脳梗塞・脳出血や整形外科疾患の後遺症に対する新しいリハビリ方法である認知運動療法(認知神経リハビリテーション)の紹介。 麻痺や痛み・しびれの回復へ向けた日々の取り組みや基本的な考え方の紹介、相談コーナーもあります。

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10月19日の記事からの議論が続いています

内容は、臀部で接触課題を行うべきか

少し長くなりそうでしたので記事にさせていただきました

ポイントは、患者さんの問題がどこにあるのか

ということにあるように思います

イタリアの先生方からの情報も楽しみです


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10月19日の記事からの議論(詳しくはコチラ)が続いています

内容は、臀部で接触課題を行うべきか

についてです



現在、イタリアで研修中のKosoさんからコメントをいただきました



いただいたコメントは以下の通りです





Villa Miariでは圧(Pressione)と重さ(Peso)、荷重(Carico)は分けて議論されます。

僕の解釈も入っているかもしれませんが、 圧は純粋に圧、どれだけ圧がかかっているか?対象物を潰す力にもなれば、臀部が潰れる力にもなる。あるいは接触面の大きさによって配分される。

重さは身体には重量があり、動作しても体重がいきなり増減する事はありません。ですから支持部位にいくら圧がかかろうと体重が増えることはないでしょう。だからより配分の問題になるかと思います。


例えば、患者さんが見かけ上は傾いていて、臀部の圧に問題があるように見える。(僕が先日京都で見せた患者さんがそうでした。)

僕はMarinaに臀部圧の訓練をすべきじゃないかと聞きました。

そうしたところ、“それなら体重計をおしりの下に置きなさい。それで体重の配分に注意させながら訓練しなさい”とアドバイスされました。

実際、患者さんが放散を生じたときには体重の配分が均等ではありません。

僕はもう少し、肩と骨盤の空間的関係と荷重の関係を訓練すべきじゃないかと思っていたのですが、Marinaは“これは持続的注意の問題、見てなさい私が股関節の内外転の訓練をするから、左(健側)と同じように股関節の柔らかさを用意できる?(この患者さんは股関節にRAASと放散があります。)”そうこうして訓練が進むうちに股関節の制御を通して座位を修正していったわけです。


実際、この方法だけが唯一正しいわけではないと思います。(誤解のないように)Pante先生が来たときは骨盤と肩の関係性を保つように患者さんに言っていました。要は患者さんの現在の問題の中心をどこに置くかです。

おそらくMarinaは股関節の放散とRAASの制御を患者さんの得意な現象学的な感覚(全体性)に向け、持続的注意と選択的注意の問題に働き掛けたかったのではないかと思います。

一方、Pante先生は右片麻痺で基本的な身体の空間的関係に注意を向けさせようとしたのでは?ですから圧は知覚の問題です。荷重の制御は圧と各身体部位の関係によって決まるということは異論がないのでは…

では直接的に臀部の圧に注意を向け回答する事がよほど重度でない限り必要なのか?という疑問がわいてきます。

臀部によるスポンジ課題の(学習)内容は何でしょうか?

・圧知覚困難の克服
・臀部への圧情報への選択的注意?(でも臀部は広すぎるし骨盤の傾きによっても変わってしまう。)
他は?

まず内容を挙げてみると内容が乏しくなってしまう恐れが強いのではないかと思います。


ですから準備として各身体部位の空間的関係が対象で荷重が均等でなければならない状況で臀部の圧が均等かどうか聞いてみる?あるいは下肢の課題で股関節の制御が求められる課題を入れてみる。

“股関節を柔らかく出来ますか?”端座位で股関節(開排)をコントロールするには骨盤が自立して安定している必要性があります。

とりあえずMarinaには聞くので待っていて下さい。上手く質問できるか分からないけど…とりあえず何故、臀部のスポンジ課題をしなくなったのか?と聞いてみます。






お忙しい研修中にも関わらず、コメントをいただくことができまして、

とても、ありがたいことです



議論を進めていきたいと思います



>要は患者さんの現在の問題の中心をどこに置くかです。

>おそらくMarinaは股関節の放散とRAASの制御を患者さんの得意な現象学的な感覚(全体性)に向け、持続的注意と選択的注意の問題に働き掛けたかったのではないかと思います



Kosoさんの患者さんの場合は、

一見、臀部の知覚に問題があるように見えたが、

実際は臀部の知覚自体には大きな問題がなかったのですね



そして、問題の中心は、

身体的な位置関係や股関節の運動覚情報といった、

複数の情報に持続的に注意を向けること

に問題の中心があったということですね



確かに、その場合は、訓練前は外部観察上、左右非対称な状態で

「臀部の重量が左右均等」

と認識していた患者さんが、

身体的な位置関係や股関節の運動覚情報に注意を向けることによって、

結果として外部観察上、左右対象となり

「臀部の重量が左右均等」

と認識できるようになることは理解できます





そのような場合、

訓練前に外部観察上、左右非対称な状態で

「臀部の重量が左右均等」と認識していたことについての説明としては、

以下のようなものでかまいませんでしょうか





『身体的な位置関係や股関節の運動覚情報といった、

複数の情報に持続的に注意を向けることに問題があり、

股関節のRAAS(異常な伸張反射の亢進)や異常な放散反応が出現していた

そして、体幹や股関節の病理が出現した状態では、

臀部の荷重を正しく認識することができなくなり、

外部観察上、左右非対称な状態で

「臀部の重量が左右均等」と認識していた』





Kosoさんの患者さんのケースように、

特異的病理が出ている身体では、

本来、問題の中心ではない部位も

二次的に認識が変質してしまう


ことは臨床上、多くあるように感じます





一見、臀部の知覚に問題があるように見えても、

患者さんによっては他のことに問題があることもあるということですね



個々の患者さんにおける問題の中心を明らかにするためにも

プロフィール(詳しくはコチラ)を取らなければならないのですね





しかし、身体を受容表面と捉えると、

患者さんの中には、

臀部の知覚に問題がある方

もいるのではないでしょうか





Kosoさんの患者さんとは異なり、

股関節の運動覚に注意を向けても変化しないが、

臀部の触圧覚に注意を向けることで

股関節周囲のRAAS(異常な伸張反射の亢進)が制御される


といったこともあるように思います



>臀部によるスポンジ課題の(学習)内容は何でしょうか?
 …まず内容を挙げてみると内容が乏しくなってしまう恐れが強い





確かにそうかもしれません





しかし、身体を受容表面と捉えると、

いまひとつ納得ができないのです



踵で硬度の異なるスポンジを識別する課題は行う場面は良く見ますが、

なぜ臀部では行わないのでしょうか



身体を受容表面と捉え、

機能(詳しくはコチラ)を考えると、

踵と臀部において

「触圧覚情報を認識すること」

が重要になることは同じではないのでしょうか





私こそ質問ばかりで申し訳ありません





損傷部位に関しましては、詳細に把握していなかったので、

また、確認させていただきます

損傷部位から想定することもとても大切なことですね







こうした議論を行ううえで、

注意しなければならないこと

があるように思います





それは、

認知運動療法では、決まり切った方法があるわけではない

とういことです





認知運動療法では、

決まり切った方法があるわけではなく、

プロフィールを取ること

を通じて患者さんの認知過程の問題を把握し、

個々の患者さんに応じて訓練を展開していく


ことが求められるように思います





そのように考えますと、

「臀部の接触課題をするのか しないのか

といった議論は、

「患者さんの認知過程の問題によって異なる」

としか言いようがないのかもしれません





つまり、

患者さんの認知過程の何が問題か

を把握することが重要になると思います




日々の問題―仮説―検証作業(詳しくはコチラ)が何よりも大切なのかもしれません






一方で、Kosoさんがおっしゃるように、

セラピストは患者さんのより良い機能回復のために

「その課題が最善なのか

ということを常に考えなければならないのだと思います








私たちは立ち止まってはいけないのです







イタリアの先生方からの情報を楽しみにしております

Kosoさん

お忙しい中、恐縮ですがよろしくお願いいたします





今回の議論に関する皆様のご意見もお待ちしております





このブログが、認知運動療法を実践する皆様の

良い情報交換の場になればうれしく思います



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コメント
この記事へのコメント
No title
追加です。
まず圧情報についてですが複合情報であることに着目すべきだと思います。
 圧には接触(部位と広さと質)その後にその変化(どのように広がるか?奥行きも)そして接触部位(身体)の変化、少なくともがあります。ですから、圧情報が構築できない患者さんは他部位でもその困難を生じるはず…中枢性疾患であれば…
 出発点は外部観察上の座位姿勢の非対称等から始まると思いますが、臀部の圧の訓練に至るまでに、座位が
・真っ直ぐ座れますか?
・肩と骨盤(ASIS)の位置関係はどうなっていますか?
・体重は均等になっている?
・おしりの下の圧が同じようになるように座って下さい。
・落ち着いた感じ、安心感を感じられるような座り方がイメージできますか?そしてそれができますか?
様々な質問指示があると思いますが、それぞれ仮説が違います。どの指示で変化が見られ、どの指示で変化がないか?あるいはその指示から生じる違いをどのように解釈するか?
 そこから座位の問題を考えていかないといけないかもしれません。
 ですから接触情報に注意を向けることが難しいのであれば上肢や足底でも何らかの異常が見られるはず…圧情報の構築が難しい場合もしかりです。臀部の圧情報の知覚に問題があるのかもしれませんが知覚の下の注意の問題やイメージ(表象構築)、情報構築、荷重となれば身体の空間的関係、正中線との問題等、あるのではないでしょうか?
 ですから同じ訓練をするにしてもこの観点があって行うのとそれなしに行うのでは全く精度が異なってくるはず!
 ではまた書きますね!
2009/10/22(木) 01:23 | URL | Koso #-[ 編集]
複合情報
>Kosoさんv-22

イタリアからコメントをいただきまして、ありがとうございますv-354

>圧情報についてですが複合情報であることに着目すべきだと思います

そうですねv-352
臀部の圧覚は、様々な情報が統合されることによって、
生まれるものですねv-353

座位に必要な体性感覚の中で、その患者さんがどの情報を認知することができていないのかv-361

また、それぞれは認知できるけれども複数の情報を関係づけることに問題があるかもしれないv-190

といったことを一つ一つ仮説を立てて、検証していかなければならないのですねv-22

はじめから、
「座れないから臀部の圧覚の認知が問題だv-363
ときめつけるのではなく、
あらゆる可能性を考えながら、
患者さんの問題点を探っていくという姿勢がとても重要ですねv-190
2009/10/22(木) 06:20 | URL | 生野達也 #-[ 編集]
No title
臀部での圧識別の件、Marinaに質問しました。僕の聞き方もあるし、メモをとることができなかったので僕の解釈も入っているかもしれませんが、臀部でのスポンジ課題を過去にはやっていて今はやっていない理由は座位での訓練については
・座位での識別は荷重のコントロールと圧識別を同時に行わなければならず複雑すぎる。
・背臥位での場合も片側での識別なら分かるが両側については目的を明確にしないとどの要素に働きかけたいかがぼやけてしまう。
とのことでした。
 とりあえず今までやっていた訓練で今はやっていないものは沢山ある。ETCでは決まった訓練があるわけではなく患者さんの問題や新しく得られた知見に合わせて訓練が変更されていくとのことでした。だからこれは僕も感じていることですが、こんな訓練をしているんだ!っていう視点は簡単に持てると思うんです。ただ大事なことはどんな目的(学習内容)で訓練を行っているか?それは訓練のどの部分に反映されているか?(すべての面に反映されていなければいけないとは思いますが訓練が全て思った通りに行くはずなどないので…)を考えて下さい。
 皆さんがしている訓練とプロフィールは結びついていますか?
 例えば、右片麻痺の患者さんで(ごめんなさいVilla Miariでは右しか担当したことがないんです。)
・上肢に異常な伸張反応と放散がある(肘、手首、手指が強い)
・上記の異常要素は現象学的言語、運動部位、手指の接触情報に向けた選択的注意、(健側との比較で得られた)で一部制御が可能
・健側においても運動部位の選択でエラーを生じる。
でタブレットの訓練を行わなければいけません。ここまでの情報だけでは不十分かもしれませんが皆さんなら
1)どこにタブレットを置きますか、形状は?
2)健側から準備を行うとしてどのような質問とどのような指示を用意し健側に移しますか?
3)もしも患者さんが誤答した場合、どのように修正していきますか?(2種の形状を用いたら答え合わせをどうするのか?常に、あるいは間違った時だけ…)
少し考えてみて下さい。正解は沢山あって一つじゃないけど…でもセラピストがどこまで考えているかは容易にわかります。
2009/10/24(土) 05:58 | URL | Koso #-[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009/10/24(土) 20:31 | | #[ 編集]
目的を明確に
>Kosoさんv-22

早速、イタリアの先生に聞いていただきまして、ありがとうございますv-233

>背臥位での場合も片側での識別なら分かるが両側については目的を明確にしないとどの要素に働きかけたいかがぼやけてしまう

臀部の圧覚は、様々な情報が統合されることによって、 生まれるものと思いますv-48
様々な情報の一つに臀部の圧覚も含まれると考えますv-21
スポンジの左右比較を通じて、座位時に両側臀部で体重を均等に感じることができるという目的では、不明確なのでしょうかv-361

課題の進め方は、とても難しいですねv-393
患者さんの認知過程の問題によって、変わってくるので、
どのような認知過程の問題があるのかについて、
日々の訓練で確認していかなければならないのですねv-190
2009/10/28(水) 15:18 | URL | 生野達也 #-[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009/10/29(木) 02:46 | | #[ 編集]
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