の異常の原因となる認知過程の異常を評価します

「どのような認知過程の異常によって、

どのような情報を認知することができない結果、

目に見える運動の異常が生じているのか」
 


ということを明らかにします


今回の症例における問題点として

身体部位の言語化が出来ない

一つの情報の認識は可能であるが複数の情報になると困難


ということが挙げられていました


失語は軽度であり、日常会話レベルではコミュニケーションが可能です


しかし


セラピスト「どこが動いていますか?」
   
     「どこを触っていますか?」

といった認知問題に対して、

「膝」「付け根」といった言語で解答するというように、

言語を用いて身体部位を認識することは不可能なようです

それに対して、身体の絵を書き、身体部位に「付け根」「膝」「足」といった文字を書いてポインティングさせるといった、

視覚による援助を行うことで身体部位の認識が可能になるようです


視覚による身体部位の認識は、単関節では可能ですが、

複数の関節を動かしたときの認識や

運動覚や職圧覚といった複数の情報を一度に認識することは困難でした



上記の問題点の原因と、歩行の異常との関係についてグループディスカッションとなりました



身体部位の言語化が出来ない

ということに関しては、失行症による異種感覚情報変換の障害によって、

体性感覚→言語

の情報変換が障害されているという話が出ました

「どこが動いていますか?」「どこを触っていますか?」という問いに対して、

身体部位に関する視覚情報や体性感覚情報から、

身体部位に関する言語情報へと変換することが困難
であると考えられました

それに対して、身体の絵を書き、身体部位に「付け根」「膝」「足」といった文字を書いてポインティングさせることで認識が可能となります

これは、この患者さんが、視覚での身体部位や漢字の認識が可能であったことに加え、

体性感覚→視覚

の情報変換が可能であったことが考えられました

今回の患者さんにおけるプロフィールでは、

身体部位の言語化が出来ないというネガティブ因子に対して、

絵や文字といった視覚を用いれば身体部位の認識が可能というポジティブ因子が挙げられると考えます


この患者さんは、身体部位以外の言語機能は保たれており、

「なぜ、身体部位だけが言語化できないのか

という点については、答えが出ませんでした

そういえば数年前のアドバンスコースでPante先生が

「右片麻痺の患者さんは、身体部位を認識できないことが多い」

とおっしゃっていたことを思い出しました



一方


一つの情報の認識は可能であるが複数の情報になると困難

ということについては、おそらく複数の情報に同時に注意を向けることができず、

言語よって思考できない
ことが原因ではという話が出ました


認知過程とは何か!?」で述べたようにVygotskyは、言語は思考の道具でもあると述べています(認知心理学〈4〉思考

認知発達理論では、子供は、はじめに言葉に出すこと、

つまり外言(external speech)によって他者の行動が調整できることを理解し、

次第に自らの思考や行動を内言(inner speech )によって調整できるようになると言われています

つまり、言葉に出さずに頭の中で話すこと(内言)によって思考していると考えられます

認知問題に解答する過程では、言語を用いて思考していると考えます

空間課題では、「付け根よりも膝が前にあって、膝よりも踵が後ろにある」など

接触課題では、「踵が降りていって、踵にグッと強く力がかかったから3番」などです

言語に問題があると、認知問題に対して思考することができず、正解を導き出すことができない可能性が考えられます


今回の患者さんの場合、

絵や文字といった視覚による援助を用いることによって、

一つの情報であればなんとか身体部位を認識することが可能になることは、

体性感覚→視覚の情報交換が可能であったためと考えられました

これは、(あくまでも仮説ですが…)

体性感覚から絵や文字といった視覚情報へと変換し、

さらに視覚情報から言語情報へと変換することによって、

身体部位を内言によって思考することで認識ができたとも考えられます

(注)これを検証するためには、身体部位の絵や漢字から言語化が可能かどうか評価しても良いかもしれません

しかし、複数の情報になると体性感覚→視覚→言語といった処理を複数同時に行うことが求められます

複数の情報に注意を向けて処理する機能がないと、これらの複数の処理を同時に行うことができず、

複数の身体部位を内言によって思考することができずに誤答してしまうと考えられました


歩行などの動的な場面では、複数の情報を同時に認識することが求められます

今回の患者さんは、複数の情報になると認識が困難になるために歩行の異常といった運動の異常が出現していたと考えられます

認知運動療法では、簡単に言えば「わかるようになれば動けるようになる」と捉えています

「わかる」というのは、一つの情報だけではなく、動作の中で複数の情報を「わかる」必要があるのだと思いました



経過の中で回復された患者さんが、

「言葉がしゃべれるようになったら動きやすくなった」

とおっしゃっていたそうです


運動と言語の密接な関係を感じます


セラピストは、認知過程を活性化することによって運動の改善を図ります

認知過程とは、世界を知るための方法であり、世界を知るための思考過程(考え方)であると考えます

思考するためには言語が必要になります

身体について言語化できるようになることによって、

身体について思考することが可能になります

その結果、動作の中で複数の情報が認識することが可能になり、

運動の改善に繋がります

そんな言語と運動の密接な関係が患者さんの言葉に現れているように感じました


失行症について記載されている書籍紹介

認知運動療法講義認知運動療法講義
(2004/04)
フランカ・アントニエッタ パンテ

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脳のリハビリテーション:認知運動療法の提言〈1〉中枢神経疾患脳のリハビリテーション:認知運動療法の提言〈1〉中枢神経疾患
(2005/07)
C. ペルフェッティ

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失行症に対するこれまでの定義を再検討することからはじまり、

認知理論に立脚した患者さんの観察

失行症の病態解釈

失行症に対する認知運動療法

について整理されています

「認知運動療法講義」の中で失行症について記載されているのは約20ページで、

「脳のリハビリテーション」の中で失行症について記載されているのは約100ページです

「認知運動療法講義」は基本概念や運動イメージ、小脳疾患や整形疾患に対する認知運動療法などの幅広い内容となっています

「脳のリハビリテーション」は運動イメージ、失行症、小脳疾患に関する内容のみとなっています

「認知運動療法講義」は基礎を学ぶ書籍で、「脳のリハビリテーション」はより深めるための書籍になると思います



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