脳梗塞・脳出血や整形外科疾患の後遺症に対する新しいリハビリ方法である認知運動療法(認知神経リハビリテーション)の紹介。 麻痺や痛み・しびれの回復へ向けた日々の取り組みや基本的な考え方の紹介、相談コーナーもあります。

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先日、札幌ベーシックコースの中で、受講生の方に対して訓練をさせていただきました

歩行時に患側で支持すると膝折れが生じてしまいます

40分の訓練を通じて不十分ながら改善することが出来ました

その内容とは・・・

今回は長編になりました


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先日、参加させていただいた札幌ベーシックコース(詳しくはコチラ)の中で、

受講生の方に対して訓練をさせていただきました

歩行の実技の中で、被験者になった方が立位・歩行に大きな問題を抱えていました



立位で歩行の実技中、左立脚中期を取ると・・・



膝折れが生じます



日常生活でも、とても困っているそうです

被験者の方「膝折れが生じるので、膝をロッキングするか
                       軽度屈曲位で歩いています」
 


とのことです



せっかくの機会なので、時間をいただいて訓練をさせていただくことになりました



早速、評価に移ります



患側の立脚中期を取る際に、母趾側に荷重しようとすると膝折れが生じます

そのため、小趾側に過剰に荷重をしています



足底内側の圧覚が認知できていないために適切な筋の動員が困難になっているのではないか

仮説(詳しくはコチラ)を立てました



座位では、患側の足部の内側縦アーチが低くなっています



床との関係を評価するために、縦軸不安定板に足部を置き、水平保持を促します




すると




健側は、脱力しての水平保持が可能です

患側は、水平保持は可能ですが、

股関節内旋の過剰な運動単位の動員

が出現します

健側のように脱力して保持しようすると、水平保持が困難であり外側へ倒れてしまいます




被験者の方も驚いていました




足部で水平保持することが出来ないので、

股関節を用いて水平保持をせざるを得ないのだと思いました





水平保持が出来ないことが、

どのような情報を認知できていないことが原因なのか





認知問題(詳しくはコチラ)を通じて検証していきます



まずは、母趾内側の圧覚が認知できてないことが一要因と考えて、

前足部内外側で硬さの異なるスポンジを識別する課題を行いました



端座位で踵を接地した状態から、足関節を底屈させて、

前足部内外側で硬さを比較する課題を行います




すると




患側でも硬さの差を認知することが可能でした





しかし





セラピスト「どのような感じから、そのように思いましたか

知覚仮説(詳しくはコチラ)を聞いてみると


被験者の方「軟らかい方が沈んでいきます」

と記述します



知覚仮説を圧覚ではなく、運動覚で立てている可能性があります


知覚仮説を確認する方法として、

患者さんの言語訓練状況の変更

が挙げられてます(詳しくはコチラ



ベーシックコースの受講生ということもあり、直接聞いてみます



セラピスト「反発力でわかります



被験者の方「反発力ですか

     「ん~良くわからないですね



反発力と言われてもピンときていない様子です



圧覚が認知できていないかもしれません



圧覚に注意を向けるように健側で行ってみます





すると





被験者の方「こっちでは、反発力がわかります



健側で反発力がわかることにも驚いていました






患側でも反発力に注意すれば、認識できるかもしれません



患側で反発力に注意を向けるように指示します





しかし





被験者の方「ん~わかりませんね



注意を向けても分かりません




困りました



内外側同時に比較していることから、

複数に同時に注意が向きにくいことも原因と考え、母趾側のみで課題を行ってみました




すると




被験者の方「健側ほどハッキリわかりませんが、反発力がわかります

なんとか認知することが出来ました




しかし




左右比較になると難しくなります



スポンジに対する認識を深く聞いてみます

健側ではスポンジに接触してから沈み込むに従って、反発力が増大します



患側では・・・



被験者の方「気を付けてもわかりません



注意を向けても認知できません





果たして何が原因か

悩みます






ハッとひらめきます







課題の設定は、踵を接地した状態から足関節を底屈しています



踵の支持する機能に問題があると、前足部にも問題が生じるかもしれません



踵の評価に移ります



端座位で股関節の伸展を伴って、踵で硬さの異なるスポンジを認識する課題を行います





すると





踵部でも適切に圧覚を認知することが出来ません



注意を向けると不十分ながら可能ですが、

健側と比較するとかなりわかりにくく、

不安定に感じているようです



踵でも反発力を認識することはできません



課題の中で、踵の大きさについての記述が出てきました



被験者の方「踵が小さい感じがします 内側が感じることが出来ません



特に踵の内側の圧覚に問題があるかもしれません



踵の内側に注意を向けて課題を行ってみます






しかし





あまり変化が見られません







どのように援助すれば踵の認知が可能になるのか





またまた頭を抱えます






課題のときの運動をよく観察してみると…





股関節を他動的に伸展する際に、

ハムストリングスの筋緊張の亢進が出現します





また






骨盤が後傾位となっています

















座位にも問題が生じているかもしれません






殿部の接触感に注意を向けると




被験者の方「患側のほうがどっしりしていません






もともと、どこから始まった問題なのかは不明ですが、

下肢だけではなく体幹にも問題が生じています





現時点では、下肢からのアプローチでは解決しそうにないので、

体幹から行う必要があると考えました





殿部の圧覚に問題があり、股関節周囲の筋緊張が亢進している

筋緊張が亢進した下肢で床と相互作用することから、

                  余計に足部の認識が困難になっている

足部では、踵部・前足部の内側の圧覚に認知が困難



と考えました





まずは、座位からです






骨盤を前傾位で保持するように求めると、

殿部の「どっしり感」が出てきます



しかし、自動的な保持を続けることは難易度が高く、疲労するとのことでした



そのため、被験者の方の同僚のセラピストに後方から骨盤を支えていただき、

被験者の方には、殿部の「どっしり感」に注意を向けていただきました





そして





殿部の「どっしり感」に注意を向けながら、他動的に股関節を屈曲・伸展すると





ハムストリングスの筋緊張が制御されています






これなら足部の認識も向上しているかもしれません






ドキドキしながら、足部の課題に戻ります





殿部の「どっしり感」に注意を向けながら股関節の伸展を伴って、

踵の内側で硬さの異なるスポンジを認識する課題を行います








すると








被験者の方「今は、内側で反発力がわかります






踵の内側の認識が向上しました





これを学習してもらうために、踵の内側で課題を行いました






その後に、踵全体をスポンジに接触させると…



被験者の方「今は、踵が大きいのが分かります



踵の大きさの認識も変化しました

少しグッときます




そして、殿部の「どっしり感」に注意した状態で、踵での反発力を聞いてみると…






被験者の方「あれ 今は反発力がわかります




踵の圧覚の認識も向上しました



忘れないためにも、踵の反発力を知覚仮説にして、

硬度の異なるスポンジを識別する課題を行います



課題の後には、踵の安定感が増していました






いよいよ前足部です





殿部の「どっしり感」踵の「安定感」に注意しながら、

前足部内外側で硬さの異なるスポンジを識別する課題を行います



いきなり内外側を比較することは難易度が高いと考え、

母指側のみで課題を行います



端座位で踵を接地した状態から、足関節を底屈させて、

前足部内側で課題を行います





訓練の前半では、反発力は認識できていましたが健側よりも鈍く認識していました





果たして反発力の認識が向上しているのか








すると








被験者の方「今は反発力がハッキリわかります



母指の圧覚の認識が向上しています



忘れないためにも、反発力を知覚仮説にして、

硬度の異なるスポンジを識別する課題を行います



嬉しい気持ちを抑えて、次の課題へと進みます




足部は全面で床と接地してバランスを取るために、

母指と小指で圧覚を認識することが重要になります





いよいよ前足部内外側で比較する課題です



同じように、殿部の「どっしり感」踵の「安定感」に注意しながら行います




先ほどの母指の課題で学習したことを活かすことができるのか








ドキドキします







すると






圧覚(反発力)を知覚仮説にして、内外側の違いを認識する

ことができるようになっていました



体幹からの課題を通じて、前足部の圧覚の認識が向上しました



嬉しい変化です



ここでも忘れないために、反発力を知覚仮説にして、

硬度の異なるスポンジを識別する課題を行いました



訓練前には困難だった、

スポンジに接触してから沈み込むに従って、反発力が増大することも

認識することができるようになっていました




心の中で大きくガッツポーズです
















まだ、終わっていませんでした





改善すべきパフォーマンスは立位・歩行です



足部は全面で床との関係を構築するために、

縦軸不安定板を用いた課題を行います



訓練前の評価で、患側は、

水平保持は可能ですが股関節内旋の過剰な運動単位の動員が出現していました

健側のように脱力して保持しようすると、水平保持が困難であり外側へ倒れていました




足底の内側部の圧覚を認識できるようになったことで、水平保持ができるのか





期待が膨らみます



これまで進めてきたことをまとめ上げる作業です



殿部の「どっしり感」股関節の正中位に注意しながら行います

前足部と踵の内側部の圧覚(反発力)に注意し、

内外側の圧覚が均等になるように注意するようにお願いしました







いよいよ縦軸不安定板に患側を乗せます











すると










被験者の方「足全体がついているのが良くわかります


股関節内旋を伴わずに縦軸不安定板の水平保持が可能になっています

脱力しても倒れることなく、保持することができています



訓練前後の変化に被験者の方も驚かれていました




このまま足部の水平性の課題へと進みます



立位で重心移動を行う際には、足底を床に接地して、床に対して身体が移動します

その時に、足底で圧の変化を認識することでバランスを保つことが出来ています



縦軸不安定板に足部を乗せて、他動的に縦軸不安定板を左右に傾斜させます



健側では、持ち上がった側の足底の反発力が増すと認識します





果たして患側では…




特に外側へ傾斜させた時に、

足底の内側で反発力が増すことを認識できるかが問題です





いよいよ患側で課題を行います








外側へ倒します








すると







被験者の方「親指と踵の内側に反発力を感じます



なんとか、反発力を認識することが出来ました

股関節内旋も見られず、不安定板が外側へ倒れることもありません

しっかり、足部で床との関係を作れています




これまでの訓練が下肢のシステムの再構築につながったと考えます




座位においては、

訓練前は患側の足部の内側縦アーチが低くなっていましたが、

訓練後は足部の内側縦アーチは左右均等になっています







いよいよ仮設の検証作業です




認知課題を通じて足部の認識が改善したことによって、

立位や歩行といったパフォーマンスの改善が見られるか





ドキドキしながらの確認となります




まずは、立位での変化を見ます




いきなり、歩行場面で行うことは難易度が高いと考え、

まずは立位で行います





手すりを持って立位を取ります





もともと立位でも膝折れが生じていたそうなので、

セラピストが支えることで膝折れが生じないようにします



膝折れが起きない安心感を得たうえで、足底へ注意してもらうためです



足底の内外側の圧覚(反発力)へ注意しながら、

他動的に左右へ重心移動を行ないます




まずは、比較的安定している患側へ




患側足底の外側と健側足底の内側での圧覚が増すことを確認





そして、いよいよ健側です





ここで、患側足底の内側で圧覚が増すことが認識できれば、

適切に下肢の筋が動員されて、膝折れが改善する


と考えていました





ドキドキしながら健側へ重心移動を行います



被験者の方も少しドキドキしている様子です








すると








被験者の方「今は、親指と踵の内側での反発力を感じます


患側足底の内側で圧覚が増すことが認識できました



ここぞとばかりに聞いてみます



セラピスト「今は支えている感じはどうですか











被験者の方「今はしっかり支えています

       「膝折れしそうにないです




患側足底の内側で圧覚が認識することが出来ることによって、

適切な筋出力が動員されました

その結果、「膝折れしそうな足」から「支えることが出来る足」へと

経験の変化が認められた


と考えます




立位では、徐々にセラピストの支えをなくして重心移動を行いました





すると





最後は一人でも膝折れなく重心移動ができるようになりました



被験者の方も良くなったことに対して、不思議そうな顔をしていました







最後に、歩行場面で検証です



手すりを持って歩行場面を再現します






立脚初期から立脚中期にかけては、

踵や前足部の内外側の圧を均等にするように注意する

徐々に踵から前足部へと圧が移動する


ことに注意してもらいました







果たして







40分の結果はどう出るか








すると







膝折れがかなり軽減しています


被験者の方ぜんぜん違います

       「しっかり支えているのがわかります


被験者の方も驚かれていました



私もとても嬉しかったです




手すりなしの歩行では、立脚期に時々、足部の内反が出現することもあり、

今後の課題と思いました





訓練後に、何が変化したかを問うと、

「今までは、親指側に力を入れると膝折れが起こるので、

小指側に力を入れて立っていました

しかし、今回、親指側の反発力(圧覚)に注意すると力を抜いても

立つことができるのがわかりました


とおっしゃっていました

まさに認知過程(詳しくはコチラ)が変化した瞬間です

治療を通じて、運動しやすいコツを学習されたのだと思います

家に帰っても反発力(圧覚)に注意するように指導させていただきました





翌朝





昨日、治療させていただいたセラピストに調子を聞いてみました



すると



「家に帰ってから足底の反発力(圧覚)に注意していたら、

今日のほうがよくわかります


と嬉しい現象が



また、

「今までのリハビリでは、

一時的に良くなるのですが、すぐに戻ってしまいました

今回、治療していただいて何を注意すればよいのか分かりました


とおっしゃっていました

昨日、学習したことを自ら応用した結果、昨日より今日の方が良くなるという結果になりました

認知運動療法ならではだと思います




今回の被験者の方は北海道在住のため、私が継続して訓練を行うことはできません

被験者の方の同僚のセラピストもコースに参加されていたので、

今回の訓練において考えたことや今後の課題をお伝えしました

今後、さらに回復されることを心から願っております



今回の札幌ベーシックでは、自分の症例発表に加え、

実際に訓練をさせていただく機会を得ることができました

多くの熱いセラピストとお知り合いになることも出来ました

とても貴重な経験となりました



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



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     臨床展開するための考え方についてはコチラ

    (最初の記事から順に読んでいただくとよいと思います





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コメント
この記事へのコメント
No title
 素晴らしいですね。
 あくまでも、自分の体を制御するのは患者さん自身。学校ではよく「飢えてる人には魚をあげるのではなく、魚の釣り方を教えよ」の話を持ち出しますが、脳卒中のリハビリにおいてそれを実践できているのは認知運動療法だけなのでは?と思ってしまいます。

 今日は授業でボバースのアプローチをいくつか習いました。
 「筋力増強、ROM訓練では、筋緊張が余計に亢進し症状が悪化してしまう可能性があるが、ボバースアプローチでは弱い運動から少しずつ段階づけて麻痺側を促通する」…今までリハビリと言えば「筋力増強、ROM訓練」のイメージを抱いていた多くの生徒はボバースアプローチに感心していました。
 しかし、認知運動療法を知ってしまった僕はボバースアプローチでは足りないと思いました。
 例えば、ワイピング(雑巾がけ)にしても閉眼でグローバルもしくはセグメンタルな空間課題にして筋緊張亢進の制御を目的にした方が治療効果はあるのでは?と思いました。
2009/04/28(火) 00:58 | URL | getemono #-[ 編集]
魚の釣り方
>getemonoさんv-22

いつもコメントをいただきまして、ありがとうございますv-352

「魚の釣り方」とは、まさに「運動しやすいコツ」ですねv-21
私も認知運動療法ならではのことだと感じておりますv-22
コツを掴めば、応用が利くので、生活が訓練になりますv-48
中には今回のケースのように、次回の訓練時の方が良くなっていることもありますv-63

ワイピングやROM訓練においても、何も思考させずに行うのではなく、
運動覚に注意を向けながら行うだけも意味があるのではと思いますv-352
2009/04/28(火) 06:34 | URL | 白いなまけもの #-[ 編集]
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