脳梗塞・脳出血や整形外科疾患の後遺症に対する新しいリハビリ方法である認知運動療法(認知神経リハビリテーション)の紹介。 麻痺や痛み・しびれの回復へ向けた日々の取り組みや基本的な考え方の紹介、相談コーナーもあります。

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先日(10月15日)、日記に書かせていただいた

脳梗塞に伴う左片麻痺の患者さんです

前回は、訓練の設定を変更しセラピストが多くの援助を行うことで、

なんとか硬さの異なるスポンジの2番と4番の差異を認識することが可能になりました

しかし、まだまだ不十分です…

セラピストの援助がなくても患者さんが自分で「感じる」ことができるようになるために、訓練を進めていきました


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認知運動療法では、

患者さんが行為において、どのような情報に注意を向けることが必要か

ということを学習してもらいます

その時に、

セラピストの援助がなくても患者さん自らが思考できるようになること

を長期的な目標としています

つまり、行為に応じた注意の使い方を「独り立ち できるということです

患者さん自らが思考しながら行為を行うことで、訓練以外の生活においても適切な運動が可能になるためです




今回の脳梗塞の患者さんにおいて、

前回(10月15日)は、股関節の運動覚はほとんど関与しておらず、

踵部の圧覚情報のみに注意を向けるような設定でした

また、踵部とスポンジが接触する瞬間にセラピストの言語による援助が必要でした


立ち上がりや歩行といった機能を考えると、

これから踵部の圧覚と下肢の運動覚といった複数の情報を関係づけていく必要があると考えます

また、患者さんが自ら思考できるように、徐々にセラピストの援助を減らしていくことが求められます



前回、踵部の圧覚の認識がなんとか可能になりました



そこで、今回



硬さの異なるスポンジの2番と4番の差異はそのままに、

図1から図2のように股関節の伸展運動を伴って踵部で硬度の識別を行う課題を設定しました

〔図1〕
踵スポンジ課題②

〔図2〕
踵スポンジ課題①



股関節の運動覚(伸展)と踵部の圧覚といった二つの情報を関係付ける(構築する)ための訓練になります

二つの情報に注意を向けなければならないので難易度が高くなります

歩行時の踵接地や立ち上がり動作の改善に繋がることを目的としています



図1から図2のように股関節屈曲位から伸展を伴いながら踵をスポンジに接触させます

前回の訓練におけるプロフィールを参考に

踵部とスポンジが接触する瞬間にセラピストの言語による援助

を行いました


セラピスト「今、着きますね ハイッ


前回、踵部の圧覚の認識が可能になったのでスポンジの2番と4番の差異を認識することができることを願います…



しかしっっ



患者さん「同じです


やっぱり難しいです

差異を認識することが出来ません



この設定では難易度が高すぎるために、認知過程が活性化出来ていない可能性が考えられます



「認知過程を活性化するために、セラピストはどのように援助すれば良いのか」



頭を悩ませます



そこで、患者さんのプロフィールを思い出します(10月15日の日記参照)

注意については以下の特徴がありました


体性感覚に注意が向きにくく視覚情報に注意が向きやすい

一つの情報に持続的に注意を向けることが困難

複数の情報に同時に注意を向けることが困難


今回の問題にもどこか共通点があるはずです



ハッとひらめきます



一つの情報に持続的に注意を向けることが困難
複数の情報に同時に注意を向けることが困難

ということを考え仮設を立てます


仮説:
「踵部がスポンジに接触する前に、股関節の運動覚に注意が向いていないために踵部の圧覚の認識が困難なのではないか」


股関節の伸展を伴いながら踵部でスポンジの硬さを適切に認識するためには、

股関節の運動覚と踵部の圧覚といった二つの情報に注意を向けなければならないと考えます

つまり、どちらかの情報に注意を向けることができないと「硬さ」の認識は変化すると考えます

自分だったらと考えると、踵部がどれだけ地面に近づいているかわからない状態で、

急に踵部が地面に接触したならば、驚くと思います

そのような状態では、適切な圧覚を認識することはできないと考えます



そのため、股関節の運動覚(伸展)にも注意を向けることを考えました

一つの情報に持続的に注意を向けることが困難

ということから、ただ「つけ根(股関節)の動きにも気をつけてくださいね」

というセラピストの言語による援助では不十分と考えました



そこで



セラピストの言語による援助によって

股関節の伸展運動を通じて注意を向けると共に、

スポンジと接触する瞬間にも踵部の圧覚に注意を向ける


ように行いました


セラピスト「つけ根(股関節)がおりていきますよぉ~
      
      まだ、おりますよぉ~

      おりますよぉ~

      今、着きますね ハイッ



するとぉ




患者さん「さっきより今のほうが弱いね



硬さの認識が可能になりました

「踵部がスポンジに接触する前に、股関節の運動覚に注意が向いていないために踵部の圧覚の認識が困難なのではないか」という仮説が検証されました


今日も一歩前進です


2番と4番の差異を認識する課題を十分に実施しました



その後



セラピスト「踵がスポンジに当たる足の位置に気をつけていてください

      踵がスポンジに当たる瞬間には声をかけます

と再度、股関節の伸展には患者さんに注意してもらい、

踵部がスポンジに接触する瞬間のみにセラピストが言語による援助
を行いました

つまり、難易度を上げたということです



すると…



患者さん「同じやね



股関節の運動覚に注意を向けるセラピストの援助がなくなると、認識ができなくなりました

今の患者さんの認知過程の状態では、股関節の運動覚と踵部の圧覚両方に注意を向けるように援助をおこなうことが必要なようです


まだまだ先が長そうです


今後は、股関節の運動覚を細分化することや、

同じ設定でセラピストの援助の量を徐々に減らしていくように進めていきたいと思います



訓練後、平行棒内で立位を評価します

訓練前は、左下肢の筋収縮はほとんど見られず、右上下肢の過剰な収縮が出現

体幹は左側屈し、左前方へ倒れていました

左足底の接地感については

「よくわからない

と記述していました



訓練後…



訓練を通じて股関節の運動覚と踵部の圧覚といった二つの情報を関係づけることができましたが、

左下肢の筋の動員はほとんどみられなかったことを考え、

セラピスト「左は踵が地面についているのを常に注意してください

      左右の体重のバランスは左:右=1:4くらいの気持ちで立ちましょう

と指示して立位を行います




すると




左股関節・膝関節は軽度屈曲位ながら体幹の側屈なく数秒の立位保持が可能でした

左下肢の筋の動員もわずかながら観察できました

患者さん「さっきより足がついているのがわかります

     少し足のも力が入っています

と喜ばれています


訓練を通じて「わかる」ようになった結果が「動き」につながった

という瞬間です

あとは、生活における移乗やトイレ動作時にも同じことを注意してもらうよう指導を行いました

本人のみならず、病棟スタッフにも伝達することが重要になると考えます

訓練を通じて得た「動きやすいための感じるコツ」を生活の中でも患者さんが注意することによって、

生活そのものが訓練になると考えます



病棟という生活の場面で動作の定着を目指すことはとても重要なことだと思います

そのときに、

患者さんが

「悪い方は力が入らない どうやって立てば良いかわからない
というような状態で反復訓練を行うよりも

患者さんが 

「このようなことに気を付けていれば足がついているものわかるし、安心して立つことができる

というような「コツ」をつかんだ状態で動作を行うことによって、

より効率的なリハビリテーションが可能になると考えます

そのためには、訓練の内容と共に病棟との信頼関係が重要になると考えます

どのような分野の訓練を行ううえでも「チームアプローチは重要になりますね



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コメント
この記事へのコメント
No title
いつも拝見させていただいています。
実際に、課題を施行した場合に利用者にとって難しすぎたという場合を自分もよく経験します。

しかし今の自分では、その瞬間に知覚仮説を立てて、治療プログラムを根拠を持って変更するのはとてもとても・・・
悲しいことですが。



2008/10/31(金) 07:58 | URL | アニー #64TjWBNY[ 編集]
コメントありがとうございます☆
いつもお世話になっておりますv-22

難易度の設定は難しいですねv-393

私も訓練中に困ってしまうことがよくありますv-394

私は患者さんが間違えたときには常に、

「知覚-注意-記憶-判断-言語といったシステムとしての認知過程におけるどこに問題が生じているから間違えたのかv-361

ということを考えておりますv-353

問題と考えた(仮説)点を解決できるような援助をセラピストが考えて再度、課題を実施しておりますv-355

私もはじめは止まってしまうことが多々ありましたが、そいういった仮説-検証-作業の繰り返しによって、徐々に展開が速くなっていったように思いますv-48

今回コメントいただいた「課題に間違えたときのセラピストの考え方」については、今後、ブログを通じて整理していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたしますv-22
2008/11/01(土) 00:04 | URL | 白いなまけもの #-[ 編集]
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