脳梗塞・脳出血や整形外科疾患の後遺症に対する新しいリハビリ方法である認知運動療法(認知神経リハビリテーション)の紹介。 麻痺や痛み・しびれの回復へ向けた日々の取り組みや基本的な考え方の紹介、相談コーナーもあります。

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以前から何度か記事にさせていただいている患者さんの話しです

右片麻痺としびれを呈されており、発症から10ヶ月経過しています

今回、初めて麻痺側への起き上がりが可能になりました

そこには、ご家族の協力がありました


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以前から何度か記事にさせていただいている患者さんの話しです

(詳しくはコチラ①コチラ②コチラ③

脳内出血により右片麻痺と強いしびれを呈された患者さんです



発症後6ヶ月を経過してから当院で、

認知運動療法(認知神経リハビリテーション)を開始しました



訓練当初は、麻痺側に触覚刺激が入ると注意を向けても強いしびれが生じていました

特に強い刺激抹消部だと、しびれが強い傾向がありました



経過の中では、弱い刺激である軟らかいスポンジの硬度を識別する課題を行っていました



患者さんの注意の能力が高く、

健側でしっかりと注意を向ける情報(圧覚)に

注意を向けた後であれば、

なんとか患側でも圧覚を認識することが可能
になり、

しびれが軽減することが可能でした




しかし




訓練場面ではある程度、しびれは軽減しますが、

日常生活では、なかなか汎化しませんでした





どのように日常生活に結びつけるのか





悩みます





毎回、訓練前に前回の内容を聞くと共に、

日常生活で訓練で学習したことを注意しているかを伺いました





すると





患者さん家では、あまり気をつけていませんね





残念な発言ですが、

それをいかに学習させるかがセラピストの役割になります





もう一度、

日常生活のどのような場面でしびれが生じるのかを伺いました





すると





寝ているだけで、右半身はしびれているそう

また、患側(右側)へ寝返りや起き上がりをしようとすると、

右半身に強いしびれと痛みが生じるそうです





まずは、回復させる機能(詳しくはコチラ)を、

寝返りや起き上がりに設定しました





側臥位や仰臥位で麻痺側体幹・殿部などに対して、

硬度の異なるスポンジを識別する課題を行います



健側でしっかりと圧覚に注意を向けた後であれば、

患側でも圧覚を認知することが可能になり、

しびれが軽減します






そして、動作へつなげます





仰臥位からセラピストが他動的に軽く右半身へ荷重をかけます

その時に、先ほど注意した

「圧力が増えていく感じ」

に注意を向けるように指示します





すると





患者さん「あぁ やっぱりしびれますね

患者さん自ら右半身へ体重をかけるように力を入れています



めげずに援助を続けます





自動運動はまだ難易度が高いと判断し、

他動運動で行い、患者さんには圧覚に注意をしっかり向けるように指示します



セラピスト「私が少しずつ動かしますので、

         右半身に少しずつ圧力が増える感じを探してください



強い刺激ではしびれが強いという特徴があるので、

慎重に少しずつ右半身に体重をかけていきます





すると





患者さん今は、圧力を感じました



やはり、注意を向けると圧覚の認知が可能でした



セラピスト「今は、しびれはありますか



患者さん「今はしびれは少ないですね

    「体に圧力がかかるのがわかったら、右手のしびれも少なくなります



体幹の圧覚の認知が可能になると、体幹と右上肢のしびれが軽減し、

患側への寝返りが向上しました





さて





ここからが問題です



いかに生活に結びつけるのか



患者さん一人では、注意を向けることはなかなか難しいようです







そこで







奥さんに協力をしていただきました





患者さんに圧覚に注意してもらいながら、

奥さんの介助によって、

仰臥位から右半身へゆっくりと体重をかけるように指導させていただきました



ご自宅で夫婦で行う訓練のようなものです



家族の協力があれば、

日常生活でも注意していただけるのではないか

期待が膨らみます






翌週







ドキドキしながら聞いてみます

セラピスト「先週お伝えしたのはご自宅ではいかがでしたか





すると





患者さん・奥さん「家でもやってみましたけど、やはりしびれてしまいます














少しガックリきますが、なんとか粘ります




セラピスト「それでは、ご自宅でどのようにされていたのか見せていただけますか






すると

新しい発見が





かなり、大きな力で麻痺側へ体重をかけています

奥さん「これくらいしないと、感じないみたいで…





どうやら、体重をかける刺激が強すぎたために、

患者さんも圧覚を認知することができなかったようです

患者さんが感じていたのは、圧覚ではなくしびれだったようです





そこで





再度、弱い刺激でゆっくりと体重をかけるように指導しました





セラピストが奥さんの手を支えながら、どの程度の力かわかるように…



セラピスト「これくらいゆっくりで大丈夫だと思いますよ






すると






患者さん「あぁ これなら今は圧力がかかっているのがわかりますね

     「今はしびれはありません



奥さん「こんなに弱くていいんですね



自宅でも奥さんと一緒に練習していただくよう指導しました





翌週





前回の内容がご自宅でどうだったかドキドキです



セラピスト「あれからご自宅ではいかがですか





すると





患者さん「あれから、だいぶ体は感じやすくなったよ

    「体のしびれはだいぶ減ってきたように思うわ



嬉しい瞬間です

奥さんの協力もあり、日常生活でも注意を向けることができました





それからは、奥さんの協力を得ながら、課題を進めていきました



体幹から殿部へ

そして、大腿へ



徐々に圧覚を認知できる範囲が広がってきました

しびれも徐々に少なくなってきています





そして、前回





患側へ寝返るときの右体幹・殿部の圧覚を認知することが可能になると共に、

患側へ起き上がるときの殿部・大腿外側の圧覚も認知することが可能になりました





セラピスト「右向きになってから、

      お尻と太ももに体重をかけながら起き上がりましょう





すると





麻痺側(右側)へ起き上がることができました



発症から約10ヶ月

はじめての体験だったそうです



患者さんも奥さんもとても喜んでいました

私も本当に嬉しかったです





起き上がりの方法や注意の向け方も奥さんに指導させていただきました




今回も自宅で練習していただいたようで、

患側への起き上がりは自宅でも可能になっているそうです





認知運動療法を通じて、

起き上がるときのコツ

を学習し、

ご家族の協力によって自宅でも復習できた結果、

日常生活に汎化したものと考えます





患者さんの機能回復のために、

ご家族と共に一緒に歩んでいることを実感しました



認知運動療法から

認知神経リハビリテーションへ




機能回復への道は続きます



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



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     臨床展開するための考え方についてはコチラ

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コメント
この記事へのコメント
素晴らしいですね!
先生のblog、今日もわくわくしながら読ませていただきました。臨床から御家庭へどのようにして行為を汎化させるかのModel caseを学ばせていただき感謝です♪短い臨床場面だけでは困難なことでも家族の協力があれば可能性はぐっと広がりますね。これはペルフェッティ教授の仰られている医療スタッフや家族に対する教育も必要という言葉に繋がっているのであろうと感じられました。私も頑張ります!
2009/07/14(火) 22:27 | URL | kimura #-[ 編集]
相変わらず頑張ってますね!!
先生のブログ いつも楽しみに…かつ勉強になるので見ています。 やっぱり先生は【スゴい】の一言です。考えて考え抜いて あらゆる確度から患者さんに適したアプローチのかけ方、相変わらず素晴らしく思っています。所で【拍手】の所にもコメントしましたが【認知運動療法】とは脳外科疾患の片麻痺等でのみ行われる療法なのですか!? 児童の【知的・発達障害】には敵さない療法でしょうか!?教えて下さい。
2009/07/15(水) 22:05 | URL | てるすけ #-[ 編集]
家族の協力
>kimuraさんv-22

以前より、医療スタッフや家族に対する教育の必要性は感じておりましたが、
今回のように、目に見える変化として実感できたのは珍しい経験でしたので、私も驚いておりますv-352

運動機能回復を「学習」と捉えることで、ご家族の協力も強いツールとなることを実感しましたv-278

ペルフェッティ教授をはじめ、イタリアのセラピストからの言葉は、奥が深いですねv-22
2009/07/16(木) 05:57 | URL | 白いなまけもの #-[ 編集]
小児に対する認知運動療法
>てるすけさんv-22

ご質問をいただきまして、ありがとうございますv-352

認知運動療法は、脳外科疾患に限らず、整形外科疾患や児童の発達障害に対しても行われておりますv-21

小児に関しては、「子どもの発達と認知運動療法」という書籍も発売されておりますv-87

残念ながら私は小児の患者さんを担当させていただいた経験が無く、アスペルガー症候群の方に対して認知運動療法を実践したことがありませんv-393

認知運動療法では、回復を「学習」と捉えておりますv-87
どの程度、効果があるかはわかりかねますが、アスペルガー症候群の症状の一つであるコミュニケーションの問題を「学習」によって、改善させる可能性はあるのではないかと思いますv-22

ブログを読んでいただいている方の中で、小児の患者さんについてご存知の方がいらっしゃいましたら、ご助言いただければ幸いですv-352
2009/07/16(木) 06:28 | URL | 白いなまけもの #-[ 編集]
小児の認知運動療法
小児の認知運動療法について。
私は小児領域にて臨床を行っておりますので私見ですが意見を述べさせていただきたいと思います。
ポイントはいくつか在ると思いますが、言語と身体内観が主要となります。
年齢や発達状況にもよりますが意思疎通としてのコミュニケーションが可能な児であれば言語を介して介入することが十分可能です。5歳児程度であれば内的経験について叙述することが出来ますので、これを利用しBody schemaの構築に働きかけます。注意したいのは、成人の中途障害と違い正常と呼ばれる状態を経験していないということです。これまで経験し得なかった行為を創造するための関わり。如何にその人なりの型を形成することが出来るかを問う必要があります。
言語を用いることが困難なCaseの場合はもう少し複雑です。Clientの動き、つまり行為からその身体内観を読み取らなければいけないからです。行為として表出されるものは身体内観から生じる反応であり、介入により身体内観が変化しているのであれば行為に影響するという環がここに成立しています。
上記については発達心理学や教育学的視点と深く関わっており、専門的な知識も相当量必要になると思われます。画一化された介入や見方ではとても捉えることが出来ないため、具体的なCaseの提示がないと助言しにくい部分もあり回答が不十分となってしまい申し訳ありません。
追加補足:アスペルガー症候群について触れられていたので一言。アスペルガー症候群の一般知能は平均よりも高いといわれる一方で、社会的相互性の障害が問題として挙げられます。ここで確認したいのは、そのClientの何に介入したいのかです。運動機能の向上をコミュニケーション障害が阻害しているのか。それとも社会的相互性の拡大を促したいのか。コミュニケーション能力への介入という観点で見ると、心の理論や共感性といった認知神経心理学的研究の知見が重要となるため、認知運動療法にて治療できますとは言い難いです。しかし小児の認知運動療法では上記のような学術領域も知見に取り込みながら体系化を試みていますので、今後の研究の中で何かしら提示できることがあると確信しています。
長文になりましたが参考になると幸いです。
2009/07/17(金) 23:12 | URL | kimura #-[ 編集]
有り難うございました[s:20521]
先生とコメント下さった先生、有り難う御座いました。心より御礼申し上げます。 早速、書籍を読み 子供と向き合って 廻りの方々の意見を聴きながら進めていきたいと思います。 このブログを立ち上げた先生へ…「てるすけ」は、少し遠回りしますが『医療・福祉カウンセラー』の資格をまず取得し(経済的事情もありまして…)それから『P・T』の国家資格を資格する事を決めました。53歳の方がセラピストを現役で為さってるんですからやっていけそうな気がします 此から益々「メンタル面」でのフォローも必要になってくると想います。子供の事と共に『真心をこめられるP・Tを目指して行きます【資格】が取れたら真っ先に報告しに行きますから 辞めないで下さいね先生は私の師匠なんですからね
2009/07/18(土) 21:27 | URL | てるすけ #-[ 編集]
白いなまけもの先生へ~追伸~
~追伸~
先日、あるセラピストの先生に『人生はリハビリテーションだ<著者:福辺節子さん>』を 良かったら落書きがイッパイ書いてますが読んで見てくださいと… その方(福辺先生)は現在53歳で、障害を持ちながら 今も『もう一歩踏み出すための介護』セミナーを、全国各地で精力的に活動なされてます。先生のセミナーには色々な方々が参加していらっしゃいます。
ヘルパーさんは基より N's/P・T/O・T/S・Tその他 実際に介護をされている御家族の方々…そしてこれから資格を取ろうと頑張ってらっしゃる方…皆さんが先生のセミナーを楽しく受けていらっしゃいます 「白いなまけもの」先生が『院内のスタッフ始め、介護されるヘルパーさん…そして何より御家族の協力がないと患者さんは回復が望めないと…福辺先生も著書にそう書いてありました 我が息子にも回答を下さった先生の事を参考にさせて頂いています
福辺先生は いつもセミナーで『邪魔をしない・怖がらせない・常に声をかけ対等でいる事』を心掛けているそうです。力を入れなくてもベッドから起こし そして立たせて車椅子へ…素人からプロの方もいっしょに練習…私は、一度しか拝見してませんが【感動】の一言でした このブログをご覧になる方も 白いなまけもの先生も 一度読んでみる価値があると想います(専門用語が多すぎてな所も有りましたが…)私は良い先生方に出逢えた事を感謝しつつ今の現状に立ち向かっていきます
2009/07/20(月) 00:53 | URL | てるすけ #V5TnqLKM[ 編集]
ありがとうございます
>kimuraさんv-22

コメントをいただきましてありがとうございますv-21

小児領域で臨床をされている方から貴重なアドバイスをいただくことができまして、
本当に感謝しておりますv-354

ブログが多くの方々の情報交換の場になることによって、
困ったことや臨床における問題を解決できれば、
とても素敵なことだと考えておりますv-352

今後ともよろしくお願いいたしますv-22
2009/07/22(水) 01:04 | URL | 白いなまけもの #-[ 編集]
目指すべきもの
>てるすけさんv-22

これからPTの免許取得を目指されているのですねv-21
目指すべきものに向かって、日々、進まれていることは素晴らしいことですねv-19
陰ながら応援しておりますv-280

私は「師匠」と言っていただけるようなものではございませんが、
今後、てるすけさんがPTになられて、一緒にディスカッションができる日を心待ちにしておりますv-352

今後ともよろしくお願いいたしますv-354
2009/07/22(水) 01:09 | URL | 白いなまけもの #-[ 編集]
貴重な情報をありがとうございます
>てるすけさんv-22

貴重な本を紹介していただきまして、ありがとうございますv-87

はじめて伺った書籍ですが、とても大切なことが書かれているのだと感じましたv-352

「もう一歩踏み出すための」という言葉に深い意味を感じますv-354

早速、調べてみようと思いますv-280

ありがとうござましたv-353
2009/07/22(水) 01:15 | URL | 白いなまけもの #-[ 編集]
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