脳梗塞・脳出血や整形外科疾患の後遺症に対する新しいリハビリ方法である認知運動療法(認知神経リハビリテーション)の紹介。 麻痺や痛み・しびれの回復へ向けた日々の取り組みや基本的な考え方の紹介、相談コーナーもあります。

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今回は、認知運動療法の評価・治療において実施される認知問題について整理しました

中でも認知運動療法の臨床を行うために特に重要である知覚仮説についてまとめてみました

認知運動療法における評価・治療においては、

認知問題を通じて知覚仮説を検証することと

特異的病理の観察を行うこと


が重要となります


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認知過程の活性化による環境世界と関係を作る能力、

つまり、環境世界からの情報収集能力といった

目に見えない中枢神経系の働きを評価・治療
するために、

認知問題が設定されます

認知問題を通じて環境世界と相互作用する際に、

どのような情報を認知しているかということ、

つまり

どのような知覚仮説を立てているかということを評価することができます



情報は身体と対象物との相互作用によって得られる(現代思想 2006年11月号 特集=リハビリテーション)が、

認知過程に問題を抱える患者にとっては、自然な環境世界では

あまりにも多くの情報(感覚モダリティ)が内包されているため、

複雑すぎるという問題が生じる(認知運動療法入門―臨床実践のためのガイドブック)と言われています

そのため、環境世界の情報(感覚モダリティ)の中から

ある特定の情報を抽出するための単純な環境を作り出すことを目的として

「道具」が用いられます(認知運動療法入門―臨床実践のためのガイドブック



セラピストが機能系の概念に基づいて運動の評価を行い、

その中で、どのような情報について評価したいのかに応じて、

用いられる道具は変更されることになります

認知問題を設定する際にも、行為の目的(機能)を考えることが重要であり、

「認知問題は、目的を持った相互作用に必要な情報構築の能力に関わるものでなければならない」(認知運動療法入門―臨床実践のためのガイドブック

と言われています


認知問題を通じて、患者の認知過程の変質を評価し、

訓練によって認知過程を活性化するといった一連の作業が行われます

認知問題に解答するためには、

知覚、注意、記憶、判断、言語といった認知過程

を活性化することが求められます


認知問題が提示されると、患者は、

多くの情報(「知覚」)から必要な情報に「注意」を向け、

記憶」している選択枝の中から同じ情報を「判断」します

言語」は、認知問題に解答する手段であると共に、

思考する際に重要であるといわれており(認知心理学〈4〉思考)、

認知問題に解答する一連の過程で常に働いていると考えます


認知過程とは何か!?」で述べたように認知過程はシステムとして働いていることから、

認知問題に対して誤答するということは、

認知過程のどこかに問題が生じている結果、認知過程が活性化できず、

一つのシステムとして「わからない(誤答する)」ということ繋がっている
と考えます


患者が認知問題を解答するうえで重要になるのが知覚仮説になります

知覚仮説とは、

「頭脳が問題を解決するために最も重要な情報を(相対的に)選択すること」

と定義されています(第1回マスターコース文字起こし資料)

つまり、環境との相互作用によって生じるさまざまな情報の中から、

不必要な情報を無視して、どのような情報を体性感覚として得るか

という「仮説」のこと(認知運動療法講義)であり、

何をどのような方法で知ろうとするかといった、

いわゆる「構え」の状態であると言われています(現代思想 2006年11月号 特集=リハビリテーション


運動の捉え方とは何か!?」で述べたように、

中枢神経系が得られる情報の種類によって、

運動シークエンスが変化する
ことから、

認知過程の活性化によって

どのように知覚仮説を立てているか(どのような情報を得ようとしているのか)

ということが、訓練においては重要となります

そのため書籍などでは

「機能回復の質は、どのような認知過程が活性化されたのかによって決まる」

と言われています(認知運動療法講義


情報は身体と対象物との相互作用によって得られる(現代思想 2006年11月号 特集=リハビリテーション)と言われています

環境世界との関係を構築するためには、

収集した情報によって事物の相互関係や法則性といった

新しい情報を構築することが求められると言われています(認知運動療法―運動機能再教育の新しいパラダイム

相互作用とは、身体と環境世界との関係であり(認知運動療法―運動機能再教育の新しいパラダイム)、

認知問題には、身体を通じて物体(環境世界)を認知するという目的の

内部状態と外部状態の特殊な組み合わせ

が存在するといわれています(アドバンスコース配布資料:リハビリテーションにおける認知理論をより深めるために)


相互作用を行う際、

環境世界の変化に伴って、身体が得られる情報も変化する

ということを中枢神経系が処理することによって、

環境世界の変化を知る(認知する)ことが可能になると考えます

そのため、相互作用によって生まれる情報も

身体内部の情報

身体外部の情報

に分けられると考えます


では、中枢神経系は

どのようにして身体内部と身体外部の情報を得ているのでしょうか

ここで重要になるのが「意図」になります


同じ物体(環境世界)に対する関係であっても、

どのような情報を得たいのかという患者の意図によって、

その時の経験や運動は変化する
と言われています(第3回マスターコース文字起こし資料)

そして、セラピストが患者に対して、

「どのような情報を得るのか」という言語指示に応じて、

収集される情報は変化し、経験や運動は変化します
(第3回マスターコース文字起こし資料)

セラピストが発する言語というものが、

言語が患者の脳の中における一定の認知過程の活性化を呼び起こす


と言われています(第3回マスターコース文字起こし資料)


そして


患者が物体(環境世界)との相互作用を通じて

どのような情報を認知しているのかを知るためには、

相互作用をする中でどのような経験をしているのかといった

患者の言語記述を介する方法が用いられています(第3回マスターコース文字起こし資料)


認知問題に解答するためには、

相互作用によって生じる身体内部と身体外部の情報を構築する(関係付ける)こと

が重要と考えます


空間課題と接触課題を例に挙げると…

空間課題においては、

各関節の位置関係や外部座標における位置関係が身体外部の情報であり、

「(関節の)動いている感じ」といった深部感覚情報が身体内部の情報となります

肩関節を例に挙げた訓練では、

「肩関節が動いている感じがあるほど、肩より手が高くなる」

ということを学習することが重要になると考えます


接触課題(スポンジ課題)においては、

スポンジの硬さ・軟らかさといった情報が身体外部の情報であり、

身体に加わる圧力(強さ)や「身体に入ってくる感じ」といった情報が身体内部の情報となります

訓練では、「身体に加わる圧力(強さ)が強いほど、スポンジは硬い」

ということを学習することが重要になると考えますemoji:v-21]


空間課題・接触課題の両方において、

身体外部の変化を認識するためには身体内部の情報が必要になる

と考えます

訓練を通じて環境世界(身体外部)を「知る・感じる」ということは、

視覚情報があるからではなく、体性感覚情報(身体内部)があることによって

「知る・感じる」ことが可能になるというように導いていくと言われています(2006年大阪アドバンスコース文字起こし資料)


したがって


訓練を通じて身体内部の情報(体性感覚情報)を収集すること

が重要になると考えます



認知過程とは、世界を知るための方法であり、

世界を知るための思考過程(考え方)であると考えられることから、

収集した情報によって事物の法則性という新しい情報を構築すること(認知運動療法―運動機能再教育の新しいパラダイム)が求められます

ここが認知運動療法は感覚訓練ではないと言われる部分です

認知問題において、1番から5番の選択肢を設定したとすると、

1番から5番という5つの情報を記憶することができれば認知問題に“解答”することが可能になります


しかし


これでは世界を知るための思考過程を治療するうえでは不十分となります

重要になるのは、1番から5番という5つの情報間にある法則性を構築すること認知運動療法―運動機能再教育の新しいパラダイム)にあります

スポンジを用いた接触課題を例に挙げると、

5つのスポンジの硬度を丸暗記するのではなく、

「1番よりも2番の方が少し強くて、1番よりも3番の方がもっと強い・・・」

といったような

情報(知覚仮説)間の法則性を思考させる

ことによって、

世界を知るための方法論を学習することが重要になります


1番から5番という5つの圧情報の法則性を学習することによって、

未知の6番や7番が提示されたとしても

「5番よりも少し強いのが6番で、5番よりもっと強いのが7番」

というように

学習した経験から予測(推論)すること

が可能になります


したがって


情報間にある法則性を構築することによって、

未知の強度の圧情報も予測することが可能になり、

実際の行為につなげることが可能になる


と考えます



認知問題において、

患者がどのような思考をたどって結論に至ったかを理解すること

が重要であると言われています(「認知を生きる」ことの意味―カランブローネからリハビリテーションの地平へ

これはどのような知覚仮説を立てているか理解すること と同意であると考えます

どのような知覚仮説を立てているかということが、機能回復の質を決定する

ということはすでに述べました

「知覚仮説を立てる」ということは、

脳内で生じている思考のプロセスであり、目に見えるものではありません


そこで


患者の思考を知り、どのような知覚仮説を立てているかを客観的に評価するために、

知覚仮説を確認する方法として

セラピストが求める知覚仮説を立てないと解答できないような訓練状況へと設定を変更すること

患者の言語記述

といった二つの方法が挙げられます(「認知を生きる」ことの意味―カランブローネからリハビリテーションの地平へ



スポンジを使用し足関節背屈を伴った踵部における課題(前足部にシーソーをおいた踵でのスポンジ課題)を例に挙げて述べます

一つ目は、

セラピストが求める知覚仮説を立てないと解答できないような訓練状況へと設定を変更することです

スポンジには、触圧覚や運動覚といった多くの情報が内在されています

硬さの異なるスポンジに踵を接触させていくと、

軟らかいスポンジほど踵が沈み込むことで背屈角度が増大します

認知問題に解答するうえで、このような設定では、

踵部の触圧覚や足関節の運動覚といった複数の情報が混在し、

どのような知覚仮説を立てているかが不明確となります

そこで、認知問題を提示する際に、

セラピストがどのようなスポンジにおいても踵が沈み込む距離を一定とし、

運動覚の差が生じない設定へと変更することで、

触圧覚で知覚仮説を立てないと解けないような状況なります


つまり


セラピストが求める知覚仮説を立てないと解答できないような訓練状況へと設定を変更することで、

患者が別の知覚仮説を立てるように導くのです



二つ目は、

患者の言語記述です

セラピストが「なぜわかたっか?」「どのように感じたから、そのように判断したのか?」というような質問を行い、

認知問題に解答するに至った思考過程を記述してもらうことで、

どのような知覚仮説を立てているかを特定する
のです

上記のような硬さの異なるスポンジに踵を接触させて運動覚の差異も生じる設定において、

患者が「軟らかい程よく沈むから」と記述するならば、

足関節の運動覚を知覚仮説としていると考えられます

そして、患者が「軟らかいほど踵にかかる反発力が弱くなる」と記述するならば、

踵部の触圧覚を知覚仮説としていると考えられます

これらの方法については、決まった進め方があるわけではなく、

患者の認知過程の状態や、セラピストが患者にどのようなことを教えたいのかによって臨機応変に変更されていくものとなります



どのような知覚仮説を立てているかを考える際に、

重要となるのが特異的病理との関係です

機能系の概念と合わせて考えると、

セラピストが改善することを目的とした行為に応じて、

適切な知覚仮説を立てることができないということは、

不適切な情報が認知されていることや情報を認知することができないことを意味し、

結果として、運動の異常である特異的病理が出現することになります


そのため、認知問題を実施するときには、

「どのような知覚仮説を立てているか」ということと同時に、

改善することを目的としている特異的病理の変化

を観察すること


が重要となります


認知問題において特異的病理が認められる場合は、

「感じる(知る)ことができない」ということや、

適切な知覚仮説を立てることができていない可能性が高くなると考えます

また、認知問題に正答することが可能なのにもかかわらず特異的病理が認められる場合は、

不適切な知覚仮説を立てて認知問題に解答している

ことが原因と考えます

このような場合は、身体外部の情報を知覚仮説としていることや、

触圧覚を知覚仮説として立てなければならない状況で

運動覚を知覚仮説として立てていることなどが原因と考えます


したがって


認知問題に対する正答率だけではなく、

「どのような知覚仮説を立てているか」ということが重要であるとともに、

特異的病理との関係を厳密に観察することが重要


と考えます



訓練(詳細は「プロフィール」にて整理する予定)を通じて、

教師役であるセラピストが患者の認知過程が適切に活性化できるように援助を行います

そして

適切な知覚仮説を立てることができれば、

適切な情報を認知することが可能となり、

結果として、

特異的病理の制御が観察されます


したがって、


認知運動療法における評価・治療においては、

認知問題を通じて知覚仮説を検証することと

特異的病理の観察を行うこと


が重要となります


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