脳梗塞・脳出血や整形外科疾患の後遺症に対する新しいリハビリ方法である認知運動療法(認知神経リハビリテーション)の紹介。 麻痺や痛み・しびれの回復へ向けた日々の取り組みや基本的な考え方の紹介、相談コーナーもあります。

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先日、記事にした北海道の病院からこられた外来の患者さんです

少しずつ訓練効果が積み重なってきています

今回は、はじめて立位で足底の「しびれ」が軽減しました

まさに、考え方が変った結果、「しびれ」が減った瞬間です

最後には、患者さんから驚きの発言


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認知運動療法では、訓練で介入するのは、

認知過程(詳しくはコチラ)と呼ばれる

目に見えない患者さんの脳の中になります



認知とは、ヒトが環境世界との関係を構築していく過程であり、

その過程(認知過程)は、知覚、注意、記憶、判断、言語と言われています

つまり、

環境世界を「感じる」・情報を「知る」過程が認知過程

と言われています



訓練を通じて、

環境世界を感じるための思考過程(考え方)

を改変させるのだと思います





今回の患者さんは、4月から外来で週1回のリハビリをさせていただいている患者さんです

北海道認知運動療法を受けておられた方です(詳しくはコチラ



訓練として、殿部の圧覚を認識する課題を行っていました

適切に圧覚を認識することが出来れば、

殿部のしびれは軽減しました

ブログでも2回報告させていただきました(詳しくはコチラ①コチラ②





その後、生活でも殿部の圧覚を注意していただけるようになっています



今回の訓練前…



患者さん「少しずつ良くなっている感じがします

     「お尻は、だいぶ圧を感じることができるようになりましたよ



訓練をする前から、殿部のしびれはかなり少ないそうです

訓練を通じて学習した、

殿部の圧覚に日々の生活でも注意を向けている

証拠です





しかし





立位や歩行

になると下肢のしびれが強くなり、

足底では注意を向けても圧を感じることができません

しびれているために不安定な感じが強く、杖で過剰に支えています




なんとか下肢のしびれを軽減させたいものです

そうすれば、より安定感が得られるはずです





さぁ






今日の訓練がはじまります






まずは、座位で評価



殿部で圧覚を認識することは出来ており、しびれはほとんどありません

しかし、床と接触している大腿や足底にはしびれが認められます



他動的に体幹を左右に重心異動させると、

殿部の圧覚が変化することは認識できますが、

大腿や足底では、しびれが増強します

大腿では圧覚に注意しても、しびれが強く認識できません







ここでハッと思いつきます







足底を接地していると、足底のしびれが強くなるために、

大腿の認識が余計に難しくなっているのではないだろうか






課題状況を変更して検証してみます





座面を上げて、足底を浮かせます







すると






患者さん「こうすると太ももの裏で圧を感じます

    「今は太もものしびれが少ないですね



大腿で圧覚を認識することが出来ました



足底の問題が大腿にも影響を与えているようです





なんとか足底でも圧覚を認識させたいものです

そうすれば、足底のしびれも軽減する かもしれません




足底の圧覚を認識する課題へ進みます



足底を浮かせたまま、硬さの異なるスポンジを直接踵に接触させます

硬いスポンジでは刺激が強く、しびれが増強するために軟らかいスポンジを選択



健側を通じて、

「軟らかい方がフワッと当たって、硬いほうがグッとくる

といった圧覚に注意を向けます





いよいよ患側の踵で行います









すると








患者さん今はわかりますねしびれも少ないみたいです





意外にも踵で圧覚を認識することが出来ました



このまま認知問題(詳しくはコチラ)を解いていくことで、学習してもらいます

学習していけば、立位・歩行でも足底のしびれが軽減するかもしれません









しかし









途中で急に解けなくなってしまいました



患者さん自身も、なぜ感じなくなったかわからない様子です





どのような認知過程の問題か




原因を探ります





そこで、ある発見が





認知問題を解いているときに、スポンジを接触させている患側の足関節が背屈しています

踵のしびれが強く、正当することが出来ません




歩行場面を思い出すと、患側上下肢の筋緊張は亢進しており、

踵を床に押し付けるように歩いています




しびれていて感じることができないために、押し付けている

のだと思いました

過剰に筋を動員しようとするために、余計に筋緊張が亢進し、

さらに足底が感じにくくなっているかもしれません




まずは、認知問題が解けない原因を探っていきます



セラピスト「先ほどはわかっていましたが、今はわからないようですが、

      どのようなことが起きて、わからなくなったのですか


患者さん「なにか、足に力が入ってしまっているようです



筋緊張が亢進している自覚はあるようです

注意することによって、力を抜くことが出来れば感じやすくなるかもしれません



セラピスト「足に力が入っているのは注意すれば抜けそうですか

     「足の力が抜けたら、今より感じやすくなりそうでしょうか


患者さん「力が抜けたら感じやすいかもしれませんね

    「気をつけて力を抜いてみます













セラピスト「どうでしたか  力は抜けますか


患者さん「今は、少し力が抜けました



注意をして力を抜くことが出来るとは、とても能力が高い方だと思います

いよいよ、足底の圧覚が感じることができるか確認です



セラピスト「それでは、踵にスポンジを当ててみるので、力を抜いておいてくださいね

     「触りますよぉ~  ハイッ  どうですか


患者さん「あぁ 今は触れているのがわかります



圧覚を認識することが出来ました

しびれが軽減しているかもしれません



セラピスト「今は、しびれはどうですか


患者さん「今は、しびれが少ないみたいです



なんと、

力を抜くように注意した方が圧覚の認識がしやすく、

しびれも軽減


しました

後は、患者さんの思考を導きます



セラピスト「力が入っているときと抜けているときで、何か違いますか


患者さん「力を抜いているときの方が感じやすいですね

       しびれも少ないかもしれません


セラピスト「それでは、力を抜くように注意しながら考えてみてください



力を抜くように注意しながら、スポンジの硬さを識別する課題を行います

「力を抜く」ことによって、圧覚を継続して認識できることを願います








すると







セラピスト「これはどうですか


患者さん「これは、グッときていますね


セラピスト「これはどうですか


患者さん「これは、フワッときていますね


セラピスト「これはどうですか


患者さん「これは、フワッときていますね






100点です

継続して圧覚を認識することが出来ました

患側の足関節の背屈も出現しません





訓練を通じて、

力を抜くように注意した方が圧覚を認識しやすい

ということに気づいていただきました







ここからが勝負です







この経験を立位や歩行に活かしたいものです





セラピスト「それでは、今から立ってみます

「今のように力を抜いて足の裏のグッと来る感じに注意してください







いよいよ立位です








すると







患者さん「今は、悪い方の足でもグッと来るのがわかります

    「しびれもあまり感じません





さらに、他動的に左右に重心移動を行います

健側へ行うと健側の足底に圧が加わることを確認




そして、患側へ




患者さん「悪い方でもグッと来ると来ますね しびれもあまり感じません


セラピスト「今は悪い方の足で支えた感じはどうですか


患者さん「はじめより、だいぶ安定しています



バンザイです



はじめて、立位で足底の圧覚を認識することが出来ました

その結果、しびれは軽減し、安定感も得られました



患者さんも驚いています







最後に歩行へつなげます





おそらく、歩行でも注意していれば、しびれが軽減するはずです





まずは平行棒へ





同じように、力を抜いて足底の圧覚に注意するように指示します








すると







訓練前の歩行に見られた患側下肢を押し付けるような筋緊張の異常が軽減しています



セラピスト「歩いていても足の裏で感じますか


患者さん「わかります 気をつけていれば、しびれも少ないです



歩行時にも変化が見られました

バンザイ×2です






焦る気持ちを抑えながらT-cane歩行へつなげます






家ではT-caneで歩いているために、なんとかつなげたいものです






しかし






歩行開始時は、患側上下肢の筋緊張が亢進します

杖を支持する健側上肢もかなり緊張しています

不安定感も強そうです



患者さん「杖だとやっぱりしびれてわかりにくいね







さすがにT-caneは難しかったでしょうか







患者さんを信じて、もう一度チャレンジです





不安定感を与えないようにセラピストが体を軽く支えます

転倒しない安心感を得ることで患側下肢に注意を向きやすくしてもらうためです



セラピスト「私が支えています 絶対に転ばないようにしますので、

      先ほどのように力を抜いて、足の裏に注意してみてください








すると







どうでしょう








患側上下肢の筋緊張の亢進が軽減しています


患者さん「今は足の裏で感じます しびれも少ないです

    「この方が安定していますね 杖もほとんど支えなくて良いです


患者さんもご家族も驚かれていました



この後には、セラピストが体を支えなくても安定して歩行することが出来ました



バンザイ×100です






訓練を終えて、患者さんから驚きの発言がありました





患者さん「今までは、足がしびれていて、

       わからないので杖に力を入れて歩いていました

    「悪い方の足を出すときも必死に杖で支えていました

    「でも、今日、教えていただいて、

       杖や足に力を入れるのではなく、

       力を抜いた方が足の裏が感じやすくて、

       しびれが起きないのがわかりました

    「気をつけていれば、

杖でほとんど支えなくても良いくらいです

    「家で歩くときも、こうして歩いたらよいのですね
 



100点満点の解答です



まさに、

世界を知るための考え方

が変った瞬間です



同時にセラピストとしての大きな喜びを感じた瞬間でもあります



一つ大きな壁を破りました



これならば、自宅でも安定した歩行が可能かもしれません



さらなる機能回復にも期待が膨らみます



<注>

本来、筋緊張が亢進し「力が入っている」という意識経験は認知過程の異常の結果であり、

訓練を通じて認知過程を活性化することによって適切な情報を認知することができた

結果として「力を抜く」という意識経験に変化するものと考えます


そのため、今回のような「力を抜いてください」という指示は不適切であったかもしれません


今回の症例においては、

「足がしびれていて、わからないので力を入れて歩く」

という考え方であったことが大きな問題であったことから、

「足の力を抜く」と注意することが有効であったのかもしれません



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



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    (最初の記事から順に読んでいただくとよいと思います





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コメント
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2009/05/05(火) 17:56 | | #[ 編集]
No title
 素晴らしいですね!毎回同じこと言ってますが(笑)
 これ以上の回復は望めないと諦めて退院して何年も経っている人や、リハビリ日数制限でリハビリを打ち切られた人にも、認知運動療法だったら、ゆっくりですが回復していく可能性があると思います。
 このブログを、上記のような方が読んだらきっと「認知運動療法を受けたい」と思うことでしょう。 
 しかしリハビリの日数制限がある為、受けたくても受けられないし、認知運動療法士も全然足りていないのが現実なんでしょう。
 この問題を解決するには、結果を多く出して、認知運動療法の治療効果を国に認めさせるしかないですね。
2009/05/06(水) 01:23 | URL | getemono #-[ 編集]
可能性
>getemonoさんv-22

いつもコメントをいただきまして、ありがとうございますv-354

臨床場面では、うまくいかないことも多々ありますが、
今回のように壁を乗り越えることが出来たときは、
患者さんと一緒に大きな喜びを感じることができますv-352
それが、セラピストとしてのやりがいを感じる瞬間でもありますv-22

認知運動療法では、運動機能回復を「学習」と捉えておりますv-21
そのために、一般的にプラトーと言われている患者さんにおいても、
運動機能回復できる(学習できる)可能性があると考えますv-354

現在の医療制度では、リハビリ日数の制限などがあり、
認知運動療法を受けたくても、受けることが出来ない患者さんがいらっしゃると思いますv-190

法律の改革や継続して認知運動療法を受けることの出来る人員・環境の整備が今後の課題ですねv-352
2009/05/06(水) 10:47 | URL | 白いなまけもの #-[ 編集]
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2009/05/06(水) 22:21 | | #[ 編集]
No title
ほんと素晴らしいですね!
いつも勉強させてもらっています。

今回は痺れというテーマで興味深く拝見させていただきました。

現在、訪問で頚損(C4 完全損傷)の方を担当させてもらっていますが・・
開始時は自分の身体が分からない・・特異的病理も強く出現していました。そこで、何とか自分の身体を感じましょうと認知運動療法の考えをアプローチに取り入れてみました(認知運動療法の研修会等は参加できていませんが・・)

運動イメージが可能となり(視覚的イメージが強く、過去の記憶からの結びつきの強い状態ですが)、上下肢の接触・空間について痺れや異常感覚の変化によってですが知覚するようになりました。

現在は、視覚的情報と体性感覚的な知覚を近づけていきたいと思っていますが(運動イメージも体性感覚的な記述が出現してきています)、感覚モダリティが複雑で解釈できていないですが。
体性感覚的な記述が増えるとともに痺れに対する訴えも少なくなってきています。


白いなまけものさんのブログにもあるように痺れや異常感覚下での
知覚というのは特異的病理や学習・今後の状態を考慮すると問題があると思い、なんとしても抑制していきたい・自己の身体を感じてもらいたいことから参考にさせていただきたいと思います。

2009/05/16(土) 21:18 | URL | olterna #-[ 編集]
しびれとの戦い
>olternaさんv-22

コメントをしていただきまして、ありがとうございますv-352

また、素晴らしい臨床の報告もいただきまして、ありがとうございますv-22

>上下肢の接触・空間について痺れや異常感覚の変化によってですが知覚するようになりました。
>体性感覚的な記述が増えるとともに痺れに対する訴えも少なくなってきています。

訓練を通じて、痺れがなくなるとはすばらしい結果ですねv-354
今後は、痺れではなく体性感覚の変化によって知覚することができれば良いですねv-352

自己身体や環境世界にトップダウンの注意を向けることで、
片麻痺患者さんも脊損患者さんも適切な知覚が可能となり、
痺れや異常感覚の軽減が得られる可能性があると考えますv-22
2009/05/16(土) 21:57 | URL | 白いなまけもの #-[ 編集]
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