脳梗塞・脳出血や整形外科疾患の後遺症に対する新しいリハビリ方法である認知運動療法(認知神経リハビリテーション)の紹介。 麻痺や痛み・しびれの回復へ向けた日々の取り組みや基本的な考え方の紹介、相談コーナーもあります。

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脳梗塞を発症され左片麻痺という障害を持たれた患者さんに対する訓練場面

午前中は私が上肢の訓練

午後は後輩が下肢の訓練

上肢と下肢に共通点

キーワードは…   「体」

訓練の後には後輩とのディスカッションが盛り上がりました


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今日の臨床中の一場面




脳梗塞を発症され左片麻痺という障害を持たれた患者さんに対する訓練場面





今日は、

午前中に、脳梗塞によって左片麻痺という障害を持たれた患者さんと

私が上肢に対する訓練を行い、

午後には、後輩が同じ患者さんと下肢に対する訓練を行いました






私にとっては、同僚の患者さんの代診としての訓練であり、

その患者さんと初めての訓練





午前中の上肢の訓練となりました





同僚からは、

「個々の体性感覚の認知はできるが、

   複数の体性感覚情報を結びつけることが難しい」


と申し送られていました






端座位を観察すると、

麻痺側の肩甲帯が軽度外転し、肩甲骨の下角が浮き上がっています

他動的に肩関節を屈曲させると肩関節周囲の筋緊張の亢進を認め、

「重たいです」と経験します






まずは、静的な座位姿勢を獲得しなければならないと考えました





麻痺側臀部は、

「薄くて頼りない」

と経験しています





他動的に麻痺側臀部に荷重すると、

バランスを取ることが難しいです





「複数の体性感覚情報を結びつけることが難しい」

という情報から、

個々の体性感覚情報の認知は可能であると考え、

静的な座位では、

必要な体性感覚情報に注意を向けていけば、

姿勢が制御されていくものかと考えていました









セラピストの言語によって、

座位姿勢に必要な体性感覚情報に注意を向けていきます






麻痺側臀部の圧覚

臀部の「お肉」の軟らかさ

左右の臀部の圧変化

上部体幹と下部隊間の位置関係

などなど















しかし















肩甲帯や臀部の異常は改善しませんでした



注意を向けるだけで改善しないということは、

まだまだ、問題が残っているのだと思いました















困りました


















どのように進めていくか考えます














一つの仮設(詳しくはコチラ)を立てました



もし、

体を支える臀部がしっかりしていなければ、

上肢を支える肩甲帯も不安定となってしまい、

肩甲帯周囲に筋緊張の異常が出現してしまう


かもしれません














そこで











仰臥位で臀部の圧覚情報を認知する課題を行いました





その前に





仰臥位で他動的に骨盤を左右に回旋したところ、

筋緊張が非対称です



麻痺側への回旋時に殿筋群の運動単位の動員が少なく、



患者さん「悪い方のお尻は薄くて頼りないね



と経験しています



仰臥位でも臀部に左右差があるとは、

麻痺側臀部の圧覚情報がますます怪しくなってきました







二つの同じ硬さのスポンジを左右の臀部に入れて、

左右の違いを伺います












すると











患者さん「右(健側)のほうが硬いですね





左右同じ硬さのスポンジを右が硬いと感じるということから、

麻痺側の臀部の圧覚情報の認知に問題があると考えました





(今回は、訓練の中身は省略させていただきます)





訓練を通じて、左右同じ硬さのスポンジを

「右も左も同じ硬さ」

と感じることができるようになりました














すると













仰臥位と端座位での麻痺側臀部が

患者さん「薄くて頼りない」

から

患者さん「今は、肉があってどっしりしている」

と変化しています





他動的に麻痺側臀部に荷重すると、

訓練前よりもバランスを取ることができています









座位姿勢の変化が見られました















そして、肩甲帯を観察します











体を支える臀部がしっかりしていなければ、

上肢を支える肩甲帯も不安定となってしまい、

肩甲帯周囲に筋緊張の異常が出現してしまう



という仮説が正しければ、

臀部の課題によって、座位が安定することで、

肩甲帯周囲の筋緊張に変化があるかもしれません













いよいよ観察です













すると














訓練前に見られていた

麻痺側肩甲帯の外転と、肩甲骨下角の浮き上がりが

なくなっています



驚くことに、ほぼ左右対称です







その姿勢を保ちながら、

他動的に肩関節屈曲させると…












肩関節周囲の筋緊張も制御されています



患者さん「さっきよりもだいぶ軽いですね」

と経験も変化しています






臀部の訓練を行うことで、

上肢の改善につながりました










体幹と上肢が繋がりあって機能している

ということを改めて感じました















昼休み









午前中の訓練の様子を興奮気味に後輩へ伝えました





後輩も熱心に聞いてくれました



後輩は、午後から下肢の訓練を行う予定だったことから、



後輩「下肢も体幹との繋がりに注意して訓練をしてみます



と意気込んでいました

















時間は過ぎ、夕方に















一通りの訓練を終えて、

リハビリ室へ帰ってくると












後輩がウキウキしたような顔をしながら寄ってきます







どうやら良いことがあったようです














何かと聞いてみると…














体幹の正中位保持をさせながら、

下肢の空間課題を行った結果、

歩行が大きく改善した




というものでした






これまで、

端座位で下肢の空間課題を行う時には、

背もたれを使って行っていたようです





背もたれがあると下肢の空間課題を正答することが可能だったようです





歩行を考えると、

体幹を正中位に保持しながら下肢を動かす

ことが求められることから、

訓練においても、

体幹を正中位に制御しながら下肢の課題を行う

ことが必要になります









そこで












背もたれをなくして下肢の空間課題を行ってみると…













急に課題に正答することができなくなったそうです


思わず患者さんも苦笑いをされたそうです



同時に特異的病理も出現します













後輩もここが問題と考え、

がんばったようです














そして














訓練を通じて、

背もたれをなくして下肢の空間課題を正答すること

ができるようになったそうです














最後に歩行を観察すると…













訓練前よりも

軟らかく麻痺側下肢を振り出すことができる

ようになっていたそうです













今回のキーワードは体幹との繋がりにありました




上肢を使う時には、

体幹を支えなければいけません



下肢を使う時には、

体幹を支えなければいけません



上下肢と体幹のどちらかに問題が生じても、

上肢・下肢の働きは障害されてしまいます





上肢が悪いから上肢の訓練



下肢が悪いから下肢の訓練



といった単純なものではなく、

身体全体をシステムとして捉え、

幅広い視点で評価・訓練を行うことが重要なのだと

改めて感じました









今日は患者さんが少しでも改善したことに加えて、

後輩と症例を通じた熱いディスカッションができたことが嬉しかったです



患者さんのために

同じ方向を向いて進んでいくことができる

素晴らしい仲間たちがいることに感謝です



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コメント
この記事へのコメント
システム
 さきほど返信を書いてる時に更新されたみたいですが、まるでこの前の記事の私の疑問に対する回答みたいですね(笑)
 そうです、確かに目を閉じて集中すると左体幹(特に腰部)の異常が、肩甲体周囲の異常筋緊張につながっている感じがしました。
 実は私は膝や足首も時々痛くなるのですが、決まって左側なのです。左体幹の異常が全身に影響を及ぼしている感じです。
 
 目を閉じて集中したことで、身体は部品の集合ではなく、身体全体で一つのシステムを構成しているのだなと改めて実感しました。
2009/10/18(日) 01:16 | URL | getemono #mQop/nM.[ 編集]
No title
良かったですね。様々な観点から見ていく必要性があります。情報を統合できないのと同時に左麻痺であれば分散的注意の問題も考えられます。Villa Miariでは1人のセラピストが上下肢共に見ていくので座位でも上肢でも体幹が制御できているかは原則的なものです。ただ圧課題としてスポンジを臀部の下において識別するような課題は見受けられない。おそらく1つには異常要素が十分にできていない患者さんに大きな姿勢変化を求める課題より他の方法でという考え方からなのかもしれない。臀部への課題の場合、身体の空間的関係と荷重量の配分を中心に訓練が展開されることが多いです。荷重自体が非常に複合された情報なので…
ですから患者さんが臀部への圧情報を向けることから座位に対する現象的な感覚の変化(左麻痺だとそう簡単ではないかもしれませんが)に結び付けていって、それが上肢や下肢の訓練で保てるか?座位を保つのではなく、例えば、どっしりとして安定した感じと結びついた上肢の軽さやスムーズさなどにつながっていくかというところも重要かもしれません。
2009/10/18(日) 06:57 | URL | Koso #-[ 編集]
システムとして見る
>getemonoさんv-22

臨床をしていると、身体はつながっていると感じることが多くありますv-352

上肢に問題がある場合、その影響が体幹にも出てきてしまうことがありますし、その逆もありますv-21
システム全体として病理が出ているので、臨床においては、そもそも問題となっている部位を特定すると共に、システム全体として治療する視点が必要だと感じておりますv-354
2009/10/19(月) 07:27 | URL | 生野達也 #-[ 編集]
臀部の課題の必要性
>Kosoさんv-22

イタリアからコメントをいただきまして、ありがとうございますv-233

>ただ圧課題としてスポンジを臀部の下において識別するような課題は見受けられない

私自身は、座位の機能を考えると、臀部の触圧覚はとても重要であり、課題としても必要だと感じておりますv-21

>患者さんが臀部への圧情報を向けることから座位に対する現象的な感覚の変化に結び付けていって、それが上肢や下肢の訓練で保てるか?

上肢や下肢の課題において、体幹への注意をしながら行うことも重要であると感じておりますが、患者さんの中には個別に「体幹を制御する」ことに問題を抱えてらっしゃる方も多く、セラピストの援助だけでは上肢・下肢と体幹を制御することができないこともあると感じておりますv-393

そのような場合は、今回のようにレベルを落とした仰臥位で臀部の課題などを行うことが必要と感じておりますv-21

イタリアでは、体幹の問題がある患者さんにおいても臀部の課題は行わないのでしょうかv-236

していないようでしたら、どのような課題を行っているのか教えいて抱ければ幸いですv-22
2009/10/19(月) 07:58 | URL | 生野達也 #-[ 編集]
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