脳梗塞・脳出血や整形外科疾患の後遺症に対する新しいリハビリ方法である認知運動療法(認知神経リハビリテーション)の紹介。 麻痺や痛み・しびれの回復へ向けた日々の取り組みや基本的な考え方の紹介、相談コーナーもあります。

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珍しく尺骨骨折の患者さん

なかなか良くならず苦労します

患者さんが良くならない時は、焦りますっ

『良くならない』のは、だれの責任か


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尺骨骨折の患者さんです

当院では、肩関節以遠に疾患のある整形外科の患者さんは、

作業療法士が担当することが多いです

今回は、珍しく理学療法士である私が担当することになりました



初期評価では、

患側の前腕には関節可動域制限は少なく、

肘関節に関節可動域制限がありました

屈曲は80度、伸展は-15度

最終域には、

コツン

とあたるような感覚











曲がるのだろうか





初日から焦ります




前方や口元へのリーチング動作を観察すると、

肩甲帯が一緒についてくる(外転・内転など)といった、

放散反応が出現します



機能系(詳しくはコチラ)の観点から、

肘関節の距離を生み出す機能

に変質が生じていると考えました





いざ、訓練です





前腕周囲に硬度の異なるスポンジを認知する訓練

を行った後に、

肘関節の運動覚を認知する課題を行いました





課題には正答することが可能






しかし






肘関節周囲の筋緊張が、あまり制御されませんっ

肘関関節の屈曲角度を健側より大きく認識しています



第一回目は、前腕の制御のみを行い終了






なぜ、課題に正答できるのにもかかわらず、

筋緊張が制御されないのか





頭を抱えました










そして、今日





改めて姿勢と動作を観察します





すると





静的な座位においても、肩甲帯が軽度外転位になっています



前方へのリーチング動作をしてもらうと、

肩甲帯の外転が出現します



肩関節や肘関節の運動覚を用いて、肩と手指の距離を認識するのではなく、

肩関節や肘関節の運動覚に加えて、肩甲帯の外転を用いて、

肩と手指の距離を認識する


ことが誤学習されてしまっている可能性があります





しかし





前回は、肘関節の運動覚を認知する課題を行っても、

あまり変化は認められませんでした



改めて、他動的に肘関節を屈曲・伸展すると、

早期より肩甲帯の動き(放散反応)が伴います

また、動かされている患側の腕について、

「腕が重たい」

とおっしゃいます





そこで





肘関節の課題は難易度が高いと考え、

肩甲帯を改めて評価しました





すると





他動的に肩甲帯を動かすと、

筋緊張が高く、

特に大胸筋が高いです





健側では、肩甲帯だけ軟らかく動きますが、

患側では、肩甲帯と体が一体化しているように、

肩甲帯の動きに体がついてきます





そこで





手を体幹から自由にする


という肩甲帯の機能(詳しくはコチラ)が変質していると考えました





訓練としては、大胸筋や肩甲帯に対して、

硬度の異なるスポンジを認知する訓練を行いました



まず、大胸筋の筋腹に行い、

その後に、肩甲帯を内転方向へ動かすように行いました



初めは、

患者さん「良い方より肉が硬くてつぶれない」

     「肩が動いている感じがしない」


とおっしゃっていました



硬度の違いがあるときに、

『お肉がつぶれる程度』に注意を向けていることによって、

大胸筋の筋緊張が制御されてきました





すると





患者さん「だいぶお肉がつぶれるのがわかる」

     「肩が動いている感じがわかる」

     「さっきより、腕が軽い」


と変化してきました


静的な座位においても、

肩甲帯の位置は左右対称になっています





手を体幹から自由にすることができました





いよいよ







肘の運動覚を認知する課題へと進みます





体幹や肩甲帯を左右対称に保つように注意していただきます

腕全体の軟らかさを意識しながら、

肩と手指の距離感を知覚仮説(詳しくはコチラ)にしながら、

課題を勧めます





すると





左右の距離感を等しく認知することができています





左右比較をしながら慎重に進めます








新しい角度を行う時には、

必ず健側で行い、「どれくらい曲がるのか」

予測させてから患側で行います





肩甲帯の放散反応にも注意して





慎重に…










訓練後












肘関節の屈曲がスムースに

95度

まで可能となりました

伸展は-10度です



患者さん「今日は、えらい楽に曲がるようになったね

と喜んでおられました





ご自宅では、

体幹と肩甲帯の左右対称に注意しながら、

腕が軽くて軟らかい範囲で患側の腕を使ってもらう


ように指導させていただきました







教師役であるセラピストの役として、

「生徒役である患者さんが適切に学習することができるように導くこと」

が挙げられると思います



知覚仮説の立てかた

課題の難易度の設定

課題の順番


などなど



少し誤ると患者さんは良くなりません



良くならないときは、

「患者さんの状態が良くないから」

「患者さんが高齢だから」


と、ついつい患者さんの責任にしてしまいがちです

少しイライラしてしまうともあるかもしれません







しかし







『良くならない=学習できない』

というのは、患者さんを適切に学習させることができない

教師役であるセラピストの責任

だと考えます



今日の臨床でも、その大切さを痛感しました



今日の反省を活かして、明日の臨床もがんばります



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



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コメント
この記事へのコメント
認知神経リハビリが受けられる病院‥
いつもワンテンポ遅れて前記事のコメントになってしまってごめんなさい(^^;)

珍しく?!整形関連の患者さんのお話だったので
興味深く読ませていただきました。

「肘関節の動きを健側よりも大きく認識」というところ、
私もまさにその通りでした。

私の病気は足関節から発症しましたが、
足関節も、膝関節も、
目を閉じてPTさんに動かしてもらうと
実際よりもかなり大きく動かされたように感じていました‥

勉強会に参加させていただいた時、
PTさんに「手首は足首、肘は膝、股関節は肩関節と同様に考えて」と
教えていただいたのですが
そうやって、記事を読みかえると、
まさに私もその通りの症状でした。

びっくりです。
私も足首を動かそうとすると股関節まで動いていました。
そして、股関節に注意を向けることで
足関節まで楽になっていったので‥

同病(CRPS1型=RSD))の患者さんが
「関節可動域訓練」という
関節を延ばす運動を重ねても
症状が改善しない‥という話をよく聞くので
あらためて、認知神経リハビリテーションの可能性を感じました♪

ところで、最近よく思うのですが
医師の世界では「専門医」がネットで検索出来て
専門医のいる医療機関が分かることが多いですよね。

同様に、理学療法の分野でも、
認知神経リハビリテーションの専門家‥
マスターコースを修了した先生‥
積極的に取り組んでいる病院‥

が、広く公開されるといいなと思います。
私のブログ、メッセにも時々質問が来るのですが、
答えることが出来なくて、心苦しいです‥

もしどこか紹介されているサイトがあれば教えていただけますか?
もしなければ、
(個人情報など、難しいかと思いますが‥)
ぜひとも、認知神経リハビリテーションに興味を持った患者さんが
自宅から通える病院を探すことができるような
そんなサイトが出来るといいなと思います(^^)/
2009/08/13(木) 22:14 | URL | ちひろ #USanPCEI[ 編集]
No title
>ちひろさんv-22

貴重な訓練の経験を聞かせていただきまして、ありがとうございますv-353

目をつぶられて感じる動きと、目を開けた時の手足の位置が異なっていると皆さん驚かれますねv-356

>私も足首を動かそうとすると股関節まで動いていました

ちひろさんの症状が足関節だけではなく、股関節にまで及んでいたことを推察しますv-393

今は、だいぶ良くなられているそうで、本当によかったですv-354


確かに、病院によってどのようなリハビリを行っているのかを知ることができるシステムが必要だと思いますv-21

これからの時代は、患者さんが病院やセラピストを選ぶ時代になると思いますv-352

>認知神経リハビリテーションに興味を持った患者さんが
  自宅から通える病院を探すことができるような
 そんなサイトが出来るといいなと思います

私も同じことを考えておりましたv-280

ホームページ上で「当院は認知運動療法をしています」と記載している病院ならば、公開しても大丈夫そうですねv-21

ブログの中に、そのようなコーナーがあっても良いかもしれませんねv-48

今後、各病院のリハビリを紹介するようなサイトができれば良いですねv-216

個人情報のこともありますので、公開することはできませんが、非公開でメッセージをいただければ、私の知っている範囲で認知運動療法を実践しいているセラピストがいる病院をお伝えすることは可能ですv-22

何かのお役にたてれば幸いですv-352
2009/08/13(木) 23:14 | URL | 白いなまけもの #-[ 編集]
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