脳梗塞・脳出血や整形外科疾患の後遺症に対する新しいリハビリ方法である認知運動療法(認知神経リハビリテーション)の紹介。 麻痺や痛み・しびれの回復へ向けた日々の取り組みや基本的な考え方の紹介、相談コーナーもあります。

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脳梗塞を発症され左片麻痺という障害を持たれた患者さまに対する上肢の訓練場面

どうしても筋緊張の亢進が出現します

その裏側隠されていた、

患者さんの人生経験とは


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休みのスタッフの代診場面



脳梗塞を発症され左片麻痺という障害を持たれた患者さまです



下肢は回復してきていることから、

理学療法士も上肢の訓練を行っています





この患者さんのプロフィールの特徴としては、

個別の体性感覚情報は、

注意を向ければ認知することが可能
ですが、

複数の体性感覚情報を関係づけることができません






上肢の訓練では、

常に体幹を正中位で保持すること


を求められています





認知運動療法を受けるようになってから、

体幹の正中位保持について何度も指導されたことから、

患者さんはいつも気を付けているそうです








今日は、

背もたれのない端座位で左上肢の空間課題

を行いました






肩関節と肘関節を他動的に動かしながら、

円の大きさを当てていただきます






セラピスト「これは、何番ですか



患者さん「3番です









セラピスト「それでは、これは何番ですか



患者さん「2番です







バッチリ正答することができています
















しかし













気になることが















課題時に、

体幹や肩甲帯に放散反応が出現しています

左上肢全体も少し筋緊張が高いです






気になって、左右差を聞いてみると・・・



患者さん「やっぱり、左は右よりも重たいね











課題に正答できていますが、

特異的病理や経験の異常が出ていることから、

適切に認知することができていないようです














果たして、どのような問題があるのか





評価を進めます














「肩関節や肘関節の運動覚に適切に注意が向いていないのか

「体幹の保持に注意が向いていないのか

などと仮説を立てて、

セラピストの言語的な援助によって注意を向けていただきます















しかし














変化ありません







注意を向けているはずなのに















変化がありません


















どうやら、他のことに問題があるようです













そこで










先日の院内勉強会の内容を思い出します












「認知過程は、その人の人生経験を表している」

ということです





認知過程は、情報を認知するときに働く過程です(詳しくはコチラ

認知過程は一人一人ことなり、その背景には、

その人がどのような考え方の特徴があるのか

ということが大きく関わっています





その人が、

これまでの人生でどのような経験を積み重ねてきたか

によって、その人の考え方は変わります











つまり











その人の人生経験によって認知過程の特徴が変わる

のです





健常者においても一人一人の認知過程の特徴が異なります



患者さんの場合は、脳の損傷によって、

さらに認知過程の問題が生じています





訓練においては、

患者さんのこれまでの人生経験をふまえて、

               認知過程の問題をみていく


ことが求められます














今回の患者さんをみる上でも、

患者さんの人生経験を知らなければなりません










お話を伺っていると・・・











病前まで、責任のある立場でお仕事をされていたそうです

常に、プレッシャーと戦ってこられたそうです

常に、全力投球で・・・














そこで、ひらめきます














いつも、全力投球

体幹の正中位保持を指導されていることから、

体幹に過剰な運動単位を動員しているのでは






という仮説です





仕事で常に全力投球をしてこられた患者さんですから、

「体幹の正中位保持」にも全力投球になってしまい、

それが過剰な運動単位を動員することに繋がっているのかもしれません













そこで、患者さんに聞いてみます













セラピスト「いつも、体に気を付けるように言われていると思いますが、

        どのような意識で体をまっすぐにされていますか













すると















患者さん「そんなん、必死やで










やはり、かなりの努力をされているようです














そこで













セラピストの姿勢を見せながら、

気付いていただくように進めます



セラピスト「私が手を挙げるときに、体はそんなに頑張っていますか



患者さん「そんなことないね 割と楽そうやね





セラピスト「ご自身の体の様子とは違いますか



患者さん「私は、かなり力を入れているね












そこで、訓練へと繋げます











セラピスト「どうやら頑張りすぎている所があるかもしれませんので、

         6分か7分の力で、少し気を抜いて体を支えてみましょう



患者さん「はい








患者さんは、少し半信半疑ですが、

背もたれのない端座位で左上肢の空間課題

を行います










セラピスト「これはどうですか



患者さん「1番です






セラピスト「これはどうですか



患者さん「3番です












バッチリ正答することができています













しかも
















先ほどまであった、

体幹と肩甲帯の放散反応が制御されています

左上肢の筋緊張も制御されてます









うまくいったようです










ドキドキしながら患者さんに聞いてみます







セラピスト「今は、左手の重さはどうですか













すると













患者さん「今は、軽いねっ






患者さん自身もびっくりです














訓練の最後に少しお話ししました










セラピスト「今までお仕事を全力投球でされてきたのが、

       運動にも表れていたようですね

       今日の様子ですと、体を支えるのは、

       全力投球よりも6分か7分で良いみたいです

       今まで、ずっと全力投球で来られてきたので、

       これからは、

       少し肩の力を抜いていくのも良いかもしれませんね













その時
















患者さん「そうですね



とうなずきながら、患者さんの目には涙










どこか

「今まで頑張ってきたから、少し力を抜いてもいいんだね」

と自分を許し、

それを自分に言い聞かせているようにも見えました











その人の人生が運動にも影響を与えている

ことを実感した一日でした












認知運動療法では、

認知過程を変化させることで運動機能回復を図る

ことを目的としています



認知過程を変えるということは、

大きく捉えると、

患者さんの人生観を変えることにも繋がります





長年積み重ねられたことで作られている

患者さんの人生観を変えることは簡単なことではありません





うまくいかないこともあります





セラピストも挫けそうになるときもあります














しかし















私たちセラピストは逃げてはならない

のです








患者さんの認知過程を変えるためには、

セラピストの援助が必要なのです





患者さんが良くならない





患者さんが分かってくれない






それは全て、

うまく患者さんを導くことができていない

セラピストの責任


なのです










認知運動療法の臨床は、

辛いときも嬉しいときも共有し合い、

患者さんとセラピストが寄り添って、

機能回復への道のりをゆっくりと歩んでいく


ような印象です












患者さんは、

一人ではその道のりを歩いていけないのです















だからこそ
















私たちセラピストは、

逃げてはいけない

のです



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コメント
この記事へのコメント
No title
 良かったですね。
 人生は別としても左片麻痺の患者さんは認知的な知覚は比較的良好なのですが現象学的な知覚に比較的困難を示すといわれています。なので、このケースは全力でという現象学的な記述(つまり全体性のある情報)から制御につながったとも考えられますね。
 右は逆の場合もあるので…ただ言えることは得意で残されているところから始めて苦手なところまで克服しないといけないんですよね。
 昨年末、Marinaの担当していた左片麻痺の患者さんで伸張反応や放散は制御され非常に運動単位の動員も良く認知的な知覚も良いのですが、どうしても現象学的な知覚が困難で同じ硬さ、同じ形状、同じ圧として感じるけど左では気持ちいとか、滑らかとかいう感じは全く思い浮かべたり比較したり、イメージする事が出来ない。という患者さんがいました。逆に僕が担当していた右片麻痺の患者さんは柔らかさとか自由さといった感じをイメージすることで異常要素の制御は出来ますが、これからタブレットに触れるのに肩と肘が開きますというイメージでは変化しない(最終的にはこのような認知的な知覚からの制御も可能にならなければならないのですが、彼には難しく外来通院している現在も問題として残っています。)
 ですのでこういう視点からも観察して見ると面白いですよ。もしもこの患者さんが右片麻痺だったら同じ症状を呈しているでしょうか?
 もちろん、脳の組織化の仕方は全ての人が違うんじゃないかと思うくらい個性があると思いますが、損傷部位によって特徴が出ます。なので生野先生の訓練と指示が非常に病理に対しても的を得たものになっていた可能性が高いと思います。
2009/11/02(月) 06:24 | URL | Koso #-[ 編集]
右と左の特徴
>Kosoさんv-22

イタリアからコメントをいただきまして、ありがとうございますv-233

左片麻痺と右片麻痺の患者さんにおけるプロフィールの特徴が違うことは臨床上、感じておりますv-353

認知的な知覚や現象学的な知覚の違いがあると言われているのですねv-21

私は、複数の情報を関係づけることが難しい原因が、
左片麻痺と右片麻痺の患者さんで異なっていると感じておりますv-48

右片麻痺の患者さんは、言語の問題があるために思考すると混乱を生じることが多くあるように思いますv-322
言語の問題によって、複数の情報を関係づけることが難しいといった特徴があるように思いますv-21

一方、左片麻痺の患者さんは、注意の問題が大きく、仮に麻痺側の情報を認知できたとしても、左右の情報を関係づけることや複数の情報へ同時に注意を向けることが難しいといった特徴があるように思いますv-21

左片麻痺だから、右片麻痺だからといって決めつけることは危険ですが、大まかな特徴を予測したうえで、評価・訓練を行うことは大切なことかもしれませんねv-22
2009/11/02(月) 12:07 | URL | 生野達也 #-[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009/11/02(月) 20:54 | | #[ 編集]
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